【キンシャサIPS=マイケル・ディバート】
アフリカ中央部のコンゴ民主共和国(DRC)では4月の最初の雨季を迎え、多くの人々が劣悪な衛生環境に苦しんでいる。
首都キンシャサの町では穴だらけの道路に車よりも大きな水溜りがあちこちにでき、通行の大きな妨げになっている。そして、長く厳しい雨季が到来するこの地域で毎年人々を悩ませているのが、水と衛生の問題である。
DRC政府も長年この問題に手をつけてこなかったため、今でも町には下水設備が1箇所もない。北キブ州やオリエンタル州などの農村部では、女性や子供が共同ポンプからバケツに水を汲み、毎日村まで運んでいる。
(最新のデータはないが)2001年に国連が行った調査では、安全な水を手に入れることができるのはDRC全人口の僅か46%だった。農村地域では自然の湧き水が豊富にあるものの、汚染の疑いのない水は30%ほどであった。
International Rescue Committee(IRC)とBurnet Instituteが発表した報告書によると、DRCにおける死亡要因の多くは感染症や栄養失調、新生児や妊娠に関わる疾病にあり、紛争や内戦による死亡はそれほど多くないという。
ユニセフ(UNICEF)のスティーブン・ラウヴェリエール氏は「DRCの疾病のほとんどが不衛生な水に原因がある。水の煮沸など意味がない。家の中や外、全ての衛生状況が最悪なのだから」と話す。
ユニセフはカビラ政権と共同で『Village Assaini(Healthy Village)計画』に乗り出した。安全な水の供給設備の設置や、公衆衛生の向上と増進に努めることを目的としている。
コンゴ民主共和国における水・衛生問題について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩