【バンコクIPS=マルワン・マカン-マルカール】
ここ数週間、アジアにおいてふたたび鳥インフルエンザが流行する兆しが出てきている。専門家らの試算によれば、鳥インフルエンザが世界的に大流行すれば1億8000万人もの死者が出る可能性があるという。これは、5000万人が死亡した1918年のスペインかぜの事例を基に算出されている。
世界保健機構(WHO)によると、2003年以降、世界で鳥インフルエンザに感染した391人のうち、247人が死亡している。感染者139人中113人が死亡したインドネシアと106人中52人が死亡したベトナムが世界のトップ2である。
今冬、ふたたび鳥インフルエンザが広がりつつある。香港では、近代的な安全体制を敷いていた飼育場において感染が発覚し、近隣の飼育場を含めて8万羽近い鶏が処分された。また、中国東部の江蘇省においても35万羽以上が処理された。
カンボジアでも首都プノンペン南方でやはり家畜が処分されたほか、カンダル州で鳥を販売したり輸送したりすることを30日間禁止する措置が採られている。
だが、ほとんどの国において、2003年の流行の経験から、鳥インフルエンザの事例が発生した場合の通報態勢が以前よりも充実していることが救いだ、と専門家らは話す。
また、WHO、世界銀行、国連食糧農業機関(FAO)などの調査によると、2005年12月以降、それまでに鳥インフルエンザの発生が確認された63ヶ国のうち50ヶ国において、鳥インフルエンザを撲滅することに成功したという。
アジアにおける鳥インフルエンザの問題について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩