【トロントIPS=ステファン・リーヒー】
鳥インフルエンザに対する低価格で効果的なワクチンの開発が盛んに行われるようになってきている。これまで、約120人がこの感染症のために亡くなっている。
ロチェスター大学(ニューヨーク州)のジョン・トリーナー氏によれば、未知の突然変異型ウィルスはいつでも出てくる可能性があり、さまざまな型のワクチンを開発しておけば、中には役立つものがあるかもしれないという。
先ごろ、2003年に香港で見つかったある型のH5N1ウイルスを基礎にして作られたワクチンを投与したフェレットが、新種のウイルスに対しても抵抗力を見せたことが発見された。
その他のH5N1ワクチンに関する研究も各所で進行中である。製薬企業の「グラスコ・スミス・クライン」は、フランス・ドイツ・オランダ・ロシア・スペイン・スウェーデンにおいて、5,000人の人間に対する実験を行っている最中である。
これまで製薬企業は、児童の感染症に対するワクチンは利幅が薄いとして、その開発にそれほど熱心ではなかった。
しかし、各国政府は、鳥インフルエンザ・ワクチンの開発にテコ入れするようになってきている。米国政府は今年5月、総額10億ドル以上のワクチン開発事業を予算化した。また、ブラジル政府も、鳥インフルエンザ・ワクチンの新製造工場建設に1,360万ドルを投下すると6月に発表した。開発途上国では初めての大規模工場になると説明されている。
鳥インフルエンザ・ワクチン開発の問題について伝える。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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