【ムババネIPS=ジェームズ・ホール】
スワジランドのNGO、National Emergency Response Committee on HIV/AIDS(NERCHA)は、十代の青少年を対象に、「自らの命とスワジランドの将来のために性行為を控え自分の人生に責任を持て」と訴える新たなキャンペーンを開始した。NERCHAは、同国のNGOのコーディネーター的な役割を果たしており、エイズ・結核・マラリア撲滅グローバル基金(Global Fund to Fight AIDS、Tuberculosis and Malaria)、政府、民間からの資金を背景に国内NGOに対する資金支援を実施している。
全国紙2紙による「明日は私のものだから」というスローガンを掲げた全面広告の他、ラジオ・キャンペーンも展開。また、今月から、大型ポスターによる屋外キャンペーンも開始された。屋外掲示用ポスターには、「私は、学校を卒業したい。だから、セックスは我慢できる」というコピーと共に教科書を抱えた女の子や、「僕は将来を考えている。だから、セックスは我慢できる」と意を決した表情の男の子の写真が使われている。
スワジランドは、世界でエイズ感染率が最も高く、異性関係が活発な成人の感染率は42.6%に達する。一方、18歳以下の感染率は15%で安定、あるいは減少傾向にあるかもしれないという。
米国国際開発庁(United States Agency for International Development:USAID)のD.ハルパリン氏は、これまでのエイズ・キャンペーンはエイズに対する意識の向上を目指すものであったが、生活行動の改善には至っていないと語っている。スワジランドが打ち出した新たなエイズ撲滅キャンペーンについて報告する。<原文へ>
翻訳=IPS Japan