【アスタナ/ 東京INPS Japan=浅霧勝浩】
カザフスタンの首都アスタナは、前衛的な建築群、文化の多様性、豊かな歴史を体感できる観光地として急速に注目を集めている。2026年春には日本とカザフスタン間の直行便が開設される予定で、アスタナの魅力はさらに高まるだろう。アスタナは「中央アジアのドバイ」としても知られ、現代的な都市計画と伝統が融合した独自の魅力を持っている。9月、私は第9回「外国メディアの目を通したカザフスタン」コンテストの受賞者である8人の国際ジャーナリストたち(アゼルバイジャン、キルギス、イタリア、スペイン、マレーシア、ロシア、エジプト、ブラジル)とともにプレスツアーに参加し、アスタナの最も象徴的な観光スポットをいくつか訪れる機会があった。
日本人建築家が描いた未来のビジョン
アスタナが急速に近代的な首都へと変貌を遂げたのは、1990年代後半に都市のマスタープランを作成した日本人建築家、故黒川紀章氏の先見性のある設計によるところが大きい。黒川氏の未来的なビジョンは、洗練された現代的な建造物とカザフスタンの遊牧民の過去を反映する要素を組み合わせたもので、都市のスカイラインと都市全体のレイアウトを形成している。彼の作品は伝統と現代性の相互作用を際立たせ、アスタナを世界の首都の中でも際立った存在としている。
日本の旅行者にとって、アスタナとこの偉大な日本人建築家とのつながりは、さらに魅力的なポイントとなるだろう。アスタナの街を歩くと、黒川氏のモダニスト的なアプローチが、カザフスタンの未来を象徴する都市にどのように実現されているかを直接目にすることができる。
文化のモザイク
この多様性は、地元の料理シーンにも反映されている。プレスツアー中、私たちは市内のレストランで様々な料理を楽しんだが、カザフ、ロシア、カフカス、韓国、そして、ウズベキスタンなど中央アジアの文化の影響が感じられた。
伝統的なカザフ料理であるベシュバルマック(茹でた肉と麺で作られる料理)や、ユーラシアの多彩な味を楽しむことで、アスタナでの料理体験はその人々の多様性を豊かに映し出している。特に日本からの観光客にとって、アスタナの料理はその多文化的なアイデンティティを体感できる貴重な機会となるだろう。
未来的なスカイライン
アスタナのスカイラインは、大胆で未来的な建築によって形作られ、「中央アジアのドバイ」としての評価を得ている。その中でも最も象徴的な建物の一つが、カザフスタンの独立と未来への希望を象徴するバイテレクタワーである。ツアー中、私は他のジャーナリストと共にバイテレクを訪れ、地上97メートルの展望台からの眺めは息を呑むほどの美しさだった。アスタナのスカイラインのパノラマビューは、ガラスの高層ビルと広々としたオープンスペースが融合した都市の姿を映し出している。
もう一つのハイライトは、2017年の万博の遺産である世界最大の球形建築物、ヌル・アレムだ。この未来的な建造物は現在、再生可能エネルギーや持続可能な技術に関する展示を行っており、エネルギー生産の未来についてインタラクティブに学ぶことができる。他のジャーナリストと共にヌル・アレムを探索し、カザフスタンが持続可能性に対してコミットしているだけでなく、世界的なエネルギー革新における役割も強調されていることを感じた。
歴史を巡る旅
カザフスタンの歴史に興味のある方には、カザフ国立博物館で同国の豊かな文化と歴史の変遷を詳しく知ることができる。 プレスツアー中、私たちは古代遊牧民の遺物から現代アートまで、同博物館の膨大なコレクションを探索する機会があった。 この訪問は、カザフスタンの歴史が、同国が現代の独立国家としてどのようなアイデンティティを持つに至ったかを理解する上で、貴重な洞察を提供してくれた。
直行便就航で観光促進
2026年に予定されている日本とカザフスタン間の直行便就航は、両国の関係において重要な進展となるだろう。この新しい路線により、日本の観光客がカザフスタンの活気あふれる首都を訪れることがこれまで以上に容易になり、文化交流や観光の機会が拡大するだろう。
アスタナは最先端の建築物と文化の多様性、そして歴史の深みが融合した都市であり、海外からの観光客にとって魅力的な目的地だ。日本人観光客にとっては、日本の最も象徴的な建築家の一人である黒川氏によって設計された都市であることも魅力の一つだろう。プレスツアーの一環として他の7人の国際ジャーナリストと共にこの街を探検した経験を通じて、アスタナが伝統と革新のユニークな融合によって際立っていることを強く感じた。
直行便就航の期待が高まる中、アスタナはダイナミックに発展するその風景を体験したいと願う新たな観光客の波を迎える準備ができている。 ようこそカザフスタンへ(Казакстанға қош келдіңіз!)。
この記事で紹介したアスタナの観光アトラクションは今回のプレスツアーを収録した前半の映像で観ることができます。(原文へ)
INPS Japan
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