【アブダビWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)のナヒヤン・ビン・ムバラク高等教育及び科学研究大臣は、ザイード大学においてイスラム教徒とキリスト教徒の関係をテーマとしたシンポジウムを開催した。
「15世紀にまたがる愛(Fifteen centuries of love and affection)」と題したシンポジウムは、ザイード大学、イスラム当局、ターバ財団の共催の下、政府高官、外交官、宗教指導者、学者が参加し、15世紀に及ぶアラブコミュニティーの歴史の中で、キリスト教徒がアラブ-イスラム文明に寄与してきた貢献について議論がなされた。
ザイード大学長でもあるナヒヤン・ビン・ムバラク大臣は開会式の演説の中で、アラブ地域におけるキリスト教徒とイスラム教徒の歴史的関係について言及した。
「私たちは、キリスト教徒のアラブ人は私たちの気高き兄弟であり、イスラム教徒のアラブ人と肩を並べて国のため国民の福利に寄与してきたということを、言葉と行動をもって断固主張していかなければなりません。両者は誠実な兄弟愛で共に支え合ってきた関係にあり、この点に関して、イスラム教徒とキリスト教徒の違いはないのです。」とナヒヤン大臣は強調した。
またナヒヤン大臣は、「イスラム教徒であれ、キリスト教徒であれ、私たちは共にアラブの子供たちであり、伝統、言語、風習、そして人権を尊ぶ国家を共有する兄弟なのです。この生まれながらの権利は、将来に亘っていかなる難題も超えて持ちこたえていくものです。」と語った。そして、「イスラム教の啓示から今日に至る14世紀以上に及ぶ長い歴史の中で、イスラム教とキリスト教の関係は、聖なるコーラン啓示である『宗教に強制はあってはならない』、『主が望めば、人類を1つの国にしただろう』の文脈の中で発展を遂げてきた。」と付加えた。
「イスラム教とキリスト教の関係は、神が遣わした最後の預言者ムハンマドの『イスラムの偉大さと誇りは、正義、平等、宗教の自由を強調する寛容の規範にある』とする教えの枠組みの中で、育まれてきた。」とナヒヤン大臣は言及した。(原文へ)
翻訳=IPS Japan戸田千鶴