【カトマンズIPS=マーティ・ローガン】
ネパールではギャネンドラ国王と政府に対する抗議行動として、4月6日から主要7政党による全国ゼネストが継続されている。4月12日には全国で約100人が逮捕され、首都カトマンズから車で6時間ほどのナワルパラ市では警官の発砲で抗議者1名が死亡、4名が負傷した他、警官による殴打で58名の負傷者が出たと地元のNepalnews.comに伝えられた。
しかし、国王退陣までには、さらに何日もの反政府運動が継続される必要があるようだ。国際危機グループの南アジアプロジェクト副ディレクターのロデリック・チャルマーズ氏は「これはおそらく決定的な転換点にはならない」と述べている。
反政府抗議行動を主導する主要7政党の同盟(SPA)は、マオイスト(毛沢東主義反政府組織)と連携しているわけではないとわざわざ指摘している。マオイストは、11月、ネパールはまだ革命の時機ではないと認め、SPAが憲法制定会議を約束通りに行なうのであれば、SPAに加わることに同意した。だが政党側は、政府がマオイストを反政府運動に引き入れていると非難し、「テロリスト」のレッテルをはると脅すと、直ちにこれを否定したのである。
反政府運動への参加団体の数は日ましに増加している。4月11日は東部のダランや西部のポカラでは医師や看護師が反政府集会を開き、カトマンズではトリブバン大学附属病院が連帯して外来を閉鎖した。
しかし、大学の町キルティプールでは地元住民の参加が進んでいないと、住民のひとりブッダ・ラトナ・マリ氏は次のように述べている。「(街頭抗議により立憲君主制への移行を実現させた)1990年には住民が揃って参加した。だが今は大半が大学生だ。1990年以降優れた政治指導者がおらず、市民はすべての政治家に不信感を抱いている。」チャルマーズ氏は「旧態復帰に反対する政党の運動の問題点は、それが利己的に見えることだ。彼らは、『下院を回復し、我々の仕事を返せ。そうすれば仕事を進めるから』と主張するばかりだ。彼らは市民を鼓舞するような詳細な計画を立てることが必要だ」と述べている。
反政府抗議運動に、外出禁止令も敷かれているネパールから報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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