【カトマンズIPS=マーティ・ローガン】
4月21日にネパールのギャネンドラ国王が人民に対して主権を返還すると述べてまもなく、国営のネパールTVは、インド・米・EUを含む各国がこの決断を支持していると報じた。
しかし、街角にあふれた民衆たちの叫び声はやむことがない。彼らは、口々に、「民主主義を!」「国王を処刑せよ!」と叫んでいる。また、国王が本当に権力を移譲するかどうか不透明な段階での各国政府の判断は拙速に過ぎると批判している。
これを見た野党の「7党連合」は、国王に対して、議会の復活、制憲議会結成のための選挙実施などを呼びかけている。
しかし、民衆の抗議行動が長続きするかどうかはよくわからない。このところのデモやストの影響で交通は寸断され、物資不足が続き、物価は高騰している。そのうえ、ストに入った労働者は賃金も得ていない。
また、野党の態度にもいまだに曖昧な部分が多い。ある外交官は、今は7党連合が主導権を握るよいチャンスなのだが、野党は事態の収拾を図ることを国王側に望んでいるようにも見える、とコメントした。
別の外交官は、この混乱により「権力の空白」が生まれ、国王による抑圧がますますひどくなったり、毛派が勢力を盛り返してきたりすることがあり得る、と懸念を示した。
動乱のネパール情勢について伝える。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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