【北京IPS=アントアネタ・ベツロヴァ】
中国の対アフリカ投資によって現地の貴重な天然資源が奪われているとの批判に応えて、中国政府は、アフリカの貧困撲滅や気候変動対策に貢献していると反論している。
11月9日、中国政府は、エジプトで開かれている中国・アフリカ協力フォーラムにおいて、農業支援やインフラ整備のために今後3年間で100億ドルの融資を行うと発表した。
Zhai Jun外務次官は、記者会見において、中国はアフリカでの覇権を目指しているのではないとの釈明に追われた。
中国の『人民日報』の発行するタブロイド版『グローバル・タイムズ』紙は、「西側諸国は中国がアフリカに関与するのがうらやましいのだ」とした社説を掲載している。
今年初め、中国の全人代において、張家口農業科学院のZhao Zhihai研究員が、中国はアフリカに最大100万人の労働者を送り込むことができるとの提案を行った。Zhao氏は、エチオピアとギニアを訪れて農業協力の可能性を探った結果、100万人という数字をはじき出したという。
Zhao氏の提案は中国指導層の受け入れるところとはならなかったが、これがインターネット上にも出回り、多くのネチズンからの支持を受けるところとなった。
10月には、中国国際基金という企業が、石油・鉱物採掘権をめぐる70億ドル規模の取引をギニアと成立させた。同国は軍政をしいており、最近、民主活動家ら150人を虐殺したという事実がある。しかし、中国政府は、アフリカ諸国の内政には干渉しないとの態度だ。
「アフリカへの覇権拡大」という批判に応えて、中国政府はアフリカへの援助を増やしている。今回中国が発表した援助額は、3年前に出した50億ドルからすると2倍伸びている。
しかし、米国国際援助庁(USAID)に7年務めたブライアン・アトウッド氏によると、中国のアフリカに対する援助は透明性が低く、実際どの程度の額が流されているのかよくわからないという。
中国のアフリカ進出について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩