SDGsGoal17(パートナーシップで目標を達成しよう)世界伝統宗教指導者会議、アスタナで新たな10年ビジョンに着手

世界伝統宗教指導者会議、アスタナで新たな10年ビジョンに着手

【東京/アスタナINPS Japan=浅霧勝浩】

ユーラシア大陸の中心地カザフスタンで、10月11日、世界伝統宗教指導者会議第21回事務局会議が開催され、次の10年のビジョンが採択された。

この会議は、9・11同時多発テロ事件後に高まった特定の宗教に対する排他主義や過激主義に対して、世界の伝統宗教指導者自らが率先して対話を重ね、平和と協力関係を模索するイニシアチブとしてカザフスタンの呼びかけて2003年に始まったイニシアチブである。以来、3年に一度開かれる会議は、130もの多民族・多宗教が平和に共存するカザフスタンの首都アスタナが開催され、回を重ねるごとに参加する宗教指導者が増え、議題も急速に変化する国際情勢を反映しつつ、多様な宗教間の対話を促進し、団結を築き、平和を訴える中心的なフォーラムへと進化してきた。

7th Congress of Leaders of World and Traditional Religions Group Photo by Secretariate of the 7th Congress
7th Congress of Leaders of World and Traditional Religions Group Photo by Secretariate of the 7th Congress

発足20年目となった2022年に開催された第7回会議のテーマは「ポストパンデミック期における人類の精神的および社会的発展への世界の宗教指導者の役割」で、カソリック教会のローマ法王フランシスコや、イスラム教スンニ派の最高権威アフマド・アル・タイーブ師をはじめ、英国国教会、ロシア正教会、バハイ教、イスラム教、ヒンズー教、仏教、ユダヤ教、ジャイナ教、神道等、世界50カ国から100以上の代表団が参加した。ちなみに日本からは、8万社の神社を包括する神社本庁と世界100カ国以上に1200万人の会員を擁する創価学会インタナショナル(SGI)が参加した。SGIはまた、カザフスタン外務省と緊密に協力し、核兵器のない世界を実現するために、核兵器使用がもたらす人道的影響に焦点を当ててきた。

A group photo of the international press team at Astana Grand Mosque. Photo: Katsuhiro Asagiri, President of INPS Japan.
A group photo of the international press team at Astana Grand Mosque. Photo: Katsuhiro Asagiri, President and Multimedia Director of INPS Japan.

INPS Japanは、パキスタン、アラブ首長国連邦、バチカン、英国、イラン、タイ、イタリア、米国、韓国、タジキスタン、アゼルバイジャン、モンゴルからの国際プレスチームとともに、この重要な平和イニシアチブの節目を記録するためにアスタナに滞在した。記者たちは、世界各地から参集した宗教指導者への取材を行うとともに、20年にわたって世界から宗教指導者を惹きつけてきたカザフスタンの歴史や社会についても、触れる機会を得た。

古代シルクロード以来東西交易の中心地として多様な文化と宗教を受け入れてきたカザフの寛容な文化については知られているが、ソ連時代に繰り返された核実験で150万人もの被爆者を出した歴史や、強制移住や大飢饉、カザフの遊牧・宗教・文化が抑圧された歴史はあまり知られていない。こうした中で特筆すべきは、1991年にソ連から独立したカザフスタンが、国内のあらゆる少数民族・文化・宗教をカザフ人と平等に扱うことを憲法に明記し、教育や関連行事を通じて、自国の多様性を国の誇るべき強みとし、積極的な文化・宗教の共生を重視している点である。

Ethnic Diversity in Kazakhstan/ Astana Times
Ethnic Diversity in Kazakhstan/ Astana Times

世界中で宗教的、民族的な分裂や紛争が拡大する中、カザフスタンの先見的な政策は、将来の国際社会のモデルとして、世界中の宗教指導者から称賛されている。カザフスタンの先見的なリーダーシップと宗教間対話への揺るぎないコミットメントは、多様な宗教間の団結、寛容、協力という明るい未来を約束している。

2003年から23年までの会議の初期のビジョンは、多国間の宗教間対話の強化と普及に重点を置いていた。「今日、私たちはこの使命が達成されたことを確信をもって表明することができます。」と、事務局議長であり、カザフ国会の上院議長でもあるマウレン・アシンバエフ氏は語った。

INPS Japan joined distinguished journalists from from Pakistan, the United Arab Emirates, the Vatican, the United Kingdom, Iran, Thailand, Italy, the United States, South Korea, Tajikistan, Azerbaijan, and Mongolia, stayed in Astana to document this important milestone in the peace initiative. Filmed and edited by Katsuhiro Asagiri, President and Multimedia Director of INPS Japan.

今回の事務局会合で示された次のステップは、この成功をさらに発展させることである。会議は、宗教間対話を発展させ、確固たるものにするための努力を強化する態勢を整えており、スピリチュアル外交に無限の可能性を見出している。

Kairat Umarov, First Deputy Foreign Minister and Deputy Secretary General. Photo: Kazakh Foreign Ministry.
Kairat Umarov, First Deputy Foreign Minister and Deputy Secretary General. Photo: Kazakh Foreign Ministry.

カザフスタンのカイラト・ウマロフ第一外務副大臣兼事務局次長は、新たに打ち出された開発コンセプトの包括的な性質について説明し、「文書の大部分は、これまで7回にわたる会議の成果の実施に焦点を当てています。私たちの願いは、このの対話プラットフォームを、世界レベルで宗教間の結びつきを強化するための真のメカニズムに発展させることです。特に、スピリチュアル外交の能力開発という問題に注意を払っています。」と語った。

今後10年間の開発コンセプトは、英知の結集であり、急速に変化する世界においてその進化を促進するために考案された野心的なロードマップである。それは、各々の教義を超越し、精神的・道徳的価値が単に保存されるだけでなく、国際関係の礎となる世界を育むという世界的なコミットメントを表している。

INPS Japanを含む国際記者団がアスタナでのこの歴史的な会合を記録したように、世界は、より包括的で調和のとれた世界への旅路における重大な前進の証人となった。カザフスタンの穏やかな多文化モザイクを背景に開催された第21回世界伝統宗教指導者会議事務局会議は、単なる歴史の一章にとどまらず、多様性が称賛され、スピリチュアリティが無数の色彩を持つ人類を結びつける架け橋となる時代への明確な呼びかけである。(英文へLondon Post

INPS Japan

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