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私の名はダッカ
【ダッカIPS=モハンマド・ラキブル・ハサン】
「私の名はダッカ」 は、400年を超える歴史を持つダッカを、生きて呼吸する都市として描いた1分間の実験映画である。思索的な語りを通じて、都市の変貌や危機、そしてしなやかな強さを映し出す。汚染と祝祭、苦難と希望が交錯するなか、気候変動、移住、人々の生き抜く営みによって形づくられてきた巨大都市ダッカの実像を浮かび上がらせている。
私の名はダッカ。私は400年以上の歴史を生きてきた。ムガル帝国の栄華から植民地支配、独立、そして現在に至るまで、幾多の帝国の興亡を見つめてきた。いま、私はおよそ3600万人を抱える巨大都市となった。
同時に私は、世界有数の気候危機の最前線にある都市でもある。川はたびたび増水し、暑熱は強まり、空気は年々いっそう重くなる。私はしばしば、世界で最も大気汚染が深刻な都市の一つに数えられる。
私は、新型コロナウイルスのパンデミックのなかで、通りから突然人影が消えたあの静寂を覚えている。2013年から2014年にかけての政治不安の中で起きたバス爆破事件の恐怖と混乱も覚えている。そして2024年、ファシズム的な体制が崩壊した瞬間も記憶している。
https://www.youtube.com/watch?v=HR2jS89v3Co
だが、私は危機だけの都市ではない。私は対照に満ちた都市でもある。児童労働や深刻な社会的不正義の現実を抱え、多くの人々が生き抜くためだけに日々もがいている。その一方で、私は生を祝う都市でもある。ホーリー祭の季節には通りが鮮やかな色彩に包まれ、人々は苦境のただ中にあっても喜びを見いだす。(原文へ)
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日本と韓国、台湾・北朝鮮・ホルムズをめぐる視点からトランプ・習近平会談を注視
【ニューヨークINPS Japan/ATN=アハメド・ファティ】
日本と韓国は、ドナルド・トランプ米大統領が北京で予定している中国の習近平国家主席との首脳会談を注意深く見守ることになる。両国にとって、この会談は中国だけをめぐるものではない。台湾、北朝鮮、エネルギー安全保障、そしてインド太平洋における米国の同盟体制の将来に関わる問題でもある。|ENGLISH|
両国はいずれも、米中間の緊張が管理されることを望んでいる。世界の二大大国の間で危機が起きることは、どちらも望んでいない。しかし同時に、中国との安定が、台湾に関する表現の軟化、北朝鮮への圧力の弱まり、あるいは米国の関与をめぐる不確実性と引き換えに得られるものではないかを見極めようとするだろう。
日本にとって第一の懸念は台湾である。台湾海峡で危機が起きれば、日本の領土、日本国内の米軍基地、海上交通路、そして東シナ海に影響が及ぶ。日本政府は米中関係の安定を公には支持しているが、本当の試金石となるのは、米国政府がが抑止力を明確に保ち、同盟国に十分な説明を行うかどうかだ。
中国の見方は異なる。習近平政権は今回の首脳会談を関係安定化の機会と位置づけているが、台湾については引き続き主権に関わる核心的問題として扱っている。日本にとっては、米中双方が発表する会談後の説明文の一語一句が重要になる。中国で使われる曖昧な表現は、日本では安全保障上の懸念になり得るからだ。
韓国はこの会談を北朝鮮の文脈で読み解く。同国は米国との同盟に依存し、中国とは大規模な貿易関係を持ち、さらに核武装した隣国と向き合っている。その北朝鮮は立場をいっそう硬化させている。北朝鮮は、真剣な非核化交渉の軌道からさらに遠ざかる一方で、日米韓協力を敵対的な軍事ブロックだと位置づけている。
そのため、トランプ氏と習氏が朝鮮半島について協議する場合、その内容は極めて微妙なものになる。トランプ氏が北朝鮮問題で中国の協力を求めるなら、韓国はその代償が何なのかを知りたがるだろう。また、自国の安全保障が、韓国を傍観者のように扱う首脳間チャンネルで左右される事態も避けたいと考えるはずだ。
そして、ホルムズ海峡の問題がある。
日本と韓国は高度に発展した工業国だが、単純かつ重大な脆弱性を抱えている。エネルギーの多くを湾岸地域に依存していることだ。日本は石油供給のおよそ95%を中東に依存しており、通常、石油輸入の約70%がホルムズ海峡を通過している。韓国も同様に影響を受けやすい。AP通信によると、2025年には韓国の原油輸入の60%超、ナフサ輸入の約半分がホルムズ海峡を通過した。
つまり、イランもまた北東アジアの問題の一部なのである。韓国は最近、ホルムズ海峡付近で韓国のHMMが運航する貨物船への攻撃を非難した。一方、トランプ氏は韓国に対し、この地域の海上交通路を守る米国主導の取り組みを支援するよう求めている。日本とアラブ首長国連邦も、供給途絶への脆弱性をどう減らすかを日本政府が検討する中で、石油供給の拡大や共同原油備蓄について協議してきた。
したがって、トランプ氏が習氏とイランについて話し合うとき、日韓両国はその内容に耳を澄ませることになる。中国はイランと関係を持ち、湾岸地域に大きなエネルギー権益を有している。中国が危機の沈静化に貢献するなら、日本と韓国は利益を得る。だが中国がその役割を利用して他の分野で譲歩を引き出そうとするなら、中東問題はインド太平洋の問題へと変わる。
これらすべての問題の上に位置しているのが、同盟の問題である。
日本と韓国は、米国の戦略における脇役ではない。両国は、北東アジアにおける米軍態勢の要である。両国に駐留する米軍は、中国と北朝鮮に対する抑止を支え、米国政府がインド太平洋全域で戦力を展開するための基盤にもなっている。
トランプ氏の取引重視の同盟観は、すでに同盟国をより慎重にさせている。日本と韓国は、防衛費のさらなる増額を求める圧力には対応できる。しかし、ワシントンが同盟を長期的な戦略的コミットメントと見ているのか、それとも交渉可能なコストと見ているのかという不確実性には、容易に対処できない。
だからこそ、日本と韓国にとって最良の結果は、劇的なものではない。むしろ、規律ある結果である。すなわち、台湾に関する米国の明確な表現、北朝鮮に対する抑止力を弱めない姿勢、ホルムズ海峡を開かれた状態に保つための実務的な進展、そして同盟が引き続き米国戦略の中核であるという安心感である。
最悪の結果も明確だ。米国と中国では大きな見出しを生む一方で、米国の同盟国には、密かに何が取引されたのか分からないまま不安だけが残る首脳会談である。
日本と韓国にとって、トランプ・習近平会談は一つの物語ではない。そこには四つの物語がある。台湾、北朝鮮、ホルムズ海峡、そしてインド太平洋における米国の同盟体制の将来である。そのいずれか一つだけでも地域を揺るがし得る。これらが重なるからこそ、米国の同盟国は、トランプ氏が習氏に何を伝えるのかだけでなく、北京を後にしてから自分たちに何を伝えるのかにも、細心の注意を払うことになる。
アハメド・ファティは、国際的に配信されるジャーナリスト、国連担当記者、国際問題アナリスト、人権問題のコメンテーターである。外交、多国間主義、権力、公共の自由、そして世界の未来を形づくる政治について執筆している。
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ブネイ・メナシェの帰還
インドの「失われた部族」とイスラエルの新たなアリヤー作戦
【エルサレムINPS Japan=ロマン・ヤヌシェフスキー】
2026年春、イスラエルは近代ユダヤ史上でも極めて異例の移民事業を開始した。インド北東部に暮らすブネイ・メナシェ共同体の数千人をイスラエルに迎え入れる、政府支援の取り組みである。|ENGLISH|RUSSIAN|
イスラエル当局にとって、この計画は単なるアリヤー(イスラエルへの移住)事業にとどまらない。聖書に登場する「イスラエルの失われた10部族」の一つの子孫が、古代からの歴史的な帰還を果たすものと位置づけられている。
民を一つに結ぶ取り組み
新構想に基づく最初の大規模便は2026年4月、インドのミゾラム州とマニプール州から約240人の移民を乗せ、ベン・グリオン空港に到着した。「夜明けの翼」と名付けられたこの作戦は、2025年末にイスラエル政府が承認した、より広範な国家予算による計画の幕開けとなった。
イスラエル政府とユダヤ機関によれば、2026年末までにブネイ・メナシェ共同体の約1200人がイスラエルに到着する見通しである。長期計画では、2030年までに、インドに残る共同体のほぼ全員にあたる約5000~6000人を移住させることを目指している。
これは近代史上、「失われた部族」の伝承に結び付けられる共同体を対象とした、最大規模の組織的アリヤー事業の一つとなる。イスラエル当局は、この計画をイデオロギー的、歴史的な意味合いを持つものとして公然と位置づけている。ベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの取り組みを「重要でシオニズム的」と評し、アリヤー・統合相のオフィル・ソフェル氏は、離散した民を集めるというイスラエルの国家的使命の一環だと述べている。
この作戦は、家族再統合とも深く関わっている。過去20年余りの間に、ブネイ・メナシェの数千人がすでにイスラエルへ移住したが、官僚的制約やイスラエルの移民政策の変化により、多くの場合、親族をインドに残さざるを得なかった。新計画は、残された家族の移住を完了させることを目的としている。
イスラエルの団体「シャヴェイ・イスラエル」によれば、現在、約5000人のブネイ・メナシェがイスラエルで暮らしている。同団体は2000年代初頭から、彼らのアリヤーを支援する中心的役割を担ってきた。多くはガリラヤ地方やノフ・ハガリル、キリヤト・ヤム周辺など、イスラエル北部に定住している。
ブネイ・メナシェとは何者か
ブネイ・メナシェ共同体は主に、ミャンマーとバングラデシュに近いインド北東部の辺境地帯に暮らすチン、クキ、ミゾ系の部族集団にルーツを持つ。彼らはチベット・ビルマ語派の言語を話し、歴史的には地域固有の部族宗教を信仰していたが、19世紀から20世紀にかけての大規模なキリスト教宣教活動により、この地域の宗教的景観は大きく変化した。
現代のブネイ・メナシェとしてのアイデンティティは、20世紀を通じて徐々に形成された。共同体には、「シンルン」または「チンルン」と呼ばれる古代の故地に関する伝承や、遠い西方の地から移動してきたとする口承が残されていた。1950年代になると、一部の部族指導者が、これらの伝承を聖書に登場するマナセ族の物語と結び付けるようになった。マナセ族は、2700年以上前、アッシリアによる北イスラエル王国征服後に追放された「失われた10部族」の一つとされる。
やがて、これらの共同体の数千人がユダヤ教の慣習を取り入れるようになった。安息日を守り、聖書に基づく祝祭日を祝い、特定の食物を避け、ヘブライ語の祈りを受け入れた。最終的に共同体の指導者らは、ユダヤ人との正式な再結合とイスラエルへの移住を求め、イスラエルの宗教当局や関連団体に接触した。
転機となったのは2005年である。イスラエルのセファルディ系首席ラビが、ブネイ・メナシェをイスラエルの子孫として正式に認めた。ただし、彼らの正確な系譜には不確実な点があり、主流のユダヤ教から何世紀にもわたって隔絶していたため、共同体の成員は、イスラエルの帰還法に基づく市民権取得に先立ち、正式な改宗手続きを受けることを求められている。
このアリヤー事業の中心的組織が、イスラエル元政府関係者のマイケル・フロイント氏が設立したシャヴェイ・イスラエルである。同団体は長年にわたり、インドでの宗教教育プログラムへの資金提供、改宗手続きの支援、移住便の調整を行ってきた。
「失われた10部族」の謎
ブネイ・メナシェの物語が多くのイスラエル人を引き付けるのは、それがユダヤ教における最古級の歴史的謎、すなわち「失われた10部族」の行方に関わるものだからである。
聖書と歴史的伝承によれば、古代イスラエル12部族のうち10部族は、紀元前8世紀にアッシリア帝国が北イスラエル王国を征服した後、歴史の表舞台から姿を消した。何世紀にもわたり、ユダヤ世界では、これらの部族の痕跡を残している可能性のある孤立した民族をめぐる伝説が語られてきた。
ブネイ・メナシェの事例が特異なのは、それが単なる象徴的、精神的な主張にとどまらない点にある。「失われた部族」の伝承につながる可能性を自認する数千人が、集団としてイスラエルに移住し、正式な宗教的承認を受け、ユダヤ人としてイスラエル社会に統合されつつある。この規模の移住が、特に「失われた部族」の物語と結び付いて行われる例は、近代ではほとんど前例がない。
一方で、歴史家や遺伝学研究者は慎重な見方を崩していない。
現在のところ、ブネイ・メナシェが古代マナセ族の直系の子孫であることを示す決定的な考古学的、文献的、遺伝的証拠は存在しない。多くの研究者は、その関連性を「あり得るが証明されていない」と見ている。最も有力な根拠は、口承、一部の儀礼上の類似性、そして共同体が長年抱いてきたイスラエル人としての自己認識である。一方、批判的な見方をする人々は、現代のブネイ・メナシェのユダヤ教的実践の一部は、特に20世紀に比較的新しく形成されたものだと指摘している。
イスラエル国内でも見解は分かれている。宗教当局者の中には、ブネイ・メナシェを、何世紀にもわたりアジアで孤立していた古代イスラエル人集団の真正な残存者と見る人々がいる。一方で、彼らを古代イスラエル人の直接の血縁的子孫ではなく、聖書の伝承に触発された誠実な改宗者と見る立場もある。イスラエル政府自体は、歴史的主張を断定することをおおむね避け、共同体のユダヤ教とシオニズムへの献身を強調している。
今回のアリヤー作戦は、インド北東部の不安定化を背景に進んでいる。2023年以降、マニプール州で続く民族間暴力により、共同体の多くが避難を余儀なくされ、移住手続きを完了させようとする動きが加速した。共同体の指導者らは、イスラエルの新たな取り組みを、人道的使命であると同時に、数十年来の夢の実現だと表現している。
多くのイスラエル人にとって、この物語が持つ感情的な力は、科学的な確実性にあるのではない。むしろ、インドの遠隔の山岳地帯に暮らす人々が、自らを「故郷へ帰る者」と信じてユダヤ国家に到着するという、歴史的象徴性にこそある。
ブネイ・メナシェだけではない「失われた部族」説
「失われた部族」と結び付けられてきた集団は、ブネイ・メナシェだけではない。
最も頻繁に論じられる共同体の一つが、エチオピアのベタ・イスラエルである。彼らのユダヤ人としてのアイデンティティはイスラエルによって正式に認められ、「モーセ作戦」や「ソロモン作戦」により、多数がイスラエルへ移住した。多くの伝承では、彼らはダン族と結び付けられるが、その正確な起源については、歴史家の間で今も議論が続いている。
しばしば言及されるもう一つの集団が、アフガニスタンとパキスタンのパシュトゥン人である。一部のパシュトゥン部族には、自らを古代イスラエル人と結び付ける口承があり、部族名の中には聖書の部族名に似たものもある。しかし、主流の歴史家は、その証拠は極めて不確実だと見ている。
南部アフリカのレンバ人も注目すべき事例である。遺伝学研究では、レンバ人の祭司階層の一部に中東系の遺伝的指標が確認されており、ユダヤ世界の外にありながら、古代近東系の祖先を示す一定の証拠を持つ数少ない集団の一つとされる。それでも研究者の間では、それが古代イスラエル人に由来するものなのか、あるいはより広範な歴史的中東移住を反映するものなのか、見解が分かれている。
中央アジアの共同体、クルド人の一部、中国や日本の特定集団も、時に「失われた部族」説と結び付けられてきた。ただし、多くの場合、その証拠は断片的であるか、主として民間伝承の域を出ない。
ブネイ・メナシェを際立たせているのは、その物語が伝説の域を超え、国家政策へと移行した点である。2026年、飛行機が到着し、家族が移住し、古代聖書に由来する物語が、歴史的に証明可能かどうかにかかわらず、現代イスラエルの物語の中に織り込まれつつある。
この記事に言及されている「ユダヤ人の失われた十部族が日本に渡来した」という「日ユ同祖論」は、アッシリアに滅ぼされた古代イスラエルの人々が日本へ渡り、その文化や血縁が現代の日本人に引き継がれているとする説。主な根拠として、日本の神事や歌とヘブライ語の類似性(北海道の民謡「ソーラン節」の囃子詞「ヤーレンソーラン」は、ヘブライ語で「神に喜び歌う、独りで歌う者(あるいは神が答えてくださった)」という意味を持つと解釈される等)、秦氏の渡来などが挙げられるが、歴史的には実証的な証拠がない空想的な説として扱われている。
この物語には、少なくとも4つの国連持続可能な開発目標(SDGs)が関連している。
SDG 10(人や国の不平等をなくそう):ブネイ・メナシェのアリヤーは、地理的に孤立し、周縁化されてきた少数派をイスラエル社会に統合する取り組みである。共同体の多くは、インド北東部の経済的に開発が遅れた地域の出身であり、移住後には言語、教育、雇用面での障壁に直面する。
SDG 16(平和と公正をすべての人に):ブネイ・メナシェの事例は、法的承認、市民権、宗教的地位、制度的包摂といった問題を含んでいる。また、この作戦は難民危機や紛争に伴う避難ではなく、平和的な人道的移住の取り組みとして語られることが多い。
SDG 4(質の高い教育をみんなに):教育は、ブネイ・メナシェのアリヤーの過程で重要な役割を果たしている。移住の前後に、多くの参加者がヘブライ語教育、ユダヤ教教育、職業訓練、文化的オリエンテーションを受ける。
SDG 11(住み続けられるまちづくりを):多くのブネイ・メナシェ移民は、ガリラヤ地方やイスラエル北部の周辺地域に定住している。これは地域共同体と人口の維持・強化に寄与するとともに、文化的多様性の保全にもつながる。また、この物語は、伝統、アイデンティティ、共同体の継続性といった無形文化遺産の保護にも関わっている。
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ロシアが集めるアフリカの「捨て駒」
【ロンドンIPS=アンドリュー・ファーミン】
4月7日、カメルーン政府は、ウクライナでロシア軍として戦い、死亡が確認された自国民16人の名簿を公表した。これにより、この遠い戦争で命を落としたカメルーン国民は、おそらく100人を超えたとみられる。ロシアが近年、アフリカを重点対象として進めてきた兵員募集の中で、カメルーンは最も多くの犠牲者を出した国となった可能性が高い。
消耗戦
ウラジーミル・プーチン大統領が2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始した際、この戦争は数日で終わると見込んでいた可能性が高い。だが、戦闘は4年目に入ってなお続き、ロシアの戦術は双方に甚大な人的損失をもたらしている。プーチン氏は兵士の命を顧みず、「肉挽き機」とも呼ばれる波状攻撃で、部隊を繰り返しウクライナ軍の前線に投入してきた。偽情報が広く飛び交う中、死傷者数の推計には大きな幅がある。死亡が確認された兵士を集計するあるプロジェクトでは、ロシア軍の死者は20万6000人を超えるとされる一方、130万人に達するとの推計もある。ロシアは補充を上回るペースで兵士を失っているとみられる
プーチン氏は北朝鮮の独裁者、金正恩総書記にも頼った。2024年以降、北朝鮮軍はロシア軍とともに戦っており、2万人超が投入され、6000人の死傷者が出たと報じられている。ロシアはまた、中央アジア諸国や、キューバのような長年の友好国からも人員を募集してきた。ウクライナ側もコロンビア人傭兵を含む数千人の外国人戦闘員を受け入れている。そうした中、ロシアは今、ますますアフリカに目を向けている。
ロシアの対アフリカ戦略
プーチン氏は長年にわたり、アフリカ諸国との関係強化を進めてきた。そうした関係は、ロシアが国際的孤立を和らげ、西側諸国からの圧力に対抗するうえで重要な役割を果たしている。軍事面でも、その関係は一方向ではない。謎の多いワグネル・グループのロシア人傭兵は、現在ではロシア政府の統制をより強く受けながら、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、マリを含む最大18のアフリカ諸国で活動している。ある国では反政府勢力と戦う政府軍を支援し、また別の国では、対立する2つの政権が権力を争うリビアや、残虐な内戦が続くスーダンのように、権力闘争を繰り広げる一方に肩入れしている。ロシア人傭兵は、その活動先の各地で残虐行為への関与を非難されてきた。
ロシアの進出は、一部で歓迎をもって受け止められてきた。旧宗主国フランスに代わる存在として、より対等な関係を約束する相手と映ったためである。2022年にワグネル部隊がマリに入った際には、沿道に集まった群衆がロシア国旗を振ってこれを迎えた。こうした歓迎の空気は、多くの場合、ロシアの軍事関与に先立って展開される親ロシア的な偽情報キャンペーンによって下地がつくられている。
しかし、その関係は搾取的である。ロシアは兵力提供の見返りとして、通常、ダイヤモンドや金などの天然資源を得る。そうして得た資源は、アフリカで掲げる反帝国主義の言辞とは裏腹に、本質的には帝国主義的なこの戦争を支える資金源となっている。
中部・西部アフリカの抑圧的な政権―その多くは軍事政権、あるいは軍を出身基盤とする指導者が率いている―にとって、人権状況を問題にしないパートナーは都合がよい。ロシア軍による人権侵害を明るみに出そうとする市民社会組織やメディアは、攻撃の対象にされている。
アフリカからウクライナ前線へ
ロシアは今、多くの若いアフリカ人男性の経済的困窮につけ込み、彼らをウクライナの前線に送り込み、ときに死に追いやっている。市民社会による最近の広範な調査では、ロシアがこれまでに少なくとも1417人のアフリカ国籍者を募集してきたことが確認されている。実際の人数は、ほぼ確実にこれを上回る。募集人数は年々増えており、そこには組織的な計画がうかがえる。確認された募集者数が最も多いのはエジプトで、カメルーン、ガーナがこれに続く。確認された1417人のうち、316人、すなわち22%が死亡したと報告されている。
一部の応募者は、オンライン上でロシア支持を表明している。他方で、ロシア国籍の取得や、母国では到底得られないほど高額の報酬に引きつけられる者もいる。最近のビザ要件緩和が示すようなロシアの「開放性」を、移民への敵意を強める欧州と比較して受け止めているのかもしれない。
だが、脱出に成功した人々の中には、だまされたと証言する者もいる。偽の求人広告によって、配管工や警備員などの民間職、あるいは後方支援業務に就くのだと信じ込まされていたのだ。現地に到着すると、読めもしないロシア語の契約書への署名を強いられ、わずかな訓練だけで前線へ送られる。死亡者の平均従軍期間がわずか6カ月にすぎないことは、ロシアが彼らを使い捨てとして扱っている証拠である。
勧誘を後押しする仲介者たち―募集を宣伝するソーシャルメディアのインフルエンサー、旅行代理店、人身売買ネットワークなど―は、この仕組みから利益を得ている。奇妙な政治的皮肉として、南アフリカの元大統領ジェイコブ・ズマ氏の娘ドゥドゥジレ・ズマ=サンブドラ氏も、アフリカ人勧誘への関与が指摘されている一人である。中には、父親の政党のボディーガードとして訓練を受けるのだと偽って勧誘された人もいる。昨年12月には、南アフリカ警察が、親ロシア的プロパガンダの拡散で知られるジャーナリストを含む5人を、南アフリカ人の勧誘に関する容疑で逮捕した。
説明責任を求める圧力
証拠が積み重なるにつれ、いくつかのアフリカ諸国政府は対応に乗り出した。トーゴ政府は国民に危険性を警告し、複数のトーゴ兵がウクライナで拘束された際には、彼らが仕事や就学の機会を約束されて現地に誘い出されたことを確認した。昨年、ボツワナ政府は、短期の軍事訓練プログラムに参加するつもりだった2人の若者が、実際には戦闘への参加を強いられていた事案について調査すると発表した。2月には、ガーナ外相が少なくとも55人の自国民が死亡したことを認め、ガーナ人捕虜の解放を求めてウクライナを訪れた。ケニアと南アフリカの警察は、人身売買組織を摘発し、募集機関を閉鎖した。ケニア政府は最近、ロシアがケニア国民の募集停止に同意したと明らかにしており、継続的な二国間圧力が成果を生み得ることを示している。
しかし、多くのアフリカ諸国政府はいまなお現状を認めようとしていない。自国民の命よりも、ロシアとの良好な関係を優先しているのである。そうすることで、自国民の命がロシアにとってそうであるのと同様に、自分たちにとっても消耗品同然であることを自ら示している。
ロシアによるこの搾取的な勧誘を終わらせるため、さらに多くの国が圧力を強めなければならない。そして、若いアフリカ人の福祉を本気で案じているとする国際的パートナーにとって、取るべき第一歩は明らかである。すなわち、困窮した若者たちが格好の勧誘対象となってしまう経済状況の改善を支援し、ロシアのような国ですら魅力的な行き先に見えてしまうような敵対的な移民政策を改めることである。
アンドリュー・ファーミンは、CIVICUS編集長、CIVICUS Lens共同ディレクター兼ライター、『State of Civil Society Report』共同執筆者。インタビューまたは詳細については、research@civicus.org まで。
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