【アブダビWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)のハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領は、3月17日、アブダビ市の南西約120キロの砂漠地帯に建設した集光型太陽熱発電(CSP)としては世界最大となる発電所「シャムス1(Shams 1)」の操業開始を祝う式典に出席し、「この施設は、経済と依存するエネルギー源の多様化を推進するUAEのビジョンを体現した素晴らしい成果である。」と語った。
また式典には、UAE首相でドバイ首長国のアミール(首長)であるムハンマド・ビン・ラーシド・アール=マクトゥーム殿下と、アブダビ首長国皇太子で連邦軍副最高司令官のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン殿下が出席した。
6億ドル(約570億円)を投じて建設された「シャムス1」発電施設(サッカーコート285面分に相当する敷地に放物面鏡が放射状に広がる:IPSJ)の発電規模は100メガワットで、UAE国内の2万世帯にクリーンエネルギー(年間で二酸化炭素17万5000トン(車両111万5000台分の排出ガスに相当)が削減)による電力を供給する計画である。
「再生可能エネルギー源開発への進出は、世界有数のエネルギー供給国としての位置を維持していこうとするUAEのコミットメントの表われです。また、シャムス1の操業開始は、経済の多様化と長期に亘るエネルギーの安全保障に向けて邁進しているUAEにとって、大きな一里塚となります。」と大統領は語った。
また大統領は、本発電所の建設に携わった若きUAE技術者らについて、「このような大規模プロジェクトにおける多国籍企業との協働作業を通じて体得した専門知識は、今後エネルギー分野においてUAEの長期的なリーダーシップを支える人的資源のバックボーンを形成していくでしょう。」と語り、彼らの活躍を称賛した。
さらに大統領は、「シャムズ1発電所は、我が国の経済、社会、環境各方面における繁栄を目指した戦略的な投資である。…再生可能エネルギーを国内で生産することで、貴重な炭化水素資源(=石油、天然ガス等)の使用をセーブすることが可能となるほか、有望な新産業の成長を支援することになります。」と語った。式典では、国歌斉唱とコーランの朗読が行われた。
翻訳=IPS Japan
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