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Exclusive articles:
台頭するカザフスタン―再生可能エネルギーと国際外交で切り拓く持続可能な未来
Goal16(平和と公正を全ての人に)
国連、アフガニスタン東部の連続地震に対応 「より良い復興」目指す
Goal11(住み続けられる街づくりを)
分断された世界で橋を架ける「世界伝統宗教指導者会議」
Goal16(平和と公正を全ての人に)
Goal16(平和と公正を全ての人に)
台頭するカザフスタン―再生可能エネルギーと国際外交で切り拓く持続可能な未来
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2025年9月13日
Goal11(住み続けられる街づくりを)
国連、アフガニスタン東部の連続地震に対応 「より良い復興」目指す
Goal16(平和と公正を全ての人に)
分断された世界で橋を架ける「世界伝統宗教指導者会議」
Breaking
台頭するカザフスタン―再生可能エネルギーと国際外交で切り拓く持続可能な未来
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2025年9月13日
国連、アフガニスタン東部の連続地震に対応 「より良い復興」目指す
Goal11(住み続けられる街づくりを)
2025年9月12日
0
国連と加盟国は、このたびのアフガニスタン東部での一連の地震と余震を受け、「地域主体の復興」を最優先課題として掲げている。 【国連IPS=ジェニファー・シンツ・リン・レヴィーン】 アフガニスタン東部の山岳地帯、クナル州とナンガルハル州を中心に発生した一連の地震と強い余震により、未曾有の被害が広がっている。暫定報告によると、少なくとも1,400人が死亡、3,100人以上が負傷。住宅や重要インフラの広範な破壊で数千人が避難を余儀なくされ、落石や地滑りが救助隊の到達を妨げている。 これを受けて、国連人道問題調整事務所(OCHA)は地震発生から数時間以内に1,000万米ドルを拠出し、避難所、食料、水、子どもの保護、医療支援を開始した。英国や韓国なども国連を通じた資金提供を約束している(英国はタリバン政権を承認していない)。OCHAと連携する国連開発計画(UNDP)は、即時の人道支援と長期的な復興・強靭性強化を結び付ける取り組みを進めている。国連は緊急アピールの準備を進めており、中央緊急対応基金(CERF)からの500万米ドルがすでに拠出された。 資金難と持続性への懸念 迅速な対応にもかかわらず、支援が持続できるかどうかには疑問が残る。トム・フレッチャー国連人道問題担当事務次長(緊急援助調整官)は「今回の危機は、人道支援のための資源が縮小している代償を露わにした」と警告。「大幅な資金削減により、何百万人もの人々に不可欠な保健・栄養サービスが停止し、遠隔地の命綱である航空機が地上に留まり、援助団体は活動規模を縮小せざるを得なくなっている」と述べ、各国に改めて支援を呼びかけた。 「地域主体の復興」へ こうした緊急性と資源不足の狭間で、UNDPは即時の生存支援を超えた復興ビジョンを提示している。UNDPアフガニスタン常駐代表スティーブン・ロドリゲス氏は、同国が「複合的な経済危機」に直面していると強調。国連の25の調査チームのデータによれば、これまでに8万4,000人が被災したという。 同氏は、がれきの撤去や住宅再建を行う家族への現金支援など「地域主体の復興」プログラムを説明。2023年のヘラート地震での成功例を引きつつ、加盟国に「より良い復興(ビルド・バック・ベター)」への参加を呼びかけた。 女性と人道支援の課題 一方で、女性や少女への制限が国連活動に影響している現実も指摘された。女性人道支援員の採用は禁じられており、国連女性機関アフガニスタン特別代表スーザン・ファーガソン氏は「女性や少女が今後数日のうちに命を守る支援や情報から排除されかねない」と警鐘を鳴らした。 これに対しロドリゲス氏は、女性が緊急医療を受けられない事例は「あくまで孤立的なもので、体系的な制限ではない」と述べた。 タリバンとの協力と今後 一部の国々がアフガニスタン当局を通じた資金拠出を渋るなかでも、国連は人道原則―人道性、公平性、独立性――を堅持して関与を続ける姿勢を示している。 ロドリゲス氏は2023年の地震対応での困難がその後解消されたことを挙げ、タリバンのヘリコプターによる山岳地帯への支援輸送を含め、連携が改善していると説明。「人道第一」という理解が共有されたことを「模範的」と評した。 当面の焦点は、生存者の救出、食料や安全な水の供給、感染症の拡大防止に置かれる。しかし、国連当局者は、壊滅的な被害を受けた住宅や生計の再建には、緊急援助を超えた持続的な支援と長期的な関与が不可欠だと強調している。(原文へ) INPS Japan/IPS UN Nureau Report 関連記事: タリバンの布告がアフガン女性の危機を深刻化、NGO活動を全面禁止へ アフガン女性たち、自由を得るまでタリバンの圧政に抵抗すると誓う オリエンタリズム、自民族中心主義、女性蔑視、テロリズムによる非・神聖同盟-パートI : タリバン擁護論を解明する
分断された世界で橋を架ける「世界伝統宗教指導者会議」
Goal16(平和と公正を全ての人に)
2025年9月11日
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【Astana Times=マラト・カリジャノフ】 国際関係における緊張が高まるなか、文明・文化・宗教間において建設的な解決策を提示し、信頼を育む持続可能な人道プラットフォームの必要性は一層切実なものとなっている。今日の国際課題の核心には、宗教間・宗派間対話、調和、相互尊重と理解、さらにはグローバルな協力とパートナーシップがある。 こうした世界的状況のなかで、「世界伝統宗教指導者会議」は、カザフスタン発の独自かつ顕著な外交イニシアチブとして台頭してきた。新千年紀の幕開けにアスタナで初めて開催されて以来、この宗教間フォーラムは四半世紀の歩みを経て、世界的に認知される権威ある国際機関へと発展した。 会議の使命は多面的かつ深遠であり、世界的調和の灯台としての役割を担っている。その核心は、主要な宗教・伝統宗教に共通する道徳的・人間的価値を見いだし、言語化することにある。この作業が、多様な信仰体系を越えた相互理解の架け橋を築く基盤となっている。 会議は、信仰や告白、国籍や民族を超えた相互尊重と寛容を育むことを目的とし、宗教的感情を紛争や軍事侵攻の口実として悪用する危険を防ぐことにも積極的に取り組んでいる。今日の複雑な世界において、これは極めて重要な課題である。 結局のところ、この会議は常設の国際宗教間機関として存続し続けている。その結果、将来の集会を導く理念とビジョンの継続的かつ専門的な発展が担保され、世界平和と対話を推進する持続的な原動力としての地位を固めている。 活動は明確に示している。矛盾や対立、分断、精神的緊張が高まる世界においてこそ、宗教間対話、連帯、価値に基づくリーダーシップ、協力といった道筋が、異なる信仰の間にある不信感と疎外感を実際に和らげるのだと。 とりわけ世界的危機の時期にあっても持続性と成功を維持してきたことは、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教、道教、神道、ジャイナ教、ゾロアスター教、バハイ教など、世界の著名で尊敬される宗教指導者を一堂に会する能力によって証明されている。国際機関の代表や政治指導者の参加も、カザフスタンの「精神外交」の戦略的先見性と高まる権威を物語っている。 歴史的展望 この会議は、2003年にカザフスタンが主導し誕生した。世俗的価値と平和への献身に基づく同国の姿勢は、9・11同時多発テロ後に高まった宗教的過激主義のリスクに対する応答でもあった。多民族・多宗教社会としてのアイデンティティに根ざし、平和的共存と寛容を体現する国のビジョンを反映した取り組みである。 2003年9月23~24日の第1回会議には、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教などの代表者が相互尊重の精神で集まった。ヨハネ・パウロ2世、モスクワ総主教アレクシー2世、国連事務総長コフィ・アナンらの支持も得て、宗教間対話の制度化や国際機関との協働、メディア・若者・学術界との連携、寛容の推進による暴力と過激主義の克服が宣言された。 その後も、2006年の第2回会議(新設の「平和と調和の宮殿」で開催)、2009年の第3回会議、2012年の第2回会議、2015年の第5回会議、2018の第6回会議へと発展を続けた。それぞれの場で採択された宣言や設立された「宗教指導者会議」は、制度的枠組みを固め、宗教間協力を世界規模で推進する土台となった。 最新会議からの教訓 2022年9月14~15日の第7回会議は、アスタナ宗教間サミットが正式に国際的プラットフォームとして制度化される重要な節目となった。50か国から100を超える代表団が参加し、ローマ教皇フランシスコとアズハルのグランドイマーム・アフマド・タイーブ師が初めてそろって出席したことは、分断の時代における会議の国際的重みを象徴した。 カシム=ジョマルト・トカエフ大統領は基調演説で、宗教指導者を「人類の道徳的羅針盤」と位置づけ、真の平和には誠実な対話、国際規範の遵守、国家主権の尊重が不可欠だと強調した。 会議は最終宣言を採択し、2023~33年の「長期開発コンセプト」の策定を事務局に付託した。同コンセプトは2023年10月に承認され、2024~25年行動計画では宗教間協力の拡大、対話の深化、会議の地位強化が重点として打ち出された。 国際宗教間・宗派間対話センターの意義 大きな進展の一つが「国際宗教間・宗派間対話センター」の設立である。これは恒常的な拠点として、宗教・専門家コミュニティの間で持続的な交流を支える強固な基盤を築いた。中核には「宗教指導者会議」があり、戦略的監督を担う。事務局と作業部会、若手宗教指導者フォーラムが実務を進め、センターが直接的に関与している。 卓越した持続性と適応力 20年以上にわたり、この会議は急速に変化する国際秩序に対して卓越した持続性と適応力を示してきた。従来の外交では対応しきれない隙間を埋める「トラック2外交」の有効な手段として機能していることを、トカエフ大統領も強調している。 人道的イニシアチブとして始まったこの取り組みは、今日では世界安定のための制度化された動的メカニズムへと転じた。精神外交が古典的な外交手段を補完し、分断された世界に理解と協力をもたらす具体例となっている。 今後、世界的分断とイデオロギー的対立が強まるなか、今年9月に予定される第8回会議「宗教間対話――未来への相乗効果」は画期的な国際イベントとなる見込みである。倫理的誠実さに基づき、調和、相互理解、寛容、団結、平和、安全を推進する実践的な影響をもたらすことが期待される。(原文へ) 筆者:マラト・カリジャノフ(国際宗教間・宗派間対話センター理事会代行議長)※本記事に記された見解は筆者個人のものであり、『アスタナ・タイムズ』の立場を必ずしも反映するものではない。 INPS Japan Original URL: https://astanatimes.com/2025/07/why-congress-of-leaders-of-world-and-traditional-religions-builds-bridges-in-divided-world/ 関連記事: 世界伝統宗教指導者会議、アスタナで新たな10年ビジョンに着手 |第7回世界伝統宗教指導者会議|ローマ法王、多民族・多宗教が調和するカザフスタンのイニシアチブを祝福 |視点|カザフスタンの宗教間対話イニシアチブ:知恵とリーダーシップで世界の調和を育む(浅霧勝浩INPS Japan理事長)
草の根にSTEMを
Goal4(質の高い教育をみんなに)
2025年9月10日
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ネパールの女子生徒が科学技術教育で力をつける 【カトマンズNepali Times=ボゲンドラ・ラミチャン】 初めて触れたパソコンから広がる世界 西ネパールの山岳地帯にある学校で10年生に在籍するドゥルガ・ブダは、つい最近までパソコンを一度も見たことがなかった。 この地域の多くの若い女性たちは、家事や家畜の世話に縛られ、やがては早婚を強いられるのが一般的だ。だがドゥルガにとって、明滅するコンピューターの画面は、これまで想像したこともない新しい世界への扉となった。 彼女は、EDGE(English and Digital for Girls’ Education:女子のための英語とデジタル教育)と呼ばれる放課後プログラムを通じて、今では自信を持ってインターネットを使い、英語を話せるようになった。 女子が排除される現実 南アジアや途上国の数百万の少女たちは、未来を切り拓くスキルから切り離されている。STEM(科学・技術・工学・数学)は現代生活のあらゆる分野を変革しているが、多くの国で女子生徒は体系的に排除されている。世界的に見ても、研究者に占める女性は30%未満。特にコンピューター科学や工学などの成長分野ではさらに少なく、この格差は南アジアで一層顕著である。 初期教育の力 女子のSTEMへの関心は15歳頃から低下する。励ましや資源の不足、成功例の欠如が背景にある。早期の教育介入なしには、ジェンダー格差は広がるばかりだ。安全で包摂的な環境での初期教育は、能力の開発と同時に自信の醸成にもつながる。 EDGEプログラムの成果 EDGEは英国文化会議が展開する有望な取り組みで、女子が英語、デジタルリテラシー、社会的スキルを学ぶ放課後クラブを設置する。特徴はピア・リーダー方式で、女子が仲間を指導しながら協働学習を進める。これまでに南アジアで2万人以上が参加。ネパールでは98%が「自信がついた」と答え、92%が「高等教育を目指す動機づけになった」と答えている。 社会を変える力 EDGEの成果は教室を超えて広がっている。参加者の活躍は地域社会の家父長的規範に挑み、ICTフェアや地域発表会を通じて女子の可能性を示す。ドゥルガは早婚を期待されていたが、今では可能性の象徴と見なされている。調査によると、95%の参加者が「女子教育に対する家族の姿勢が改善した」と報告している。 海外進学とリーダーシップ 英国文化会議の「Women in STEM奨学金」は、AIやデータ科学、再生可能エネルギーなどの修士課程にネパール女性を送り出す。昨年は6人が奨学金を受給し、未来を形づくる分野でのリーダーシップに一歩を踏み出した。 STEM教育の意義 STEM教育は市民教育や民主的価値観を育み、デジタルリテラシーは情報アクセスや公共生活への参加を可能にする。経済的にも、STEMにおけるジェンダー格差解消は国家GDPを押し上げる可能性がある。しかし「人口の半分を未来から排除する社会は繁栄できない」という道義的理由はさらに強い。 気候危機、公衆衛生の緊急事態、デジタル変革には多様で包摂的なリーダーシップが必要だ。EDGEの教訓は明快である―変化は可能であり、そして早く始まる。(原文へ) ボゲンドラ・ラミチャンは英国文化会議ネパール...
高齢者の惑星(Planet of Aged)の台頭
INPS Japan/ IPS UN Bureau Report
2025年9月9日
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【ポートランドIPS=ジョセフ・チャミー】 地球が「高齢者の惑星」へと進化しつつあることが、ますます明らかになっている。世界のほぼすべての国で、高齢者(一般的に65歳以上と定義される)の数と割合が急速に増加している。その結果、高齢者は官庁や制度に入り込み、自らの要求や願望を前面に押し出すようになった。こうした展開の結果として、しばしば国民全体を真に代表していない「老齢支配」(ゲロントクラシー)が形成され、政策、プログラム、支出を左右している。 1950年には、高齢者は世界人口のわずか5%(1億2800万人)にすぎなかった。今日、その割合は倍増し、8億5400万人、すなわち世界人口の10%を占めている。1950年以降、高齢者人口はほぼ7倍に膨れ上がったのである。 2000年には、子ども(18歳未満)より高齢者の数が多い国は、イタリア、日本、モナコの3か国に限られていた。しかし2025年までに、この歴史的な逆転現象は約45の国と地域に広がった。たとえばイタリアでは、高齢者の割合が25%であるのに対し、18歳未満の子どもは15%にとどまっている。日本ではさらに顕著で、高齢者が30%、子どもが14%となっている。 2050年までには、世界人口の17%が高齢者になると予測されている。さらに2080年までには、65歳以上の人口が18歳未満の子どもを上回るとされ、「高齢者の惑星」の台頭を映し出す。 21世紀末までには、地球上に生きる人間のほぼ4人に1人、約25億人が高齢者になると見込まれている。 国連安全保障理事会の常任理事国を含む多くの国々では、世紀末までに高齢者比率がさらに高くなる。たとえば2100年には、フランスとイギリスで34%、中国では41%に達すると予想されている(図1)。 2025年時点で、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、イタリア、日本、ポルトガルといった国々では、人口の約4分の1が高齢者となっている。この割合は2050年までに約3分の1に増える見込みである。 高齢者の台頭により、地球上の多くの国が「老齢支配」へと変貌しつつある。 老齢支配の問題点 「老齢支配」体制は、若い世代のニーズに合致しない政策を打ち出しがちである。その結果、立法の停滞や、国民の変化する需要に対応できない政治体制を固定化する恐れがある。 高齢の指導者たちは自らの世代に主に関わる問題に焦点を当てるため、人口の大多数が抱える課題を見過ごすことが多い。たとえば高齢の指導者は、子どもの福祉より高齢者向け給付に多くを費やし、若者の利益を軽視しがちである。 こうした政治体制は、気候変動、食料不安、環境劣化、生物多様性の喪失、汚染といった長期的課題に取り組みにくい。さらに革新を阻害し、科学研究を縮小し、若手研究者のキャリア進展にも壁をつくる可能性がある。 加えて高齢者は、かつてないほど長生きしている。1950年、65歳時点の平均余命は男性11年、女性12年であった。2025年には男性16年、女性19年へと延びている。さらに21世紀末までには男性21年、女性23年に達すると予測されている。 高齢者と若い人口のギャップ 高齢者人口が増えているとはいえ、世界人口の大多数、約90%(74億人)は高齢者ではない。2025年の世界人口の中央値は31歳であり、約40億人が子どもや若い成人を含む。 しかし、多くの国の指導者は高齢者である。彼らの多くは自国民の中央値年齢の2倍以上の年齢であり、国民の大多数より数十年も年上である(表1)。 さらに政府指導者の中には70歳を大きく超える高齢男性が増加している。2025年時点で、国家元首または政府首班の地位に就いている女性は27か国で、世界の約14%にとどまる。議会や閣僚ポストも男性が圧倒的多数を占め、それぞれ73%、77%である。 高齢の国家指導者を持つことには、認知機能低下、柔軟な思考力の減退、戦略的計画の非効率、新しい発想への抵抗、健康問題(しばしば隠される)、精力や持久力の低下、そして高齢者世代の利益に偏った政策決定といったリスクがある。 特に懸念されるのは認知症である。65歳を過ぎると、認知症発症のリスクは約5年ごとに倍増すると考えられている。米国などの研究者は、55歳以上の人口の42%が最終的に認知症を発症すると推定している。 高齢の国家指導者は、年齢の高さに加え、職務の重圧と持続的ストレスにさらされているため、認知症リスクはさらに高いとみられる。研究によれば、65歳以上の指導者の相当数が意思決定機能の障害を抱えている可能性がある。これは複雑な意思決定、柔軟な思考、衝動の制御に影響を及ぼす。 高齢者の影響力と投票行動 高齢の国家指導者は、自らの任期や人生の終盤に「遺産」を残そうと努める。自身の在任中を超えて長く続く制度や戦略を築こうとする傾向がある。 高齢者にとって強力な手段のひとつが「投票」である。高齢者は年齢を問わず選挙権を持つが、18歳未満の若者は選挙権を持たない。また、高齢者は若者より投票率が一貫して高い。若者は仕事や生活で多忙なため投票行動が制限されがちだ。 高齢の有権者は、より保守的で現状維持を好み、退職や老後医療に関連する経済的問題への関心が強い。そのため、高齢人口の増加は、各国の年金制度財政に深刻な課題をもたらしている。 解決策として、増税、退職年齢の引き上げ、年金給付の制限などが提案されている。しかし高齢者は長寿になったにもかかわらず、退職年齢の引き上げや給付削減、老人への課税強化に強く反対している。彼らは抗議や抵抗を強め、年金制度の現状維持を求めている。 また労働力人口の減少が年金や医療を支える基盤を揺るがしているため、高齢者は出生率向上を求め、家族の伝統的価値観や愛国心を強調する「多産政策」を支持している。しかし世界の半数以上の国や地域で出生率は人口置換水準を下回っており、これらの努力は成功していない。 結論 高齢者の数と比率が増加し、世界の指導者の高齢化が進み、さらに政策や支出を左右する「老齢支配」が確立されつつある現在、地球はまさに「高齢者の惑星」の台頭を目撃している。(原文へ) ジョセフ・チャミー氏は人口学コンサルタントであり、国連人口部の元ディレクター。人口問題に関する著作多数。近著に『人口の水準、動向、格差』がある。 INPS Japan 関連記事: ソーシャルメディアと「#ENDSARS」を駆使し、ナイジェリアの階層主義的長老支配の解体を目指す 年齢制限なき権利──高齢者の権利条約への期待 世界の人口、2050年までに100億人に到達と予測:SDGsへのあらたな挑戦