【東京IPS=浅霧勝浩】
IPS Japanは、3月25日に東京の衆議院第一議員会館において開催された途上国貧困問題解決国会議員連盟の総会に招かれ、IPSについてのプレゼンテーションを行った。同国会議員連盟は、2007年に海部俊樹元首相、同議連名誉総裁によって設立されたもので、現在総裁は鳩山邦夫法務大臣が務めている。
総会に先立ち、欧州議会の超党派国会議員連盟”Friedns of IPS”を代表して、パスカリーナ・ナポレターノEU議員より海部・鳩山両氏に対してレターが送られた。ナポレターノ議員はIPSを推薦したそのレターの中で、「声なき声」に光をさす同通信社を通じて、欧州連合の議員と方向性を同じくする日本の国会議員の間で新たな対話のチャンネルが開けることを切に希望している旨を伝えた。
議連会合では、まずIPS Japanの浅霧勝浩理事長よりInter Press Serviceの設立理念、歴史、活動概要、そして同通信社特有のユニークな国際支援体制について説明がなされた。IPSは、開発問題に関わる様々な機関(国連諸機関、各国政府、開発援助機関、市民社会組織、民間財団)による支援体制が確立されている。浅霧理事長は、また、プレゼンテーションの中で、IPSグループがTICAD、洞爺湖G8サミットを通じて日本政府に対する初めてのメディア協力を実施する予定であることに言及し、5月下旬にラメシュ・ジャウラ欧州総局長が外務省の招聘でTICAD取材に来日すること、そしてIPS総裁も今年来日予定であることを述べた。
広中和歌子同議連幹事長、元環境庁長官からは、日本の議連や市民社会組織を含む、世界各地において厳しい境遇にある人々のために活動している様々な活動が今後IPSによって報道されることを期待する旨の発言がなされた。広中幹事長は、日本の国会においても、言葉の壁とメディア報道についての議論が高まっており、日本国内の様々な社会各層において活発に活動が展開されている各種団体・個人によるイニシャティブについても積極的に国際社会に発信していく必要性が議論されている現状を披露した。その上で広中幹事長は、IPS Japanが、今後の活動を通じて、日本国内のメディアが殆ど取り上げてこなかった(開発問題に真摯に取り組んできた)人々と海外のIPS報道を通じて既に繋がっている世界の方向性を同じくする人々を「橋渡しする」役割を期待したい旨の発言があった。
上田勇同議連事務局長からは、今年の議連の活動計画に言及し、5月の月例会合にIPS欧州総局長、そして後の会合でIPS総裁をゲストに迎え、IPSグループとのさらなる意見交換の機会を持つことによって、同議員連盟とIPSの将来に向けた連携の可能性について引き続き協議をしたい旨の対案がなされ、一同の了承を得た。
また、4月3日には浅霧理事長らが再び同議員連盟の4月月例会議に招待された。同議連は、5月下旬のTICADに向けてアフリカ7カ国から在京大使をゲストに迎え、意見交換の機会を設けた。
翻訳=IPS Japan浅霧勝浩