【スバIPS=シャイレンドラ・シン】
南太平洋諸国においても、児童労働と児童に対する性的搾取が広がっている。正確な統計はないが、国際労働機関(ILO)の推計によると、パプアニューギニアの労働力の19%、ソロモン諸島の労働力の14%がそれぞれ児童であるという。
性産業も盛んだ。ユニセフは、2004年から05年にかけてフィジー・キリバス・パプアニューギニア・ソロモン諸島・バヌアツにおいて調査を行った。それによれば、これらの国のいずれにおいても、児童売春・児童ポルノ・児童セックスツアー・人身売買が起こっていたという。同調査書では、南太平洋では、貧困のために家族や友人によって児童が性産業のために売られる危険性が極めて高いとしている。
また、ある地域では、セックス・ワーカーのうち13才から19才までの児童が占める比率が3分の1であった。中には11才の子供もいた。
こうした問題に対処するいくつかの試みもある。ILOでは、今後2年間にわたって、TACKLE(教育を通じた児童労働根絶)というプログラムをアフリカ・カリブ海地域・太平洋の11ヶ国で展開する予定だ。
オランダ政府も、児童労働根絶のためにパプアニューギニアに250万ドルを投下することにしている。
ILOは、世界全体では5才から17才の子供2.46億人が児童労働に従事しているとみている。このうち3分の2にあたる1.8億人が最悪の形態の児童労働につかされているとされる。
南太平洋における児童労働の問題について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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