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Exclusive articles:
国連事務総長「軍事費の増大は優先順位の誤りを示す」
Goal16(平和と公正を全ての人に)
宗教指導者、アスタナ会議で対話と連帯を呼びかけ
Goal10(人や国の不平等をなくそう)
トカエフ大統領、宗教指導者会議で平和を訴え
Goal16(平和と公正を全ての人に)
Goal16(平和と公正を全ての人に)
国連事務総長「軍事費の増大は優先順位の誤りを示す」
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2025年9月20日
Goal10(人や国の不平等をなくそう)
宗教指導者、アスタナ会議で対話と連帯を呼びかけ
Goal16(平和と公正を全ての人に)
トカエフ大統領、宗教指導者会議で平和を訴え
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国連事務総長「軍事費の増大は優先順位の誤りを示す」
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2025年9月20日
宗教指導者、アスタナ会議で対話と連帯を呼びかけ
Goal10(人や国の不平等をなくそう)
2025年9月19日
0
【アスタナThe Astana Time=アイマン・ナキスペコワ】 第8回世界伝統宗教指導者会議が9月17日、カザフスタンの首都アスタナで開幕し、世界の主要宗教の代表、宗教団体や市民組織、政府高官など100の代表団が参加した。地政学的緊張や危機が高まる中で、カザフスタンが改めて宗教間対話の世界的拠点として位置づけられる場となった。 開会初日には、人類の精神的・社会的発展における宗教指導者の役割をテーマにパネル討議が行われた。 イスラム世界連盟事務総長のモハンマド・アブドルカリム・アル=イッサ博士は、世界的な暴力と不信感の拡大に言及し、平和こそが第一の目標であると強調した。カザフスタンが精神的リーダーシップを推進していることを称賛しつつ、次のように語った。 「宗教指導者はその精神的権威によって信徒の心に大きな影響を及ぼします。価値観や伝統が異なっても、我々を結びつけるのは人間に普遍的な道徳です。責任は単なる象徴ではなく、対話と誠実さを通じて具体的な行動へと移されなければなりません。」 シナジー(相乗効果)への期待 ローマ教皇レオ14世は特別メッセージを寄せ、「分断された世界に癒やしをもたらすために集った。」と述べた。 「暴力的な紛争が続く時代において、宗教間対話の重要性はこれまでになく高まっています。シナジーとは、互いに、そして神と共に働くことである。」とし、連帯を「隣人愛を世界規模で実践する行為」と位置づけた。 差異を消すのではなく、多様性を相互の豊かさの源泉とするよう呼びかけた。 モスクワ総主教キリルは2012年のカザフスタン訪問と第4回会議を振り返り、「この会議は権威ある国際的プロセスに成長した」と評価した。「伝統宗教の違いがあっても、神への信仰とそれに基づく道徳で一致できる。真に信仰深い社会では、歴史が示すように平和と繁栄が可能だ。」と語った。 エルサレム総主教テオフィロス3世も、自らのアスタナ会議への参加経験を踏まえて次のように語った。「真の理解と相互尊重、共存は真摯で継続的な対話によってしか実現できません。対話とシナジーは相互に涵養し合い、未来の行動原理とならねばなりません。」 分断より対話を 世界道教連合会会長の李光富師は、政治的攻撃や環境危機など、世界が直面する課題に触れ、対話と協力こそが前進への道であると強調した。 「差異は対立の理由ではなく、むしろ相互支援と理解の基盤です。真の努力とは差異を消すことではなく、共通の願望に基づく合意形成を追求することなのです。」と語った。 国連からのメッセージ 国連のアントニオ・グテーレス事務総長はビデオメッセージで、カザフスタンの開催と宗教間対話推進への貢献に謝意を表した。 「国連は対話が平和を導くという信念の下に設立されました。分断と危機が深まる今こそ橋を架ける努力が必要です。宗教・精神的指導者は共通基盤を築くうえで不可欠であり、不寛容に抗い、希望を鼓舞する力を持っています。」と述べた。 多彩な発言者たち このほか、イスラエルの最高ラビ、カルマン・メイール・バー師、国連文明の同盟上級代表のミゲル・アンヘル・モラティノス氏、英国国教会の初代主教ジョー・ベイリー・ウェルズ氏、イランのイスラム文化交流機構代表モハンマド・マフディ・イマニプール博士、OSCE(欧州安全保障協力機構)少数民族高等弁務官クリストフ・カンプ氏などが発言し、世界的危機への対応において、対話、寛容、連帯を指導原則とする決意を改めて示した。 会議に先立ち、「アスタナ・タイムズ」はカザフスタン国内のユダヤ教、バハイ教、ロシア正教会、ペンテコステ派、イスラム教、カトリック、仏教(長岡良幸創価学会国際局長)などの宗教指導者へのインタビューを掲載し、多様な信仰共同体の声を紹介している。(原文へ) INPS Japan/The Astana Times Original URL: https://astanatimes.com/2025/09/religious-leaders-call-for-dialogue-solidarity-at-congress-in-astana/ 関連記事: |第8回世界伝統宗教指導者会議|危機を超えて対話を(長岡良幸創価学会国際局長インタビュー) |バーレーン対話フォーラム|宗教指導者らが平和共存のための内省と行動を訴える 世界伝統宗教指導者会議、アスタナで新たな10年ビジョンに着手
トカエフ大統領、宗教指導者会議で平和を訴え
Goal16(平和と公正を全ての人に)
2025年9月19日
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【アルマトイThe Astana Times=アヤナ・ビルバエヴァ】 カシム=ジョマルト・トカエフ大統領は9月16日、アスタナで開幕した第8回「世界伝統宗教指導者会議」で演説し、激化する国際緊張の中で、人類共通の価値観に基づく建設的対話の必要性を訴えた。 会議の意義と将来構想 大統領は、創設以来この会議が世界的課題について自由に議論できる貴重な場を提供してきたと指摘。参加者の提言に基づき、事務局が2033年までの発展構想を策定し、平和・共生・道徳的原則の共有といった共通目標を掲げたことを明らかにした。「会議の最終宣言が国連総会の公式文書として配布されている意義は大きい」と強調した。 宗教遺産の保護 国連文明の同盟(UNAOC)が会議の一環として宗教遺産保護に関する特別会合を開催したことを評価し、カザフスタンが聖地保護に取り組んでいる姿勢を示した。同国には18の宗派を代表する約4000の宗教団体が活動している。「聖域や宗教的象徴を守ることは、人類文明の基盤を守ることに直結する」と語った。 紛争リスクと外交の役割 大統領は、制裁や軍拡競争が激化し、核紛争の危険性が高まっていると警告した。「この厳しい現実の中で、建設的な外交こそが対話を促進し、疎外を克服し、国際舞台で信頼を築く主要な手段であるべきだ」と述べた。 さらに会議の枠組みで「平和運動」を立ち上げることを提案。その道徳的中核を宗教指導者が担い、信徒や政策決定者、NGO、専門家、若者を結集させて、暴力の終結と平和的解決を求める非政治的イニシアティブとする考えを示した。 気候変動への取り組み 気候変動を「科学的・経済的課題ではなく、人類に突きつけられた根本的な道徳的課題」と位置づけ、宗教指導者の積極的な関与を要請した。「生態学的破局を前にして、国際的な団結を強化し、地球規模と地域レベルで努力を調整することが不可欠だ」と訴えた。 さらに、精神的伝統に根ざした「気候変動対策における宗教指導者の役割」に関する共同宣言の作成を提案し、脆弱な地域への責任を強調した。 デジタル時代の倫理課題 人工知能(AI)の急速な進展に対応するため、宗教間の「AI開発倫理委員会」を設立し、普遍的原則を定めることを呼びかけた。「アルゴリズムに対する一種の戒律が必要だ。人間の尊厳の尊重、差別の排除、そして重大な決定における監督が含まれる」と述べた。 若者の役割 最後に大統領は、若手指導者の育成に言及。2回目となった「若手宗教指導者フォーラム」が新世代の対話と協働への意欲を示したと評価した。「我々に課せられた共通の責務は、この新しい世代の精神的リーダーを支えることだ」と強調して演説を締めくくった。(原文へ) INPS Japan/The Astana Times Original URL: https://astanatimes.com/2025/09/tokayev-calls-for-peace-at-congress-of-leaders-of-world-and-traditional-religions/ 関連記事:
|第8回世界伝統宗教指導者会議|危機を超えて対話を(長岡良幸創価学会国際局長インタビュー)
Goal16(平和と公正を全ての人に)
2025年9月18日
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【アスタナINPS Japan/The Astana Times=ナギマ・アブオワ】 「持続的な平和のためには宗教間対話が不可欠です。」と、創価学会の国際局長である長岡良幸氏が『アスタナ・タイムズ』のインタビューで語った。9月17~18日に中央アジアのカザフスタン共和国の首都アスタナで開催されている第8回「世界伝統宗教指導者会議」において、長岡氏は創価学会のこれまでの参加経験、カザフスタンの平和への取り組み、そして対話構築における青年の役割について言及した。 創価学会と国際的ネットワーク 1930年代に設立された日本発祥の仏教団体創価学会(価値創造の団体という意味)は、日蓮大聖人の教えに根差し、「生命の尊厳」と「一人ひとりの力」を強調してきた。その後、日本有数の宗教団体へと成長し、教育・文化活動や地域社会への貢献を展開している。1975年に国際的ネットワークとして創価学会インタナショナル(SGI)が正式に設立され、現在は190を超える国と地域を結び、平和構築、宗教間対話、人権推進を主要な活動分野としている。 会議を通じた交流の拡大 長岡氏によると、創価学会が初めて世界伝統宗教指導者会議に本格参加した2018年の第6回会議は、国際的な宗教対話を大きく広げる転機となったという。 「この会議には、日本ではほとんど馴染みのない宗教も多数参加しています。日本国内のイスラム教徒は少ないため、多くのイスラム団体と直接交流できたことは極めて貴重な機会となりました。」と語った。 「他宗教の指導者との関わりは、平和を共に追求する上で新たな展望を開き、連帯を大きく拡充する契機となりました。」とも語った。 さらにカザフスタンが果たす平和構築の役割に言及し、1991年の核兵器放棄や中央アジア非核兵器地帯条約の推進を高く評価した。2019年には寺崎広嗣氏を団長とするSGI派遣団が東カザフスタン州セメイを訪問し、ネバダ・セミパラチンスク運動の創始者オルジャス・スレイメノフ氏と会ったことも回想した。 「広島・長崎への原爆投下の悲劇に日本と共に立ってくれることに感謝しています。」と述べ、国連の協議資格NGOとしてカザフスタンと核廃絶に向けた連携を一層強化していく意向を示した。 デジタル時代の若者の役割 今回の会議では「青年宗教指導者フォーラム」も開催される。長岡氏は、技術革新に伴う世代間の変化の中で、若者が対話に新しい活力をもたらすと強調した。 「インターネットやスマートフォンの爆発的な発展により、若者と高齢世代の思考や生活は大きく異なってきています。若者は他国の文化や生活様式に容易に触れられるようになり、相互理解への第一歩を踏み出しやすくなっています。」と語った。 一方で、他文化への接触が必ずしも寛容につながるとは限らず、排外主義を助長する危険性にも注意を促した。 「だからこそ創価学会は、万人の尊厳を尊重する信仰に基づき、他者や異文化を尊重する若者を育むことを重視しています。」と語った。 また、故池田大作SGI会長が提唱してきた「世界市民の育成」にも触れ、創価学園や創価大学を含む教育機関の卒業生が国連など国際機関で活躍していることを紹介した。 世界観を広げた出会い 長岡氏は、創価学会の日刊紙「聖教新聞」の米国特派員時代の経験が自身の宗教間対話への姿勢を形づくったと振り返る。彼は、伝統を超えた連帯の必要性を強調する宗教指導者や学者とのインタビューを思い起こした。 「モアハウス大学キング国際礼拝堂のローレンス・E・カーター師は、公民権運動の指導者キング牧師の遺志を受け継ぐことに生涯を捧げた人物です。彼はバプテスト派の牧師として任命されましたが、池田大作SGI会長の思想と出会ったことをきっかけに仏教思想に強い関心を抱くようになりました。」と長岡氏は語った。 また、ハーバード大学のヌール・ヤルマン教授とも出会い、彼が仏教徒に対し、キリスト教とイスラム教の架け橋となり得る可能性を見いだしていたことを紹介した。 「このように、人類社会の未来に真摯に心を砕く人々との数々の出会いが、私の中に他者への深い寛容の感覚を育み、世界観を広げてくれました。」と長岡氏は語った。 この会議は緊急の危機が山積する中で開催され、対話が果たして即時的な解決をもたらせるのかという疑問も投げかけられている。長岡氏はこうした緊張感を認めつつも、その目標を達成するには忍耐と粘り強さが不可欠だと強調した。 忍耐と行動の継続 彼は、池田大作氏が歴史家アーノルド・J・トインビー、ソ連のミハイル・ゴルバチョフ元書記長、ハーバード大学の経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスらと交わした対話を想起し、それが冷戦から環境問題に至るまで幅広い課題を取り上げたことに触れた。 「池田氏は、一度の対話で大きな変革がもたらされることはないと理解しており、常に忍耐と粘り強さの重要性を強調していました。」と長岡氏は語った。 さらに同氏は、宗教指導者が政治の意思決定者に取って代わることはできないが、彼らの継続的な対話は地域社会を超えた理解を広げる助けとなると付け加えた。 「宗教と政治の関係、さらには宗教と政治のかかわり方は、国ごと、地域社会ごとに大きく異なります。したがって、宗教指導者が差し迫った課題にどう関わるかも、国や地域ごとに異なるのです」と長岡氏は語った。 祈りと共感が築く共生 会議の成果については、宗教指導者が示すべき最大の貢献は「祈り」と「共生の理念」であると語った。 「祈りは宗教の根本実践であり、どれほど社会が変化しても人間の精神を育む不可欠な営みです。」と強調した。 神学的な違いは分断の要因ではなく、人類の多様性の表れとして受け止めるべきであり、共感を通じてこそ平和の基盤を築けると確信している。 「宗教間対話は政治家の会見ほど派手に報道されることはありません。しかし、この会議は人類を平和へと導く確かな進展につながると確信しています。」と結んだ。(原文へ) INPS Japan/ The Astana Times 関連記事: セメイから広島へ―ジャーナリズムで世界の連帯を築く(アスタナ・タイムズ編集長 ザナ・シャヤフメトワ氏インタビュー) カザフスタン、宗教間対話の世界的拠点として台頭 |核兵器なき世界|...
日本、TICADでアフリカの保健の未来を後押し
Goal3(全ての人に健康と福祉を)
2025年9月17日
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【国連IPS=マンディープ・ダリワル、國井 修】 世界の保健が大きな変革期を迎える中、連帯はかつてないほど重要性を増している。他国が約束から後退する一方で、日本は人間の尊厳と安全を優先する共有の未来に向け、揺るぎない投資を続けている。 日本は第9回アフリカ開発会議(TICAD)でこのビジョンを改めて確認し、アフリカ主導の開発を掲げる同会議において、若者の雇用とデジタル変革を議題の中心に据えている。こうした優先事項に沿って、国際協力機構(JICA)はアフリカにおけるインフラ、教育、イノベーション支援のため1億6000万ドルの債券発行を発表した。特筆すべきは、この取り組みが日本企業や金融機関に対し、アフリカ諸国とのパートナーシップや投資を呼びかけ、相互利益を追求している点である。 日本のグローバルヘルス分野におけるリーダーシップは、長年にわたり「共有する責任」と「連帯」の強い意識に支えられてきた。豊かな国々は、日本にならいパートナーシップを構築し、実証済みのイノベーションを拡大し、アフリカの持続可能な成長を後押しすべきである。 アフリカ主導の保健主権と日本の支援 このアプローチは、現地生産、デジタルヘルスの革新、気候に強い保健システムの構築といった分野で特に変革的効果をもたらし得る。これらの分野では、すでにアフリカ発の解決策が台頭しつつある。 ガーナのジョン・マハマ元大統領が主催した「アフリカ保健主権サミット」で採択された「アクラ・コンパクト」は、自国民の健康を決定する権限と主導権をアフリカ諸国自身が有することを確認している。 日本は10年以上にわたり、国連開発計画(UNDP)と連携し、保健技術の開発・提供を支援する「アクセス・デリバリー・パートナーシップ(ADP)」や「グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)」を後押ししてきた。GHITは研究開発を促進し、UNDP主導のADPは各国や地域社会と協力して完成した医薬品や診断薬を導入・普及させる役割を担っている。 小児住血吸虫症治療薬の成功例 最近の成果の一つが、寄生虫による感染症「住血吸虫症」に対する新しい小児用治療薬の開発と普及である。同疾患は熱帯地域を中心に5000万人の就学前児童に影響し、貧血や発育不全、認知発達の遅れを引き起こす。 6歳以下の子どもでも小さな錠剤で治療可能となった。GHITと、ドイツ製薬大手メルクが主導する「小児プラジカンテル・コンソーシアム」が協力し、ケニアの製薬会社ユニバーサル・コーポレーション社(UCL)へ技術移転を実現。UCLは現地生産を開始し、地域社会に持続可能な治療薬供給を保障する体制を整えた。 アフリカで進む現地生産とデジタル変革 この現地生産へのシフトはアフリカ各地で加速している。セネガルからルワンダに至るまで、多くの国が診断薬やワクチン、医薬品の地域製造拠点となりつつある。 2024年にはダカールのパスツール研究所が新しい診断薬製造施設を開設。2023年にはルワンダがバイオエヌテックと提携し、アフリカ初となる可能性のあるmRNAワクチン製造施設を開設した。 同時にデジタル技術やAIもアフリカの医療システムの未来を形づくっている。6月にはAU加盟50カ国が、アフリカ疾病予防管理センターやWHOなどが共同開発したデジタル・マイクロプランニングツールを承認し、オンコセルカ症やデング熱といった顧みられない熱帯病の根絶加速に活用している。 こうしたツールの普及は、感染症流行への備えを強化し、災害時には封じ込めと大流行の分かれ目となり得る。アフリカのデジタル経済は2035年までに7120億ドル規模に成長すると予測されており、投資家にとっても強い誘因となっている。 日本の先行的取り組みと気候変動対応 日本はすでに先を行っている。近年、日本はガーナと協力し、同国4つの主要入国地点にモバイル検査室を設置してパンデミック対策能力を強化した。 さらに本年初めには、日本とコートジボワールが共同で、UNDPの「timbuktoo」イニシアチブを支援すると発表。これはアフリカの若手起業家を対象に、保健分野を含むスタートアップの育成を後押しする取り組みである。 また、気候変動の影響を最も強く受ける国々では、保健システムを強靭化する革新的なアプローチが試みられている。アフリカの主導的取り組み「アフリカ適応加速プログラム」は、すでに150億ドル以上を動員し、気候ショックへの備えを強化している。 UNDPや各国政府が連携した「Solar for Health」や「Smart Health Systems」といった共同プロジェクトでは、14カ国1000の医療施設に安定した電力を供給。これによりワクチンや薬剤の保存、照明確保が可能となっている。 共有の未来のために 気候変動の影響が保健システムに加速的に及ぶ中、こうしたプログラムを持続的に拡大していくことが不可欠である。投資の優先順位もそれに合わせて変わるべきだ。 日本が先導する今、他国も持続可能で公平、包摂的かつ相互利益に資する取り組みに資金を投じるべきである。それは単なる賢明な政策ではなく、私たちの未来を共有するための不可欠な課題である。(原文へ) 本記事は当初『日本経済新聞アジア版(Nikkei Asia)』に掲載されたものです。出典:UNDP マンディープ・ダリワル(UNDP HIV・保健グループ ディレクター)、國井...