【ダルエスサラームIPS=サラ・マクレガー】
ブッシュ大統領は今月15日から21日までの日程でアフリカ5カ国(タンザニア、ルワンダ、ベナン、ガーナ、リベリア)を歴訪する予定である。各国首脳との会談の他、米政府が支援するエイズやマラリアなどの感染症対策の現状を視察する。
タンザニアの米大使館職員Jeffery Salaiz氏は「ブッシュ大統領は就任以降2度目のアフリカ歴訪となるが、予定されている日程の大半はダルエスサラームやアルーシャといった『観光地』のようだ」と皮肉った。
米政府は2003年、エイズ対策として『大統領エイズ救済緊急計画(President’s Emergency Plan for HIV/AIDS Relief: PEPFAR)』を発足。これは、エイズ問題が深刻なアフリカの15カ国でHIV感染者への抗レトロウイルス治療や医療サービスの提供を行い、5年間に150億ドルを支出する計画である。
また、2005年に発表した『大統領マラリア・イニシアティブ( President’s Malaria Initiative:PMI)』は5年間で12億ドルを拠出し、マラリア被害に苦しむアフリカの15カ国で死亡率を半減させることを目指した撲滅運動を推進するものである。
Salaiz氏は「PEPFARとPMIのおかげで、タンザニアでも米国からの資金援助額が3億3,400万ドルに達した。これらの計画の終了後も『ミレニアム・チャレンジ・コーポレーション(Millennium Challenge Corporation:MCC)がインフラ整備のための助成金として6億9,800万ドルを支援することになっている」と説明した。
一方、ブッシュ大統領のアフリカ訪問では2国間貿易や取引といったビジネスの問題は協議事項には入っていないが、この議題は今年6月に開催されるタンザニアでのサミットに回される予定だ。
貿易面では、米国が打ち出したイニシアティブ『アフリカ成長機会法(African Growth and Opportunity Act: AGOA)』が、米国・アフリカ諸国間の貿易拡大を促進し、アフリカ諸国の貧困削減に大きく貢献している。
(コーヒー豆、茶、綿花、金の生産国である)タンザニアはIMFや世銀による債務帳消し以降、輸出額や投資額が増大傾向にあるものの、依然アフリカ諸国の中では最貧国に変わりはない。同国では国民の36%が貧困ライン以下で生活している。
米国によるアフリカ諸国に対する支援政策について報告する。 (原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩