【アブダビWAM】
「国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、パレスチナを正式な加盟国として迎え入れることを決定した。このことは、ユネスコ加盟の重要性もさることながら、より広い文脈、すなわち、パレスチナに基本的権利を認めるという緊急かつ重要な観点からみても、パレスチナにとって大きな一歩となった。」とアラブ首長国連邦の日刊紙が報じた。
パレスチナは10月31日に行われた採択で、賛成107(反対14、棄権52)でユネスコの195番目の加盟国として承認された。この背景にはパレスチナ及び支援諸国による活発なキャンペーン活動があった(89年に申請した際には事実上「門前払い」された)。採択後、パレスチナ暫定自治政府のリヤド・アル-マリキ外相は、「今回の採択は、パレスチナ人民に行われてきた不当な権利の侵害を僅かながらでも正す一助となるだろう。」と語った。
しかし今回の採択は代償も伴うものであった。米国は同盟国イスラエルの敵を国家扱いするユネスコの姿勢に猛反発し、拠出金の支払いを凍結すると発表した。「今回の決定は、パレスチナに関する問題となると、米国政府の姿勢が国際社会からいかに遊離しているかを浮き彫りにするものとなった。」とガルフ・ニュースは論説の中で報じた。
「国際社会の大きな流れは、人々が自由と権利を獲得できるよう後押しするというものである。もしそのような後押しを必要とする人々があるとすれば、それは、何十年にもわたって権利を無視・侵害・差別されてきたパレスチナ人に他ならないだろう。従って、パレスチナのユネスコ加盟は、小さいながらも、独立国家として国際社会の承認を獲得するための、重要な一歩となった出来事である。」
この文脈から見れば、パレスチナのユネスコ加盟に反対した国々は偏見に基づく差別的な判断をしたと見做されてもやむを得ないだろう。パレスチナ人は未だにイスラエルの占領下、或いは難民として生きることを強いられているのが現実であり、このことを無視することはできない。
従って、パレスチナと支援諸国が目指すべき次のステップは、同様の承認を獲得すべく、引き続きこの方向性を追求していくことである。(原文へ)
翻訳=IPS Japan戸田千鶴
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