【ナイロビIPS=ナジム・ムシュタク】
ケニアで多くの国内避難民(IDP)が追い詰められている。政府はこれまでの国内避難民支援の政策(『Operation Rudi Nyumbani』)を終了すると発表。国内の難民キャンプを閉鎖し、避難民に対して1、2週間のうちに帰還するよう促している。
ナイロビの『IDPs Advocacy and Policy Centre』のPrisca Kamungi氏は「実際に故郷に戻り再定住できる避難民は僅かである。彼らの多くはキャンプを追い出された後も、市外地の劣悪な状況でテント生活を強いられるだけだ」と、怒りを露にした。
国連によるとケニアにおけるピーク時の避難民の数は35万人から50万人とも言われている。現在、同国全土に設置された300ヶ所の国内避難民キャンプでは30万人を越える人々が身を寄せているという。
市民団体や人権団体からもケニア政府に対して強い反発が出ている。ケニア国家人権委員会(KNCHR)は今月24日、政府の計画は大きな失敗を招くと酷評した。「ケニア政府は、世界で進められている難民のための再定住計画の国際基準を無視している」。
ケニア政府は和平合意を経て国際社会に国内の『正常化』をアピールしたい意図がある。同国では近年、暴動や混乱で世界から厳しい非難を受け、また人権団体からは国内避難民の窮状を訴える報告が相次いでいた。
「ケニアの難民支援に世界からの注目が集まる今こそ、国内避難民の帰還・再定住支援に向けた総合的な政策が必要だ」と、Kamungi氏は述べる。
ケニア国内避難民が直面する新たな苦難を伝える。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan
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