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アフガニスタンの女性たち、医学課程を修了しても医師になれず
筆者はアフガニスタン在住の女性ジャーナリスト。タリバン政権復帰前にフィンランドの支援を受けて研修を受けた。安全上の理由から氏名は公表していない。
【カブールIPS=匿名】
アフガニスタンでは深刻な女性医師不足が続いているが、イスラム主義政権であるタリバンは女性医学生の卒業資格取得に制限を課し、その状況をさらに悪化させている。女性の医学部卒業生は、医師として正式に診療を行うために必要な最終試験の受験を認められていない。|英語版|
アフガニスタンのパルワン州にあるアル・ビルーニ大学医学部を3年前に卒業したニラブ(仮名)は、タリバンによって最終試験の受験を禁じられたため、医師として働くことができない。
最終試験は、医学部卒業生の能力を評価するための試験であり、7年間の課程修了後に実施される。この試験に合格すると医師免許が付与され、卒業生は正式に医療行為を行うことができる。また、免許取得者は教育病院での専門研修にも応募できる。
「医師が最終試験に合格しなければ、高校を卒業したばかりの学生と同じ扱いになります。医療機関に就職を申し込むと、最初に『最終試験を受けましたか』と尋ねられます。受験していなければ、どの病院でも働くことはできず、看護師としてさえ採用されません。」とニラブは語った。
「私は19年間学び続けました。そのうち7年間は家族と離れ、別の州の学生寮で暮らしました。本当に大変な日々でした。ところが最後の段階で、たった一つの試験――最終試験――によって、これまでの努力のすべてが止められてしまいました。今では私の未来そのものが奪われています。」
女性向けの最終試験が最後に実施されたのは2021年である。それ以降、受験を許可されているのは男性だけだ。この状況は、もともと深刻だったアフガニスタンの女性医師不足をさらに悪化させている。
ニラブはカブールで母親と暮らしている。家族は7人きょうだいで、姉妹4人、兄弟3人だ。
姉妹2人と兄弟2人は大学を卒業しているが、その将来は不透明である。
妹の一人は全国大学入学試験で上位の成績を収め、医学部への進学を果たした。しかし学業を続けることはできなかった。また兄の一人はロシア文学を専攻して卒業したものの、職を得られていない。
一家の収入源は母親と姉妹の一人であるハリダ(仮名)だけである。2人は公立小学校で女子児童を教える教師として働いており、そのわずかな給与で家族全体を支えている。
ニラブ自身も別の方法で生計を立てようとしてきた。最近まで、女性は大学以外の医療教育機関で学ぶことが認められていた。
「困難の中でも、私は2年制の医療学校で教員として働いていました。しかし2025年1月、タリバンが医療学校を閉鎖したことで、その仕事も失いました。」とニラブは語った。
長年にわたる学びが無駄になったことで、彼女は深刻な精神的負担やストレス、不安を抱えるようになった。
「近年、多くの若い女性が自ら命を絶ったのを私たちは見てきました。若い女性たちの政府や司法、人権に対する信頼は完全に失われています。女性の声が封じられ、その思いが心の中に閉じ込められたままになると、耐え難い苦しみになります。その苦しみは私たちを蝕み、癒えることのない傷となるのです。」
タリバンの決定は、2022年以降に学業を修了したすべての女性医学生に影響を及ぼしている。その結果、内科、歯科、外科、循環器科、さらには産婦人科においても女性医師が不足している。
ハリダは2022年にカブールの私立医科大学を卒業した。
「最終試験を受けられないことで、私たちの人生は完全に壊されてしまいました。かつて思い描いていた未来は失われました。その未来のために、12年間の学校教育、大学入試の準備に1年、そして大学での7年間を費やして努力してきました。しかし、そのすべてが今では無駄になってしまったのです。」
卒業後、ハリダは経験を積むために複数の私立病院で無給で働いた。同時に超音波検査の専門研修も受けていた。しかし、最終試験も専門資格取得に必要な試験も実施されず、最終的には自宅に留まらざるを得なくなった。
女性医師の中には、専門性とは無関係で、しかも極めて低賃金の仕事に就かざるを得ない人もいる。
「私も一時期、病院で栄養失調患者向けの栄養補助食品を配布する仕事をしていました。しかし、これは高校卒業者でもできる仕事です。私たちは7年間医学を学んだ医師です。本来なら専門知識を生かして女性患者に医療を提供すべきなのです。」
現在ハリダは大学外で英語を学びながら、国の英語能力試験に合格し、奨学金を得て海外で学び続けることを目指している。
彼女は、アフガニスタンでの19年間の学びにもかかわらず、他者の苦しみも自らの苦しみも和らげることができていないと語る。いまなお家族の経済的支援に頼らざるを得ず、その支えがなければ、自宅の四方の壁の中に閉じこもるしかなくなることを恐れている。
タリバンによる数々の女性規制の結果、多くの女性が人生への希望を失っている。結婚への期待を失った女性もいれば、望まない結婚を強いられた女性もいる。
「私は未婚ですが、現在のアフガニスタンで結婚したいとは思いません。私たち以上に不幸な世代を新たにこの社会に生み出したくないからです。」とハリダは語った。
国連の専門家らは、アフガニスタンにおける女性の教育や就労への制限が、同国の医療危機を一層深刻化させていると警告している。特に、女性患者を診療できる女性医師や女性医療従事者の減少が大きな問題となっている。
「私たち女性医師は、長年学んできたにもかかわらず、社会の女性たちに医療を提供することができません。その代わりに家族の負担になってしまっています。教育を受けた女性にとって、これほどつらいことはありません。私たちはただ女性であり、タリバン統治下に生きているという理由だけで苦しんでいるのです。」とハリダは語った。
INPS Japan/IPS UN Bureau Report
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ロシア・アフリカ関係発展の基盤としてのメディア
【モスクワIPS=ケスター・ケン・クロメガー】
ロモノーソフ・モスクワ国立大学ジャーナリズム学部の後援のもと、ロシア・アフリカ・クラブは4月下旬、ロシアとアフリカのジャーナリストによる第4回国際フォーラムを開催した。同フォーラムは、両地域のメディア協力における新たな歴史的節目となった。|ENGLISH|
毎年の恒例に従い、討議ではメディアのあり方、構造、現在の活動状況、情報発信の内容、課題、そして将来展望に焦点が当てられた。
また、アフリカとロシア連邦の双方におけるメディアが、二国間関係の強化にどのような役割を果たしてきたのか、さらに第1回および第2回ロシア・アフリカ首脳会議で掲げられた重要目標の推進に寄与してきたのかを、批判的に検証することも共通の目的であった。
なぜメディアなのか
予想された通り、会合では踏み込んだ議論が行われた。同時に、「ロシアとアフリカのマスメディア:世界の諸民族の友好と連帯を強化する役割」というフォーラムのテーマをめぐり、著名な専門家らがメディア活動の現状に関する見解や批判を提示し、議論は白熱した。
モスクワ国立大学ジャーナリズム学部長のエレナ・ヴァルタノワ氏は、メディアはロシアとアフリカの多様なパートナーシップ構築に貢献すべきだと指摘した。また、現代世界が複雑な変容を遂げるなか、統一的な情報空間を創出するうえで、異文化間対話が重要であると強調した。
MGIMO国際ジャーナリズム学部長のヤロスラフ・スクヴォルツォフ氏は、最近行った南アフリカへの特別な訪問について語り、南アフリカ、そしてアフリカ大陸全体は、ロシアのメディアにとって依然として「報道の空白地帯」であると述べた。同時に、アフリカの読者や視聴者に向けたロシア報道も極めて限られていると指摘した。
同氏は、この分野において、真摯で思慮深く、掘り下げた報道活動が必要だと強調した。また、強固な関係を築き、地政学的展開への理解を深め、アフリカ大陸の市民社会との対話を促進するため、より多くの機会を探る必要があると訴えた。
背景にある理由
ロシアとアフリカの間に存在するメディア活動の格差は、欧米メディアの圧倒的な影響力、ロシアにおけるアフリカ発の直接報道の少なさ、すなわち認定を受けたアフリカ人ジャーナリストの不足、そして制度的投資の限界に起因している。
こうした要因は、アフリカ研究を専門とするジャーナリストでITAR-TASS分析センターのコラムニストであるオレグ・オシポフ氏、ロシア・ジャーナリスト連盟書記で同連盟国際部長を務めるティムール・シャフィール氏、モスクワ国立大学ロシア・アフリカ・クラブのアフリカ系ディアスポラ・メディア関係委員会委員長で、アフリカ・ビジネス・クラブ会長でもあるルイス・ゴウェンド氏らによって、討議の中で指摘された。
オレグ・オシポフ氏は、ロシアとアフリカのジャーナリズムにおける情報不足に率直な懸念を示した。そのうえで、アフリカ大陸全域にロシアの特派員拠点網を拡大するとともに、経験豊かなアフリカ人メディア関係者をロシアに招くことが急務だと強調した。世界的に地政学的緊張が高まる今日、この課題はとりわけ重要である。
同氏は、現在の世界的潮流を踏まえれば、ロシアはあらゆる分野で存在感を拡大する必要があり、メディア空間はその過程における重要な構成要素であると述べた。
一方、ティムール・シャフィール氏は、メディアを通じてロシアとアフリカの人々や文化が相互にどのように認識されているのかを見つめ、共通の基盤を見いだすことが、今こそ特に重要であると述べた。
さらに同氏は、現在のメディア環境が大きな変革期にあり、技術、受け手、コミュニケーション手段が変化していると指摘した。そのため、ジャーナリズムは特別な責任と職業的誠実さを求められる分野であり、ロシアとアフリカのジャーナリストによる直接対話は、これまで以上に重要になっていると強調した。
新たなアプローチの模索
第4回ロシア・アフリカ・ジャーナリスト国際フォーラムは、新たな夜明けであり、両地域のメディア活動を改善するための新たな章を開くものと受け止められた。参加者はこの見解に大きな拍手を送った。登壇者らは、同フォーラムが多くの新たな共同イニシアチブの出発点になるとの確信を表明した。
ルイス・ゴウェンド氏によれば、たとえば、モスクワ国立大学ロシア・アフリカ・クラブが2022年に創設した情報資源であるメディア・プラットフォーム「RusAfroMedia」は、協力強化を通じて抜本的に刷新され、ロシア・アフリカ協力のイメージ向上に貢献する必要がある。
このプラットフォームは、自由で率直な意見交換、有益で関連性の高い情報の共有、そしてロシアとアフリカのあらゆる協力分野におけるイニシアチブの推進に必要な条件を備えている。同氏は、RusAfroMedia上でロシア人ジャーナリストの活動がアフリカ側に比べて著しく低調であることに懸念を示し、出席者にこの資源をさらに積極的に活用するよう呼びかけた。
ロシア・アフリカ・クラブの事務局長アレクサンドル・ベルドニコフ氏は、世界で新たな発展傾向が広がるなか、ジャーナリズムとメディア分野全体は、情報戦や特殊作戦の「戦場」となりつつあると明確に述べた。
同氏は、2026年10月に予定されている第3回ロシア・アフリカ首脳会議を前に今回のフォーラムが開催されたことは、参加者がロシアとアフリカのジャーナリズム協力に関する解決策やイニシアチブを形成するうえで極めて重要であると指摘した。そうした提案は、今後のアフリカ諸国首脳会議に向けた実践的勧告の基盤となるという。
伝統的取り組みの継続
TASS国際関係局の儀典・アフリカ部長リュボフ・サフノ氏は、ロシア最古の通信社を代表し、ITAR-TASSがアフリカのメディアに対して外国語ニュース配信を継続的に提供してきた取り組みについて説明した。ただし、ロシア・メディアの海外展開は限られた予算という制約に直面している。
同氏によると、アフリカでは400を超えるメディア機関がこれらの情報資源を利用している。また、同氏はロシア・アフリカ首脳会議に合わせて伝統的に開催される同社のメディア・フォーラムについても説明した。
国際通信社「ロシア・セゴドニャ」のメディア研究・分析局副局長セルゲイ・グラチェフ氏は、今日、ロシアが欧米メディアから前例のない圧力を受けているという点で、同僚らと見解を同じくした。アフリカのメディアは多くの場合、欧米の情報源に依存しており、ロシア当局者は、それが偏向的あるいは敵対的な情報で満たされる「空白」を生み出していると主張している。
それにもかかわらず、アフリカにおけるロシアのメディア・プロジェクトは発展を続けている。同氏は、33の外国語で発信するスプートニクのソーシャルメディア上での展開について、分析モデルを紹介した。
通信社「アフリカ・イニシアチブ」の編集長ブインタ・ベンベエワ氏は、近年、ロシアのニュースにおいてアフリカの存在感が明らかに高まっていると述べた。同氏は、アフリカにおける同社の経験について説明した。同社は、多くのアフリカ諸国で現地メディアとの協力協定を通じて存在感を示している。
また、同社はブロガーとも協力し、若いアフリカ人ジャーナリストを対象としたジャーナリズム学校も運営している。アフリカのメディア機関と現地で直接、緊密に協力することこそ、本格的なジャーナリズム活動を実現する鍵である。
ナイジェリアの研究者からの提言
カドゥナ州立大学のババトゥンデ・ジョセフ教授は、戦略的コミュニケーションを強化することで、パートナーシップを深め、アフリカ諸国の文化を結びつける必要性について語った。同教授は、アフリカにおけるロシア通信社の存在感と、ロシアにおけるアフリカ・メディアの存在感を拡大する必要があるという点で、ロシア側の同僚らに同意した。
同教授は、ナイジェリアだけでもハウサ語、ヨルバ語、イボ語、ピジン英語、そして平易な英語の5言語で放送を行う有名な英国のラジオ局を例に挙げた。「これは成功した戦略である」と、同教授は認めざるを得なかった。
ナイジェリア代表団を率いたカドゥナ州立大学のモハマド・バシル・アリ教授は、ロシアとアフリカの経済・起業協力を促進するうえでメディアが果たしてきた伝統的役割について、詳しく論じた。アフリカとロシアの双方が複雑な国際環境による多くの課題に直面しているにもかかわらず、この分野には巨大な可能性がある。同教授は、メディア分野における一層の連携強化が不可欠であると結論づけた。
同じくカドゥナ州立大学のユシャウ・イブラヒム・アンゴ教授とアヨデレ・ババトゥンデ教授は、「デジタル化の文脈におけるアフリカの創造産業とメディア・システム」と題する研究報告を行い、デジタルメディアがナイジェリア経済における起業活動に与える影響を分析した。
同報告は、デジタル・プラットフォームへの依存が、アルゴリズムの予測不能性を含む新たな脆弱性を経済にもたらしていると結論づけた。また、デジタル・プラットフォームを起業活動のインフラとして理論化することで、起業研究とメディア研究に貢献するものであり、政策、プラットフォーム・ガバナンス、そしてアフリカの文脈においてメディアが経済生活をどのように形づくるのかを理解するうえで示唆を与えるものとなった。
結び
ロシア・アフリカ・クラブ青年プロジェクト委員会委員長のハフィズ・バシ氏は、閉会挨拶で、ソ連時代の政治的決まり文句によってロシアとアフリカを描く古い固定観念を改める時期に来ていると強く訴えた。
「私たちに必要なのは、人々をさらに隔てるジャーナリズムではなく、人々を結びつけるジャーナリズムである」とバシ氏は強調した。また、ロシアで認定を受けたアフリカ人ジャーナリストが不足していることは、依然として差し迫った課題であると指摘した。
一方、アフリカのメディアはロシアについて主に政治的な観点から報じており、ロシア文化の真の深みやロシアの人々の精神を十分に伝えられていない。バシ氏によれば、ロシア・アフリカ・ジャーナリスト・フォーラムは、ロシアとアフリカのメディア協力を強化するための最も差し迫った課題、展望、戦略を議論する場として、その重要性を改めて示した。
急速な地政学的変化の時代にあって、また欧米諸国とその同盟国による攻撃的な言説に対応するうえで、パブリック・ディプロマシー、ソフトパワー、平和構築に資するジャーナリズムは、ますます重要性を増している。ロシア・アフリカ対話の強固な基盤を築くためには、慎重な分析と有効な措置が求められる。
ケスター・ケン・クロメガは、アフリカにおける現在の地政学的変化、対外関係、そして外部諸国との経済開発に関する問題を専門としている。同氏の記事の多くは、信頼性の高い複数の海外メディアに転載されている。
INPS Japan
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アフリカのクーデターと資源の権利
アフリカの水は未来そのものだ――誰がそれを統治するのか
【国連IPS=クリスティーナ・ドゥアルテ】
アフリカには、世界の再生可能淡水資源の9%、未開発の水力発電潜在力600ギガワット超、そして世界の未耕作の耕作可能地の60~65%が存在する。|ENGLISH|
その労働力は地球上で最も若い。消費市場は2050年までに25億人規模に達する。これらを合わせれば、今後数十年、世界の水・エネルギー・食料システムが必要とするあらゆる生産要素がそろっていることになる。
これは欠乏の大陸ではない。戦略的豊かさを備えた大陸である。アフリカ連合(AU)が2026年のテーマを水と衛生に据えたことは、アフリカの指導者たちが、この豊かさをそれにふさわしく統治する用意があることを示している。
豊かさが適切に統治されるとはどういうことか、考えてみたい。グランド・インガ・ダムだけでも、中国の三峡ダムの2倍の発電量を生み出し、中部、南部、西部アフリカの産業に電力を供給できる可能性がある。レソト高地水プロジェクトは、アフリカ自身が手がける国境を越えた水インフラが大規模に機能し、主要な都市経済に供給できることをすでに証明している。
サブサハラ・アフリカの耕作可能地に占める管理灌漑の割合は3.7%にすぎず、開発途上地域で最も低い。この割合を今後10年で10%に引き上げるだけでも、食料安全保障は大きく変わり、農業バリューチェーン全体で数百万人規模の雇用が生まれ、降雨変動に対する大陸の脆弱性も低下するだろう。
こうした投資はいずれも、アフリカの技術的能力の射程内にある。工学的知見はすでにある。水はある。土地はある。労働力もある。
問われているのはガバナンスである。この点について、アフリカは自らに率直でなければならない。現在主流となっているアプローチは、この機会の規模に見合っていない。各国政府やドナーは、水を道路、港湾、送電網と同等の生産的インフラとして扱うのではなく、掘削井戸や簡易トイレを案件ごとに管理する社会サービス提供の課題として扱ってきた。
維持管理予算を伴わずに設置された手押しポンプは、開発ではない。衛生システムにつながらない穴式トイレの建設も、開発ではない。こうした介入は、成果管理の枠組み上は進捗として記録されるかもしれない。しかし、経済を変革するものではない。それらは資産ではなく、消耗品である。
この不均衡を示す証拠は明白である。安全に管理された飲料水を利用できるアフリカの人々は、人口の半数にも満たず、41%にとどまる。小学校就学年齢の子ども2300万人が、空腹のまま授業を受けている。約4億2900万人のアフリカ人が極度の貧困の中で暮らしており、この数は2030年にも4億人を上回ると予測されている。
これらの数字が示しているのは、資源に乏しい大陸の姿ではない。水を戦略ではなく慈善として扱うガバナンスモデルであり、限られた資本を消費しながら持続的なシステムを生み出さない「建設し、放置し、再建する」という循環である。
アフリカはこの循環を断ち切ることができる。私は、その軌道を変えるために3つの転換を提案したい。
第一に、「戦略的資産管理」を大陸規模の基本方針として採用することである。
ダム、灌漑網、都市部の処理施設、国境を越える水システムは、50年から100年の寿命を持つ資産である。これらに必要なのは、5年単位のプロジェクト期間ではなく、持続的な制度的管理である。計画から維持管理、更新に至る全ライフサイクルを通じて、あらゆる段階に気候適応を組み込みながら統治しなければならない。
アフリカ各国政府が水システムを国家インフラとして、すなわち引き渡して終わる一時的な事業ではなく、維持すべき恒久的な資産として扱うとき、「建設し、放置し、再建する」というパターンは終わる。
第二に、大陸規模の灌漑拡大に着手することである。
南アジアでは耕作可能地の41%が灌漑されている。サブサハラ・アフリカでは3.7%にすぎない。今後10年でこの差の一部を埋めるだけでも、雇用を生み出し、農業バリューチェーンを構築し、食料主権を強化し、輸入食料への依存を減らすことができる。水があっても灌漑がなければ何も育たない。土地があっても水がなければ誰も養えない。管理された灌漑こそ、賦存資源を経済価値へと転換する最短の道である。
第三に、共有流域に対して、実効性ある協調的ガバナンスを構築することである。
アフリカの地表水の90%は、少なくとも1つの国境を越えて流れている。ナイル川、ニジェール川、コンゴ川、ザンベジ川。これらは地域的なシステムであり、地域的なガバナンスを必要としている。アフリカには、すでに機能しているモデルがある。セネガル川流域開発機構は、4カ国にまたがる越境システムを半世紀にわたって管理してきた。課題は、協調的ガバナンスを例外ではなく標準にすることである。それは外交上の礼儀としてではなく、地域の安定と統合に向けた戦略的要件として位置づけられなければならない。
こうした転換に資金を投じるには、アフリカ自身が自らの資源をもって主導しなければならない。AUハイレベル・パネルおよびアフリカ開発銀行によれば、水安全保障の格差を埋めるには、年間500億~640億ドルが必要とされる。主たる資金基盤は国内になければならない。料金体系を段階的に改革し、維持管理予算を守り、漏出を止め、水への投資を道路や送電網と同じ真剣さで扱うべきである。
アフリカはまた、統合的な水投資に向けて、これまで慢性的に活用しきれてこなかった国際気候資金を動員しなければならない。さらに、アフリカ各国政府は、義務的な水影響評価なしに外国資本による土地取引の承認を検討すべきではない。アフリカ各国政府は、土地管理と土地ガバナンスを、水ガバナンスと一体的に扱う必要がある。外国にリースされたアフリカの農地で栽培され、輸出される作物はすべて、大陸外への「仮想水」の移転である。その水は価格付けされず、勘定に入れられず、統治されてこなかった。土地と水は切り離せない。一方を手放すことは、他方を手放すことに等しい。
今後数十年のうちに、世界はアフリカの水と土地を開発するだろう。その過程はすでに始まっている。自国の水と食料の制約に直面する豊かな国々は、アフリカの豊かさが意味する現実的な計算を理解し、それに応じた布石を打っている。唯一の問いは、この開発がアフリカ自身の条件で進むのか、それとも他者の条件で進むのかである。
最後に、厳しい現実を述べておきたい。持続可能な開発目標(SDGs)は、2030年までにアフリカで達成されることはないだろう。率直であるなら、そう言わなければならない。しかし、アフリカの指導者たちがいま、水を本来あるべきものとして統治することを選ぶなら、2030年以後の世代は異なる未来を受け継ぐことができる。すなわち、水を経済変革の原動力、平和の基盤、そして大陸が子どもたちのために託された最も重要な資産として扱う未来である。
アフリカの水は、アフリカの未来である。問われているのは、アフリカがそれを統治するのか、それとも他者によって統治されるのかということである。
クリスティーナ・ドゥアルテは、国連アフリカ担当特別顧問室の事務次長である。
INPS Japan/ IPS UN Bureau Report
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中東のエネルギー輸送路の混乱、英国にとっての「ミドル・コリドー」の戦略的重要性を浮き彫りに
【エディンバラINPS Japan/London Post=編集部】
ヘリオット・ワット大学エディンバラ・ビジネススクールは5月27日、「ミドル・コリドー(中央回廊)と英国・中央アジア貿易の未来」と題するウェビナーを開催した。学界、ビジネス界、専門家コミュニティから参加者を迎えた同討論では、英国が中東の先を見据え、南コーカサス、中央アジア、さらに広くユーラシア地域との連携により大きな関心を払うべきかが議論された。これらの地域は、新たに形成されつつある複合的な貿易・エネルギー網を通じて、欧州との結び付きを強めている。|英語版|
世界の液化天然ガスと海上輸送される石油のおよそ5分の1が通過するホルムズ海峡の閉鎖は、世界のエネルギー供給網の脆弱性を改めて浮き彫りにした。米国、イスラエル、イランの対立がいつ、どのように収束するのか見通せないなか、市場は長期的な不安定化に備えている。
同時に、イエメンのフーシ派による脅威が続いていることは、紅海とアデン湾、インド洋を結ぶ海上の要衝バブ・エル・マンデブ海峡の安全にもリスクをもたらしている。さらに、ソマリアを含む「アフリカの角」地域の不安定化も、地域の海上安全保障上のリスクを一段と高めている。
その影響はすでに英国にも及んでいる。エネルギー業界の幹部らは、湾岸地域の緊張が世界市場に波及するなか、7月以降、家計の光熱費が最大209ポンド上昇する可能性があると警告している。燃料価格も急騰しており、対立が激化して以降、英国全土でガソリンは1リットル当たり25ペンス以上、ディーゼルは50ペンス近く上昇した。
この議論の中心にあるのが、正式名称を「カスピ海横断国際輸送ルート(TITR)」というミドル・コリドーである。同ルートは、カザフスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、トルコを経由してアジアと欧州を結ぶ貿易の大動脈である。地政学的混乱の影響を受けやすい従来のルートとは異なり、ミドル・コリドーは輸送時間の短縮と比較的高い政治的安定性を兼ね備え、紛争の影響を受ける地域を迂回しながら、東西間の貨物輸送を支えている。
ウェビナーで発言した英王立防衛安全保障研究所(RUSI)金融・安全保障センターのリサーチアナリスト、アルズ・アッバソヴァ氏は次のように述べた。
「ホルムズ海峡危機は、従来型ルートの脆弱性を示す一方で、チョークポイント依存のリスクと、ミドル・コリドーのような代替的・新興ルートにより注目する必要性を改めて浮き彫りにしました。
地政学的分断が進むなか、ミドル・コリドーは貿易、安全保障、影響力が交差する戦略的空間として台頭しています。英国にとって、ミドル・コリドーへのより深い関与は、世界のサプライチェーンが根本的に再編されるなか、連結性を高め、地政学的重要性を増す地域とのパートナーシップを強化する機会となります。
アゼルバイジャンは、ミドル・コリドーを2020年以降の連結性戦略の主要な柱であり、戦略的統合の手段と位置付けています。近隣のミドル・コリドー諸国との二国間の関係固定化の取り決め、インフラ外交、環境配慮型物流への投資を通じて、バクーは新たに形成されつつある連結性の構造の中心的結節点として自らを位置付けています。」
アゼルバイジャンとカザフスタンは、それぞれ南コーカサスと中央アジアにおける英国の関心の最前線に位置している。両国はいずれも英国と戦略的パートナーシップを維持し、主要なエネルギー生産国でもあることから、世界的な不確実性が高まるなかで重要な対話相手となっている。さらに重要なのは、両国が地域の安定、開かれた貿易、ルールに基づく国際秩序という英国の関心をおおむね共有している点である。それは、困難な近隣環境という現実に根差した実務的な見方でもある。
南コーカサスの地政学的展望も、連結性に有利な方向へ変化しつつある可能性がある。アゼルバイジャンとアルメニアの間で持続的な和平合意が成立し、地域関係が改善し、輸送路の再開が実現すれば、東西を結ぶ新たな動脈が生まれ、ミドル・コリドー全体の商業的実現性をさらに高めることになる。
南コーカサスの先にある中央アジア5カ国も、炭化水素資源にとどまらない大きな経済的潜在力を有している。同地域は、大規模な農業生産や畜産に自然条件の面で適しているだけでなく、先端技術に不可欠となりつつある重要鉱物の豊富な埋蔵量も抱えている。同じく重要なのは、中央アジア全体に見られる人的資本の質である。高等教育を受けた労働力が増加しており、その多くは欧米で教育を受けている。これが地域の経済競争力の強化に寄与している。
ミドル・コリドーの地経学的重要性について、ヘリオット・ワット大学エディンバラ・ビジネススクールの持続可能交通学教授、ジョン・イーストン氏は次のように述べた。
「鉄道インフラの整備の進展は、鉄道貨物サービスへの需要に大きな影響を与える可能性があります。今回の講演では、ミドル・コリドーの東側と西側にある鉄道システムの違いに触れ、鉄道利用に対するアプローチの違いが、その実現可能性にどのような影響を及ぼし得るのかを検討します」
ミドル・コリドー沿いの進展は漸進的ではあるが、確実な成果を上げてきた。特に、通関手続き、許認可、輸送規制の調和において前進が見られる。それでもなお、最大の制約はインフラである。これまでの投資は主に鉄道、港湾、トンネルに集中してきたが、今後はカザフスタンやアゼルバイジャンなどの生産国から欧州市場へ石油と天然ガスを輸送するためのパイプライン能力も、議論の重要な一部としなければならない。
経済的意義は大きい。ミドル・コリドーが全面的に稼働すれば、ユーラシア全域の貿易を再形成し、中央アジアと南コーカサスにおける連結性、投資、経済統合を一段と深める可能性がある。世界銀行の試算によれば、貨物輸送時間は最大50%短縮され、同ルートの貿易量は2030年までに3倍に増加する可能性がある。
サプライチェーンと国際貿易への影響について、オークランド大学ビジネススクールのオペレーション・サプライチェーン管理学教授、イスマイル・ギョルゲジ氏は次のように述べた。
「最近の地政学的緊張とサプライチェーンの混乱は、ミドル・コリドーの戦略的重要性を高めています。しかし、この回廊が将来、世界貿易においてどのような役割を果たすかは、インフラや輸送面の連結性だけでなく、地域全体で事業を展開する企業の強靱性、戦略的機動力、制度的準備態勢にも左右されます」
現在、欧州連合(EU)は域外最大の利害関係者であり、地域の連結性強化を目的とした100億ユーロの投資コミットメントがその基盤となっている。一方で、英国の関心も高まり始めている。政策機関やシンクタンクは同ルートの戦略的価値に注目を強めており、インフラ金融、規制基準、輸出金融メカニズムに関する英国の専門性は、同回廊全域での将来的な商業的関与において重要な役割を果たし得ると見られている。
英国がミドル・コリドーへの関与を深めれば、その影響は商業分野にとどまらない。サプライチェーンの強靱性を高め、南コーカサスと中央アジアという、合わせて約1億人規模の市場における英国の地域的プレゼンスを広げ、地政学的リスクが高まる海上輸送ルートへの依存を軽減することにつながる。
討論の司会を務めたヘリオット・ワット大学エディンバラ・ビジネススクールの戦略・国際ビジネス助教、アシルベク・ヌルガブデショフ氏は、次のように述べた。
「ミドル・コリドーは、単なる代替的な貿易ルートではなく、分断が進む世界貿易システムにおける戦略的な多角化メカニズムとして浮上しています。しかし、その長期的成功は、インフラ投資だけでなく、調整、制度的信頼、運用上の信頼性にもかかっています。この文脈において、地域の軸としてのカザフスタンの役割、そしてガバナンス、金融、教育を通じた英国の制度的貢献は、ますます重要になっています。」
INPS Japan
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