SDGsGoal5(ジェンダー平等を実現しよう)アフリカの女性作家がフェローシップの主要な賞を受賞

アフリカの女性作家がフェローシップの主要な賞を受賞

【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】

自然科学、社会科学、人類、および舞台芸術を除く創造芸術の分野で並外れた能力を発揮した180人に対するフェローシップが、ジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団によって4月7日に発表された。

約2500人の応募者の中から、これまでの実績と将来性に基づいて、専門家による厳正な相互審査により選ばれた。

今年は、アフリカ系黒人女性として唯一、作家のマーザ・メンギステ(1974年生まれ)が受賞した。彼女の小説には、『ライオンの視線の下–エチオピア革命の激動と血なまぐさい年を乗り切るのに苦労している家族の物語–』(2010年)、『影の王』(2019年)があり、イギリスの権威ある2020年ブッカー賞の最終選考に残っている。

『ライオンの視線の下』は、エチオピア革命の激動と流血の時代を生き抜こうと奮闘する家族の物語である。アルジャジーラの『The Stream 』で、司会者のフェミ・オケに、10年かけて本を完成させた苦労について語っている。この物語は、紛争における犠牲者としての女性という伝統的な型に挑戦している。物語の多くは、メンギステの個人的な経験から着想を得ている。

彼女の2作目の作品『シャドウ・キング』(2019年)は、ベニト・ムッソリーニによる1935年のエチオピア侵攻を舞台に、アフリカ史ではほとんど語られてこなかった女性兵士に光を当てている。

メンギステはエチオピアのアディスアベバで生まれたが、4歳のときにエチオピア革命から逃れるため家族と共に国を離れた。その後、ナイジェリア、ケニア、米国で幼少期を過ごした。その後、フルブライト奨学生としてイタリアに留学し、ニューヨーク大学でクリエイティブ・ライティングの修士号を取得した。

メンギステは、人権活動にも携わってきた。世界各地の紛争を取り上げる独立系オンラインマガジン「Warscapes」と子供たちの慈善団体「Young Center for Immigrant Children’s Rights」の諮問委員会に所属している。また、Words Without Bordersの理事も務めている。

メンギステはリチャード・ロビンズ監督が2013年に制作した世界中の女子教育に関するドキュメンタリー映画『Girl Rising ~私が決める、私の未来~』に、エドウィージ・ダンティカやモナ・エルタハウィと共に参画している。この作品には、メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、アリシア・キーズ、ケイト・ブランシェットなど、ハリウッドを代表する豪華俳優陣がナレーターとして参加している。

メンギステは現在、ウェスリアン大学で英語を教えている。 以前は、ニューヨーク市立大学クイーンズカレッジでクリエイティブ・ライティングの客員教授、プリンストン大学のルイス芸術センターでクリエイティブ・ライティングの准教授を務めていた。

ジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団は1925年の設立以来、4億ドル近いフェローシップを18000人以上に授与しており、受賞者には、後にノーベル賞、ピューリッツァー賞などの著名な賞を受賞した者が数多くいる。今年の受賞者の中には、アフリカ系男性作家が4名、アフリカ系女性作家が11名含まれている。(原文へ

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