【ホログINPS Japan/IDN=シャロファト・シャフイエヴァ】
ホログ市は概して清潔だが、ごみ処理には課題がある。住民が路上、とりわけ公共の場所にごみを放置し、中心市場では大規模なごみの集積が常態化している。
「ごみのそばを通るのはとても不快です。行政がどれだけ清掃しても、1日でまたごみが集まってしまう。特に夏は悪臭が立ちます」と、市場の常連客シャフォアト・ジャフォエワは語る。「ごみの大半は商人のものだ。市場の売り手が、よりよい方法で廃棄物を管理できればよいのですが」と付け加えた。
12歳の少女ソヒブダヴラト・カランダルホノワは環境に強い関心を持ち、環境問題に向き合う重要性を地域で共有し、住民が自ら責任を担うよう促そうとしている。手工芸にも興味があり、廃棄物を日用品へ再生する取り組みにも力を入れている。
ソヒブダヴラトは、ホログのアガ・カーン・リセウムに通う6年生である。理科への関心を深め、学校の課外プログラムの理科クラスにも参加して、理論に加えて実験にも取り組んでいる。
「学校で科学を学べる、実験型のラボ・プログラムが始まりました。通い始めてから、いろいろな実験ができてとても面白かった。ホットグルーで作品を作るのも好きで、いちばんのお気に入りでした」と、彼女はIDNに語った。
彼女は、ガラス、紙、段ボール、金属、繊維、電池などを材料に、再利用の作品づくりに取り組む。リサイクル製品を調べる中で、「気候変動」という課題も知った。
「数年前、土石流でこの地域の村が丸ごと流されたことがありました。停電になり、みんなが『土石流で川沿いの道が塞がれ、川がほかの村やホログまで氾濫するかもしれない』と言っていたのを覚えています」と、気候変動の危険を意識するきっかけになった体験を振り返る。「その後、大人から『気温が上がり、大気中への温室効果ガスの排出が増えている』と聞きました。山の氷河が高温で溶け、それが土石流につながるのだと」
気候変動の影響や将来起こり得る問題を知るにつれ、彼女は自分の街の環境に不安を抱くようになった。まず考えたのは、川や街のあちこちにごみを捨てて環境を汚さないことだった。さらに、クラスメートにも問題意識を広げたいと考えた。
課外の理科クラスで、彼女はさまざまな工作に取り組んでいた。指導者は、紙を使い捨てにせず、プラスチックボトルを材料に活用するよう助言し、環境活動についても話した。そこから、子どもたちの間で環境に配慮した取り組みを広げるキャンペーンの着想が生まれ、ソヒブダヴラトは指導者とともにプロジェクト作りを始めた。
「子どもに理科を教えるうえで、創造性は重要な要素です。理論は難しく感じられ、子どもは興味を失いやすい。そこで私たちはプラスチックボトルで作品を作りながら、『ボトルを再利用すればプラスチックごみの増加を抑えられる』と伝えました。さらに環境への負荷を減らしたいなら、エコ活動にも参加できる。そう話すと彼女は気に入り、プロジェクトにしようと決めました」と、匿名を希望する指導者は語った。
ソヒブダヴラトの作品は、プロジェクトの発表会で披露される予定である。
大きなプラスチックボトルを使い、彼女はペンケースを作っている。「ペンケースを作るには、ファスナー、ペットボトル、編み糸が必要です。見た目もよく、工夫した作品になります。ファスナーはホットグルーで貼り付けられます」と説明する。
ペンケースのほかにも、玩具や生活用品など多くの作品を手がけてきた。プリングルズの筒箱を貯金箱にしたこともある。
ボトルを使う際は、できるだけ端材を出さないよう工夫している。たまりがちなボトルキャップは大きさごとに分け、赤や緑に塗って花の形にした。こうした花は室内の飾りとしても使える。
母親は花を育てるのが好きで、ほぼ毎年苗を買って植えている。街で売られている植木鉢の多くはプラスチック製である。プラスチックの使い捨てを増やさないため、ソヒブダヴラトは苗用の鉢を廃材から作ることにした。
「植木鉢を作るには、大きなコーラのボトルを半分に切ります。安定して立つよう、縁の周りに三角形の切れ込みを入れます。色を工夫して塗り、乾かせば完成です。絵の具だけで作れます。私は油絵の具を使い、乾いた後に仕上げとしてニスを塗ります」と、彼女は説明する。
ソヒブダヴラトの弟と同年代の子どもたちは、ほぼ毎月アニメのディスク(DVD)を15〜20枚購入する。1度視聴すると不要になり、多くは捨てられてしまうという。
「弟の友だちの間では、不要になったディスクが大量に出ています。私はそれを集め、指導者と一緒に文房具や筆を入れるオーガナイザーを作りました。指導者が、糸で形を編んで縫い合わせる作業を手伝ってくれました。見た目をよくするため、花やビーズも貼りましたが、これらも不要になった服から取ったものです」と、ソヒブダヴラトは語った。
ソヒブダヴラトは、「ホログを汚染から守ろう(Let Save Our Khorog from Pollution)」と題した学校展示会で、キャンペーンと作品を公開する準備を進めている。作品の一部は販売し、収益は環境保全、または設立を目指す環境クラブの活動資金に充てる考えだ。
指導者は、ほかの生徒にも環境キャンペーンへの参加を呼びかけている。「汚染から地球を守り、ソヒブダヴラトのような若い将来有望なリーダーを支えたい人は、ぜひこのキャンペーンに参加してほしい」と語った。(原文へ)
※シャロファト・シャフィエワは、キルギスのナルインにある中央アジア大学のコミュニケーション/メディア専攻の学生。
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