【ヨハネスブルグIPS=モイイガ・ヌドゥル】
2006年12月28日、エチオピア軍は、ソマリアの暫定連邦政府を支援し、首都モガデシュからイスラム民兵グループを追放した。(ソマリアは、1991年の独裁者シアド・バーレ失脚以来内戦状態にあり、昨年7月にはイスラム系部隊が米国寄りの軍事指導者を打ち負かし、首都を占拠していたもの)
エチオピア軍のイスラム民兵攻撃は10日に及び、その後もケニア国境地帯に潜伏したイスラム兵の追跡を行っている。
米国は、これを対テロ戦争の一環と捉え、同地での空爆を行っているが、専門家は、米国の介入は、8000人の治安部隊派遣を提案しているアフリカ諸国の立場を危うくするものと語っている。南アフリカ・ウィットウォーターズランド大学のデイビッド・モンヤエ講師は、「米国の介入により、ソマリアへ派遣された者は皆、米国の代理人と見られてしまう」と指摘する。
ソマリアのアリ・モハメド・ゲディ首相は1月16日、暫定議会において、1月末までに少なくともウガンダ、南アフリカ、ナイジェリア、マラウィ、セネガルの5カ国から部隊が派遣される予定と語った。しかし、1500人の派兵を約束したウガンダを除く4カ国は、1月29~30日にエチオピアで開催されるアフリカ連合(AU)サミットでの決定を待つとしている。
プレトリアを拠とする南アフリカ・アフリカ研究所(Africa Institute of South Africa)のコルワ・アダル氏は、「治安維持部隊は中立を旨とし、米国は、治安活動や和平交渉に参加すべきではない。また、米国の同盟国と看做されているエチオピアやジブチは除外すべきである」と語っている。
エチオピアは、国境を接するイスラム国スーダンおよびソマリアを警戒すると共に、エチオピアのオガデン地域、ジブチの一部、ケニア北部を含んだ統合を主張するイスラム派の「Greater Somalia 」構想の復活を警戒している。
翻訳/サマリー=IPS Japan
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