【ニューヨーク/東京INPS Japan/IPS NORAM】
ジャーナリズムは再び危機に瀕している。
報道の自由に対する挑戦は巨大かつ多面的である。
そしてそれは、「自由」で開放的な社会においても、また専制的な国家においても深まっている。
2023年、世界各地で45人のジャーナリストが職務中に命を落とした。
2023年12月1日現在、世界中で363人のジャーナリストが投獄されている。
昨年10月にイスラエル・ガザ戦争が始まって以来、100人近いジャーナリストやメディア関係者が殺害された。
これは紛争地域における死者数としては過去数十年で最悪である。
生命への脅威だけでなく、2023年には何万ものメディアの雇用が失われた。
デジタル優位のこの時代、ソーシャルメディアはますます視聴者を分断している。
私たちは、自由と民主主義が蝕まれていくのを目の当たりにしている。
ロシアではジャーナリストが大量に国外に流出した。
香港は(報道の自由に関して)かつての面影はない。
ミャンマーの政権は記者を殺し、牢獄に閉じ込めている。
アメリカ人の3分の2以上がマスメディアを信用していないと答えている。
優れた報道も行われているが、その多くは目に触れることなく、あるいは完全に見過ごされている。
とりわけ、気候変動や地球の状況に関する報道に関してこの傾向は顕著である。
インドで殺害された28人のジャーナリストのうち、少なくとも13人は環境に関連した記事を担当していた。
そのうちの何人かは、いわゆるサンド・マフィアと呼ばれる、建設業界に砂を供給する組織的犯罪ネットワークを調査取材中に殺害された。
今年、ユネスコは「世界報道の自由デー」を、現在の世界的な環境危機におけるジャーナリズムと表現の自由の重要性に捧げる。(原文へ)
INPS Japan/ IPS UN Bureau
関連記事:
「報道の自由」は重要だが、ピークは過ぎたのだろうか?(ファルハナ・ハクラーマンIPS北米事務総長・国連総局長)