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故郷への想いと現実の壁
海外のネパール人は国の社会経済的未来に貢献したいと望んでいるが、ネパールは彼らに多くの面倒な手続きを課している。
【カトマンズ Nepali Times=編集部】
過去1年間に約75万人のネパール人が就業のために海外へ渡った。また、11万2,000人が学生ビザで出国しており、その多くが働いたり移住したりする目的も含まれている。この数字にはインドへ行った人や非公式な手段で出国した人は含まれていない。概算すると、昨年だけで少なくとも100万人のネパール人が国外に出たことになる。
さらに、北米、欧州、オーストラリア、東アジアなどに定住しているネパール人もいる。米国にはネパール系住民が29万人おり、世帯収入の平均は年間10万ドルを超える。
ネパール人は世界中のほぼあらゆる場所で同胞に出会うことができる。また、彼らが本国に送金する金額は公式ルートだけでも年間110億ドルに上り、実際の額はさらに高いとされている。
1990年代にパスポート発行が地方に分散化されたことで、ネパール人の国際移動が初めて容易になった。2003年には非居住ネパール人協会(NRNA)が設立され、現在では97,000人の会員を持ち、87か国に支部がある。
2008年、ネパール政府は「非居住ネパール人法」を導入し、外国市民権を取得したネパール系個人または2年以上国外に居住しているネパール市民を「非居住ネパール人」(NRN)と分類した。ただし、南アジア地域協力連合(SAARC)加盟国に居住・就業しているネパール人は対象外とされた。
2015年憲法では、海外のネパール人が「連邦法に基づき経済的、社会的、文化的権利を享受できる」と規定された。しかし、議会がネパール市民権(第一次改正)法案を可決し、南アジアを除く海外のネパール人が選挙権や公職就任の権利を除き、ネパール市民と同等の権利を有するようになるまで、さらに8年を要した。
これらの規定は二重国籍ではなく、第二市民権を与えるものとされている。しかし、NRN市民権を取得した人々はその手続きが不要に複雑であると述べている。米国拠点のNRNは、社会保障番号(SSN)がなければネパールの地方行政事務所が第二市民権を発行しないとされているが、米国法ではSSNを国外に開示することを禁じている。NRN市民権を取得した人々は、政府の指示で免除されるはずのビザ料金を支払わされるケースもある。
この制度の目的は、多くの人々がネパールに投資したり、母国で引退生活を送ったりするのを容易にし、それが経済を活性化させることだった。世界中の第1世代、第2世代のネパール移民の多くは、自分たちの子孫が故郷の文化や伝統を知ることを望んでいる。
非居住ネパール人は購入、相続、または投資を通じてネパールで不動産を取得できる。外国市民権を持つ人は10年間有効なビザを取得可能であり、産業や事業を運営したり、銀行口座を開設したり、外国直接投資(FDI)やネパール市民と同様に投資を行ったりできる。また、投資に関しては税金が免除され、投資額や利益を母国に送金することも可能だ。
それにもかかわらず、ネパールの投資環境はネパール系の人々にとっても魅力的とは言えない。官僚的な煩雑さ、制約、賄賂やリベートが随所で発生し、障害となっている。
相続権は紙の上の存在にすぎず、NRN市民が不動産を購入する際には多くの手続きが求められ、多くの人が断念している。2022年の法案にもかかわらず、ネパールは「心の弱い者には向かない(=忍耐力や決意のある人でなければ難しい)国」とNRNコミュニティで評されるようになった。(原文へ)
INPS Japan
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ロシアの「チャイルドフリー・プロパガンダ」禁止が人権に与える影響
【ブラチスラバIPS=エド・ホルト】
「多くの人々が非常に恐れている」とザリーナ・マルシェンクロワ氏は語った。「これは明らかに抑圧の新たな手段です。国家は、ロシアに残る自由な思考を持つ人々に対して戦争を仕掛け、すべての異議や自由を抑え込もうとしています。」と、ロシアのフェミニスト活動家である彼女はIPSの取材に対して語った。
2022年のウクライナへの全面侵攻直後にロシアを離れ、現在はドイツに住むマルシェンクロワ氏のこの警告は、ロシアで新しい法律が施行された数日後に出された。この法律では、「チャイルドフリー・プロパガンダ」を禁止している。
この法律の下では、対面やオンラインを問わず「子どもを持たないライフスタイル」を促進したり、人々に子どもを持たないことを勧めたりすると見なされた人物、組織、または政府関係者は、多額の罰金を科される可能性があり、場合によっては国外追放されることもある。
議員たちは、この法律が子どもを持たない権利を侵害するものではないと強調しているが、批判者たちは、この法律が、クレムリンによる「伝統的価値観」を中心とした極めて保守的なイデオロギーを推進するための継続的な「十字軍」に利用されるのではないかと懸念している。このイデオロギーは、西洋の堕落したライフスタイルを拒絶し、女性の生殖権を犠牲にすることさえ辞さないものであると言われている。
「女性たちはすでに、将来手に入らなくなることを恐れて、あらゆる種類の避妊薬を買いだめしています。妊娠中絶はすでに難しくなっており、これからさらに困難になるでしょう」とマルシェンクロワ氏は語った。
この法律は12月4日に施行され、「チャイルドフリー・プロパガンダ」を放送メディアやオンラインで広めた個人に対して最大40万ルーブル(約3840ユーロ)の罰金を科し、企業には最大500万ルーブル(約4万8000ユーロ)の罰金を科す内容となっている。また、この法律に違反した外国人は国外追放される可能性がある。
支持者たちは、この法律が、ロシアを深刻な負の人口動態に苦しむ中、有害な西洋のイデオロギーから守るために不可欠だと主張している。
「我々が話しているのは、主に若い世代の市民を対象に、人格形成に悪影響を与えるメディア空間の情報から保護することです。」と下院議長のヴャチェスラフ・ヴォロディン氏は、採決前に語った。「新しい世代の国民が伝統的な家族の価値観を中心に育つようにするために、あらゆることを行う必要があります。」
しかし、人権団体や活動家たちは、この法律について重大な懸念を示している。この法律は、近年ロシアで可決された他の抑圧的な法律と同様に曖昧な言葉で記されており、LGBT+の人々などの少数派や、ウクライナ侵攻への反対者を含む市民社会団体や政府批判者を迫害するために利用されてきたと指摘している。
この法律は比較的新しいため、どの程度厳格に実施されるのか、当局が「チャイルドフリー・プロパガンダ」と見なすものが具体的に何なのかを判断するのは難しい。
しかし、すでに一定の影響が出ている。
「この法律は曖昧で広範に書かれているため、何が罰せられる対象となるのか予測できません。誰にも分からないのです」と、人権擁護センター「メモリアル」の弁護士アナスタシア・ザハロワ氏はIPSに語った。
「例えば、女性が母親であることの大変さや子育ての困難さを公に語ることが、チャイルドフリー・プロパガンダと見なされるのかどうか。すでに、ソーシャルメディア上で女性たちが子育てや母親であることの大変さについて話し合うグループが、罰金を避けるために閉鎖されています。この法律は、人々が何を言うかに対して萎縮効果をもたらすでしょう。」と彼女は付け加えた。
過去10年間に導入された「LGBT+プロパガンダ」を禁止するロシアの法律の経験が、この新しい法律が女性の生活にどのような影響を与えるかを示す手がかりになると主張する人々もいる。
「これは、プーチン政権が推進する有害な『伝統的価値観』の十字軍の一環です。この法律は女性の自由、彼女たちの生殖の自由を制限し、自由全般を抑圧するものです」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)のヨーロッパ・中央アジア担当副局長ターニャ・ロクシナ氏はIPSに語った。
「この法律の影響を予測することは可能です。なぜなら、ロシアでの反LGBT+プロパガンダ法と似ており、その影響を私たちはすでに目の当たりにしているからです。この種の法律が個人を直接的に標的にするのではなく、文化的な領域からプロパガンダと解釈される可能性があるものを排除することを目的としているのです」と彼女は付け加えた。
彼女によれば、この法律の影響で映画、テレビ番組、本が大量に店頭やテレビ番組表、オンラインストリーミングサービスから姿を消す可能性があるという。「例えば、30代の子どもを持たないキャリアウーマンが登場するロマンチックコメディの映画など、そういったものがすべて禁止されることになります。どれだけ多くの映画、テレビ番組、本などが禁止されることになるのかを想像してください。それは非常に衝撃的です。」と述べた。
さらに、この法律は生殖医療にも重大な影響を与える可能性があると指摘した。
「子どもたちが妊娠中絶や避妊についての情報を得ることができるのか疑問です。反LGBT+法が施行された際、教師や支援を提供するべき人々が、(LGBT+に関連する性の健康問題について)話すことができない、あるいは話そうとしなかった結果を目の当たりにしました。助けを必要としている子どもたちが、それを得られなかったのです。」と彼女は述べた。
他の人権活動家も同意見だ。
「妊娠中絶、避妊、その他の生殖医療に関する情報を得ることが、女性たちにとって困難になるでしょう。すでに情報を得るのに苦労している若い世代にとっては、今後、全く情報にアクセスできなくなる可能性がある。」と、国際人権連盟(FIDH)の東ヨーロッパ・中央アジア部門責任者ナタリア・モロゾワ氏はIPSに語った。
これは、女性の妊娠中絶へのアクセスがすでに制限されつつある時期に起きている。
ロシアでは、選択的中絶は妊娠12週目まで合法であり、レイプなどの特別な場合には妊娠22週目まで可能だ。しかし、近年、中絶へのアクセスを制限する動きが進んでいる。
一部の地域では、中絶を「強要」することを禁止する法律が導入された。この法律では、女性に中絶を説得したり、賄賂を渡したり、欺いたりすることを「強要」と定義している。また、国内の数百の民間クリニックが、保健省の支援を受けた「自主的な取り組み」として中絶の提供を停止した。
さらに、国家は医師に対して、女性患者に子どもを持つよう勧める一方で、中絶を思いとどまるよう促すガイドラインを導入している。
「ロシアの公立クリニックではすでに、医師が女性に子どもを持つよう圧力をかけています。ある女性がクリニックに行った際に、なぜ子どもがいないのか、なぜまだ持つつもりがないのかを医師に尋ねられたという事例もあります」とロクシナ氏は述べた。
健康専門家たちは、中絶を制限する危険性をすでに指摘しており、世界保健機関(WHO)の関係者は以前、民間クリニックが中絶を行うことを禁止すれば、ロシアの女性たちがより多く外科的中絶を受けることを余儀なくされる可能性があると警告している。民間クリニックは主に薬による中絶を提供しているが、公立病院では外科的中絶を行うため、副作用や合併症、負傷のリスクが高まる。
WHOはまた、合法的な中絶へのアクセスを厳しくすることが、危険な違法手術の急増につながる可能性があると懸念を示している。
妊娠中絶へのアクセスがさらに厳しくなる中、「チャイルドフリー・プロパガンダ」法が成立した背景には、ロシアがウクライナでの残酷な戦争を続ける中で死亡率が上昇し、出生率が低下するという人口危機に直面している現状がある。
ロシアの統計局ロススタットのデータによれば、2024年上半期にロシアで出生した子どもの数は59万9600人で、前年同期比で1万6000人減少し、1999年以来の最低記録となった。また、6月の新生児数は9万8600人で、初めて10万人を下回り、前年比で6%減少している。一方、2024年1月から6月に記録された死亡数は32万5100人で、前年同期比で4万9000人増加している。
クレムリンはこの人口動態の状況を「国家にとっての惨事」と表現しており、この「チャイルドフリー・プロパガンダ」法を支持する議員たちは、人口減少を食い止める手段として法案を推進している。
しかし、モロゾワ氏は、クレムリンの主な動機は、ウクライナでの戦争を継続するために軍隊を強化することだと指摘している。
「彼らは兵士を生み出す人口を望んでおり、女性には兵士を生むことを求めている。この政権の唯一の目標は、できるだけ多くの兵士を生み出すことです」と彼女は語った。
ロクシナ氏も、この法律はクレムリンが権力を維持する上で最大の脅威とみなしているグループに対抗するための追加の手段を提供すると語った。
「ウクライナへの全面侵攻開始以降、最も目立った抗議活動は女性たちによるものでした。クレムリンは女性を問題視しており、彼女たちを沈黙させたいと考えています」と彼女は語った。
この法律が今後どのように実施され、当局によってどのように解釈されるかは不透明なままだが、すでにこの法律を受けて、標的にされることを恐れて国を離れた活動家もいる。
しかし、この法律が出生率に影響を与えるかどうかには疑問の声が上がっている。
法律成立前に西側メディアに語ったロシアの女性たちは、多くの女性が子どもを持つかどうかを決める際の主な理由は、経済の困難な状況下での金銭的な懸念であり、他者が子どもを持つ権利についてどう考えるかではないと述べている。
また、ロシア全土世論調査センター(VTsIOM)が10月に実施した調査では、ロシア人の66%が「チャイルドフリー」思想の普及を罰することが効果的だとは思えないと回答している。
「この法律には出生率に影響を与える可能性はありません」とロクシナ氏は語った。「この法律は、いわゆる伝統的な家族の価値観を拒絶する声を抑圧することを目的としています。」(原文へ)
INPS Japan/IPS UN Bureau
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トランプ復帰に直面する韓国の三つの選択肢
この記事は、戸田記念国際平和研究所が配信したもので、同研究所の許可を得て転載しています。
【Global Outlook=文正仁】
2期目のトランプ政権は、間違いなく韓国に多大な圧力をかけてくるだろう
あのドナルドが戻って来る。2度の有罪判決、暗殺未遂、あらゆるスキャンダルにもかかわらず、ドナルド・トランプは、オーバル・オフィスの主として4年ぶりに返り咲くことになった。
共和党は上院の過半数を確保しており、下院でも勝利を収める見込みだ。政権を完全掌握すれば、まさに「トランプの奇跡」と呼んで良い状況にいっそうの弾みがつくだろう。(日・英)
トランプの再選は、世界中に同じくらいの歓喜と悲嘆をもたらしている。ウクライナのゼレンスキー、欧州のNATO加盟国、さらにはパレスチナ、イランとその支持者らは、トランプ2.0が予告する外交政策の転換による深刻な脅威を感じている。
イスラエルのネタニヤフとロシアのプーチンは、トランプ政権再来の見通しに笑いが止まらないだろう。中国は外務省の短い声明以外にほとんど反応を示していないが、北京がトランプ復帰にピリピリしているのは明らかである。
しかし、韓国にはどのような影響があるだろうか?
朝鮮半島に関するトランプの政策については、性急に結論を出すべきではない。閣僚の顔ぶれやアドバイザーの人事を見守らなければならない。2期目のトランプ政権には三つの派閥ができると見込まれる。
第1に、トランプとその忠実な取り巻きたち、そして彼らが信奉する取り引き主義的姿勢である。価値よりも優位性を重視し、全ての外交関係を費用・便益分析に基づいて決め、望みの結果を得るために外交取り引きをいとわない人々である。
第2に、トランプの信条であるMAGA(アメリカを再び偉大に)の熱心な支持者がいる。トランプへの忠誠心に加えて、彼らは米国が他国に介入することに強く反対しており、国益が重大な侵害を受けない限り米国が戦争に参加することを望んでいない。この派閥は、ジャクソン主義的孤立主義の特徴が顕著である。
最後の第3の派閥は、共和党の強硬派「ネオコン」である。ネオコンは、米国の優越性を維持し、米国的価値観を世界中に広めるためであれば、武力行使を支持する。
取り引き主義のアプローチは、次期トランプ政権における外交政策と国家安全保障の主流テーマになると見込まれるが、これら三つの派閥の相互作用も決定的要因になるだろう。
新たなトランプ政権のもとで国家安全保障・外交政策の基調を決定するのが誰であれ、それは韓米同盟の現在と将来に大きな影響を及ぼすと見られる。特に、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が強調してきた「民主主義連合に基づく価値の同盟」の未来に疑問を投げかける。
尹は、拡大抑止と統合抑止を強化する米国との合意を代表的な外交成果として謳っているが、これらの合意が存続していくかどうかは不透明である。
北朝鮮の脅威と中国の脅威に対する米国の認識の落差が広がりつつあることを考えると、韓米の抑止戦略に根本的修正がなされる可能性がある。韓米合同軍事演習の強度と頻度だけでなく、朝鮮半島における米軍の戦略兵器の前方展開にも変化が起こり得る。
そのような活動の費用を負担することを韓国が拒めば、トランプはまたもや、活動の規模を縮小する、または完全に停止すると脅してくる可能性がある。
尹政権とバイデン政権は近頃、防衛費分担協定を更新したが、トランプはこの協定を破り、韓国に対して防衛費の負担を現在の10億米ドルから100億米ドルに増やすよう要求する可能性がある。彼は、在韓米軍の人数削減または完全撤退の可能性を駆け引きの材料として使う可能性もある。
北朝鮮問題もまた、大きな変動要因となるだろう。トランプは、北朝鮮の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)と直接取り引きを結ぶ意向を繰り返し表明してきた。トランプがウクライナ問題を解決するためにプーチンと重大な取り引きを結んだ場合、彼はさらに、交渉に応じるよう金を説得するためにプーチンに助力を求めるかもしれない。
米朝関係にこの種の飛躍的な動きがあれば、北朝鮮に対する尹の強硬政策と摩擦が生じることはまず間違いない。
ここでの懸念は、第2次トランプ政権の間に北朝鮮に対する米国の拡大抑止が中断された場合、あるいは交渉によって米国が北朝鮮の核兵器保有を容認する事態になった場合、自前の核兵器を獲得しようという韓国の動きに勢いがつき、トランプ率いるホワイトハウスがそのような動きを認めるような姿勢を示しさえするかもしれないということだ。
韓国が核武装すれば、北東アジアに核のドミノを引き起こす恐れが大いにあり、地域の戦略的安定性を損なう可能性がある。
第2次トランプ政権は、経済にも悪影響を及ぼすと予想される。韓国対外経済政策研究院の最新の報告書によれば、トランプが公約している関税政策により韓国の総輸出額が222億~448億米ドル減少する可能性がある。韓国の輸出業者が代わりの輸出先市場を円滑に開拓できなかった場合、韓国の実質GDPが0.29~0.67ポイント減少する恐れがある。
さらには、CHIPSおよび科学法とインフレ抑制法に基づいて米国への投資を決定した韓国企業に対し、米国が約束した補助金を削減または停止などしたら、経済的影響はいっそう大きくなる。
再就任すればトランプは、韓国に対する慢性的貿易赤字を理由に、韓米自由貿易協定の改正も求めるだろう。
明確なのは、2期目のトランプ政権は、間違いなく韓国に多大な圧力をかけてくるだろうということだ。
こういった見通しを踏まえると、米国の経済学者アルバート・O・ハーシュマンが同じ表題の画期的論文において提唱した「離脱・発言・忠誠」という選択肢を検討する価値がある。
韓国は、米国への揺るぎない忠誠を示す政策を長年堅持してきた。しかし、その政策は本当に最善の選択肢だろうか?
米国に対する韓国側の異論に発言権を与え、さらには現行の体制からの離脱の模索を検討するだけの知恵と勇気を、われわれは持っているだろうか?
それは、間もなく分かることだろう。
文正仁(ムン・ジョンイン)は、韓国・延世大学名誉教授。文在寅前大統領の統一・外交・国家安全保障問題特別顧問を務めた(2017~2021年)。 核不拡散・軍縮のためのアジア太平洋リーダーシップネットワーク(APLN)副会長、英文季刊誌「グローバル・アジア」編集長も務める。戸田記念国際平和研究所の国際研究諮問委員会メンバーでもある。
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ウズベキスタンの建築ルネサンス:歴史とモダニズムの融合
【タシケントLondon Post=ラザ・サイード】
中央アジアの交差点に位置するウズベキスタンは、豊かな歴史的遺産と現代的なデザインを融合させた注目すべき建築ルネサンスを迎えています。サマルカンド、ブハラ、ヒヴァといったシルクロード沿いの古都で知られるこの国の建築の歩みは、文化的な復興と未来への野心を象徴しています。この変革は、過去を守りながら現代都市の発展を受け入れるという繊細なバランスを反映しています。
ウズベク建築の歴史的ルーツ
ウズベキスタンの建築的アイデンティティは、ペルシャ、トルコ、モンゴル、そしてイスラム文化の影響を受けた多様な伝統に深く根ざしています。かつてシルクロードの主要拠点であったこの国の古都には、幾何学模様や壮麗なドームを特徴とする精巧なタイル装飾が施された、イスラム建築の代表的な作品が数多く残されています。
サマルカンドのレギスタン広場にそびえ立つ壮大なマドラサ群や、ブハラのカロン・ミナレットは、この遺産を象徴する代表的な例です。これらの遺跡は単なる建築の傑作にとどまらず、ウズベキスタンの知的および文化的遺産を体現しています。また、これらの構造物は、イスラム黄金時代における地域の芸術的・科学的な進歩を物語る永遠の証ともいえる存在です。
現代建築の新たな波
ウズベキスタンの歴史的遺跡がアイデンティティの中核を成している一方で、同国はモダニズムの受容にも積極的です。近年、首都タシュケントは建築革新の重要な舞台として注目を集めています。1966年の大地震の後、タシュケントのスカイラインはソビエト時代のブルータリズムや未来的な建築様式によって形作られました。しかし、近年では現代建築の新たな波が到来しています。その代表例が、アリシェル・ナヴォイ国際科学研究センターや「ニュー・タシュケント・シティ」といった大規模プロジェクトです。
これらのプロジェクトは、ウズベキスタンを建築革新の国際的な中心地として位置づけることを目指すと同時に、国の豊かな建築遺産を守ることにも重点を置いています。首都タシュケントでは、洗練された高層ビルやモダンなオフィスビルが、修復された植民地時代の建造物やイスラムの歴史的ランドマークと共存しています。この対比は、過去とのつながりを大切にしながらも、未来志向で近代化を進めるウズベキスタンの取り組みを象徴しています。
持続可能性:古代技術の再発見
持続可能性は、ウズベキスタンの建築ルネサンスにおける重要な要素の一つです。現代の技術が採用される一方で、シルクロード時代の伝統的な建築技術も再評価されています。サマルカンド、ブハラ、ヒヴァといった古代都市の建物では、煉瓦や粘土などの素材が使用されており、これらは自然断熱材として機能し、エネルギー集約的な現代のソリューションに頼らずとも、夏は涼しく、冬は暖かい環境を提供していました。
こうした時代を超えた方法の復活は、ウズベキスタンの持続可能性運動の中心的な柱となっています。タフミナ・トゥルディアリエヴァのような建築家たちは、地域の素材を使用することを推奨しており、これは国の歴史を尊重するだけでなく、現代の環境問題への対応にも寄与しています。持続可能なデザインへの注力は、エネルギー効率やエコフレンドリーな特徴を優先する新しいプロジェクトにも反映されており、これには太陽光パネルや緑地、そして伝統的な建築材料の採用が含まれます。
保存と開発の間の緊張
ウズベキスタンが近代化を進める中で、建築遺産を保存したいという思いと、急速な都市化の要求との間に緊張が生じています。同国の人口の約60%が30歳未満という若い世代で構成されており、彼らは進歩や経済発展を象徴する洗練された国際的な建築スタイルを好む傾向があります。
この世代間のギャップが顕著になったのは、2017年にソ連時代の映画館「ドム・キノ」がビジネスパーク建設のために取り壊されたときでした。この問題は開発と保存のバランスに関する激しい議論を引き起こしました。こうした議論は、急速な変化の時代におけるウズベキスタンの国家アイデンティティを定義する際の複雑な課題を浮き彫りにしています。
これらの懸念に対処するため、ウズベキスタン芸術文化発展基金は、建築遺産の重要性に対する認識を高めるためのプログラムをいくつか開始しました。展覧会や「タシュケント・モダニズム」アプリなどのデジタルツールを通じて、若い世代に建築遺産の価値を教育し、それを誇りとインスピレーションの源泉として保つことを目指しています。
建築における文化的アイデンティティ
ウズベキスタンの建築は、国の文化的アイデンティティを表現する上で重要な役割を果たしています。アーチやドーム、緻密なタイル装飾などの伝統的要素を現代のデザイン原則と統合することで、多様な歴史を反映した独自の建築言語が形成されています。
タシュケントにあるアミール・ティムール博物館などの建物は、この融合を象徴しています。この博物館のデザインは、現代的な素材を用いながら古典的なウズベク様式を取り入れており、ウズベキスタンの文化的遺産の連続性を示すとともに未来への展望を表現しています。このようなデザインを通じて、ウズベキスタンは歴史に根ざしながらもグローバルな影響を受け入れる国家アイデンティティを発信しています。
世界的な認知とソーシャルメディアの影響
ウズベキスタンの建築ルネサンスは、国際的な注目を集めつつあります。ルーブル美術館やミラノ・トリエンナーレといった著名な会場での展示会が、同国の建築の可能性を示し、世界的な会議でウズベク建築家の作品が取り上げられています。また、ソーシャルメディアは、同国の建築環境に対する認識を再形成する上で重要な役割を果たしています。
インフルエンサーや旅行者たちは、ソビエトモダニズムとシルクロードの壮麗さが融合した同国の建築を記録し、ウズベキスタンのユニークな建築アイデンティティに国際的な認知をもたらしています。インスタグラムやYouTubeなどのプラットフォームを通じて、ウズベキスタンの隠れた建築の宝物が広く知られるようになり、国の建築物が文化的アイコンとしての地位を確立しています。
未来へのビジョン
ウズベキスタンの建築の歩みは、豊かな歴史的遺産を保存することと、現代の機会を受け入れることとの間で慎重にバランスを取る試みです。タシュケントやサマルカンドといった都市の進化する都市景観は、国家の誇りとグローバルな志向の両方を反映しています。
古代のデザインの知恵を現代の都市計画と統合することにコミットすることで、ウズベキスタンの建築ルネサンスは、急速に変化する世界で文化遺産を保存する複雑さを克服しようとする他国にとってのモデルを提供しています。歴史と現代性の調和を育むことで、ウズベキスタンは建築分野での世界的リーダーとしての地位を確立しつつあります。この国は、過去と未来の両方を大切にする国としてのビジョンを示しています。(原文へ)
INPS Japan/London Post
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