【ナイロビIPS=ジョイス・ムラマ】
ナイロビ郊外ルアラカにあるウパン・ワサナ繊維工場。シーンと静まり返った工場の中には何千台ものミシンが使われないまま放置されている-操業停止の原因をケニアの人々は-中国津波(Chinese Tsunami)-と呼んでいる。
昨年末の世界貿易機構(WTO)の多国間繊維取り決め(MFA)廃止後、ケニアを始めとする従来欧米の割当制の下で繊維製品を輸出してきた国々は、圧倒的に安価な労働力を背景とした中国の繊維製品に市場を奪われ、繊維工場の操業停止、労働者の大量解雇に追いやられる事態が相次いでいる。
この深刻な事態に直面して4月27日から28日にかけて東部、南部、政府アフリカの20カ国の繊維産業の代表、政府関係者、その他関連団体の代表がケニアのナイロビに集まり、中国繊維産業の脅威にどのように対応するかを協議した。「このまま中国が世界を倒産させるような状況を放置していてはいけない。今こそ、我々の政府と協調してケニアを含むアフリカの繊維産業を守るために声を上げるときだ。」と、ケニア被服製造・輸出協会会長のジャス・メディは語った。
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩