【ドバイWAM】
博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)は27日の総会で、2020年の万国博覧会(万博)をアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催することを決めた。
2020年ドバイ万博のテーマは「心を繋いで、未来を創る」で、国際社会が一堂に集い、「持続可能性」、「機動性」、「機会」という国際展開の重要な要素である3つの副題について創造的で先駆的な解決策を探求するユニークな機会を提供することになる。
また同万博は、地球の進歩のための革新的なパートナーシップを記念する機会となるだろう。2020年万博のインフラ関連予算は約70億ドルとみられており、建物の一部は恒久的な施設として、万博閉会後も他の用途に活用する予定である。
また2020年ドバイ万博の開催が決定したことでUAEでは向こう7年間に、27万7000件の雇用創出が見込まれている。
また2020年ドバイ万博への訪問予想者は2千5百万人で、万博史上初めて、訪問者の70%以上が開催国外からの来場者になるとみている。
世界人口の3分の1が、ドバイ国際空港から旅客機で4時間以内、3分の2が、8時間以内のエリアに暮らしている。
2020年ドバイ万博の開催は、貿易と観光を中心にUAEに288億ドルの経済効果をもたらすと見られている。政府は、ドバイへの旅行者数を2020年までに2000万人を目指し、観光産業による利益を現在の1千億ディルハムの約3倍にする観光戦略を推進している。
環境面では、万博会場で消費されるエネルギーの50%を会場で生産するとしたり、施設に使用される建築材の30%にリサイクル部材を充てるなど、万博会場は環境に配慮した構成になっている。
開催予定期間は2020年10月から21年4月。この時期ドバイは観光のハイシーズン(冬季の平均気温は20度前後で過ごしやすい)にあたり、例年多くの国際イベントが催されている。
最初の万博は「全諸国の産業成果の大博覧会(Great Exhibition of the Works of Industry of All Nations)」と題して、1851年夏に英国のロンドンで25か国が参加して開催された。その後、1928年には国際博覧会条約が署名され、第二次世界大戦による空白期間があったものの、万博はこの条約を基準に世界各地で開催されてきた。前回の開催地は2010年の上海、次回は2015年ミラノで開催予定である。
2020年ドバイ万博は、中東で初めての万博開催となる。ドバイのほか、ロシアのエカテリンブルク、トルコのイズミル、ブラジルのサンパウロの3都市が立候補していた。ドバイは決選投票でエカテリンブルクと競い、116票対47票で圧勝した。(原文へ)
翻訳=INPS Japan浅霧勝浩
関連記事: