【アブダビWAM】
「オランダの資産運用会社PGGMが、パレスチナ占領地域のユダヤ人入植地との取引を継続しているとして、5つのイスラエルの銀行から資本を引き揚げる決断を下したことは、称賛に価する。」とアラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙が報じた。
この大手年金ファンドによる決定が下される1か月前、オランダでは大手水道会社であるヴィテンズ社が、パレスチナ占領地区で国際法に違反する活動を行っているとして、イスラエルのメコロット社との協力関係を解消したばかりであった。
「こうした相次ぐ措置は、イスラエル政府がパレスチナ問題に関して2国間解決案に沿った実質的な交渉を拒否し続けていることに対して、国際的に反感が強まっている現状を反映したものである。」とドバイに本拠を置くガルフ・ニュース紙が、1月11日付の論説の中で報じた。
ベンヤミン・ネタニヤフ政権は、パレスチナの土地の大半を占めているユダヤ人による不法入植地の解体撤去を始めるどころか、引き続き入植地の建設を継続していく政策を推し進めている。
こうしたオランダ企業の決定は、イスラエルと、同国にとって最大の貿易パートナーである欧州連合(EU)との間で、緊張が高まる中で出てきた動きである。
「EUは、パレスチナで入植地を拡大し続けているイスラエル政府に対して批判を強めてきており、昨年7月にはヨルダン川西岸地区(ウエストバンク)で活動するイスラエルの機関・団体について、2014年以降、援助対象から正式に除外する方針を決定した。また、2005年にパレスチナの市民社会を代表する諸団体が創始したBDS運動が、イスラエルに国際法を順守させるためのボイコット(Boycott)、投資撤退(Divest)、制裁(Sanction)を世界の諸機関に呼びかけている。一方、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス大統領は、入植地へのボイコットは支持しているものの、現在のところイスラエルそのものに対するボイコットまでは支持していない。」
一方、和平問題交渉のイスラエル側担当者で(首相より)はるかに現実的なツィッピー・リヴニ法相は、「ボイコットは急速に拡散しておりユダヤ人入植地に留まらないだろう」と警告し、現在の外交の膠着状態を打開すべきだと示唆している。(原文へ)
翻訳=IPS Japa
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