地域アジア・太平洋|人権|カンボジア|『民主カンプチア時代』の真実とは

|人権|カンボジア|『民主カンプチア時代』の真実とは

【プノンペンIPS=アンドリュー・ネット】

「30年前の1978年、27歳の私がカンボジアを初めて訪れた頃はこの国の苛酷な運命を想像もしなかった」。共産主義政党クメール・ルージュを支持するSweden-Kampuchean Friendship Association(SKFA)の代表団の1人、ガンナー・ベルグストローム(Gunnar Bergstrom)氏は今週、カンボジアを歴訪。14日間の旅の中で様々な土地を案内され、ポルポト派指導者らやイエン・サリ外務大臣との会食も行った。 

カンボジアではクメール・ルージュ統治時代に過労や飢餓、処刑などでおよそ200万人もの犠牲者を出した真実が国際社会に明らかにされなかった。ベルグストローム氏も当時の状況を回顧する。「60年代の思想家と同様に、私も若い頃、ラオス・ベトナム・カンボジアの革命を強く支持し、クメール・ルージュ政権がより良い社会をもたらすものと思い込んでいた」。

 同氏は、今回のカンボジア訪問が同国のプロパガンダの役目を果たしかねないとの懸念を示した。ベルグストローム氏を含む代表団は国内の工場、農業関連企業、学校、病院などを案内され、港町Sihanoukville(Kompong Som)では大量のコメが中国行きの船に積荷されている様子を見せられた。 

そして、ベルグストローム氏ら代表団が撮った写真にも本当のカンボジアの姿を垣間見ることはできない。笑顔の子供たち、工場労働者、公共施設で食事する男女、米作りに精を出す農民など。 

「何が嘘で何が真実であるかを判断できるまでまだ多くの時間が必要だ」と、ベルグストローム氏は話す。外国人から見たカンボジアの現在と過去について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩

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