【アブダビWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙は、「UAE副大統領でドバイ首長のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下の(ドバイの発展に懸ける)熱意に限界はなく、彼の辞書に『不可能』という文字はないことを行動で示してきた。今日ドバイは、数々の『世界一』を擁する街と国際的に知られている。そして今回発表された、世界最大の複合商業施設『モール・オブ・ザ・ワールド』(総面積445万㎡=東京ドーム95個分)建設計画は、再び国際社会の注目をドバイに集めることとなった。」とガルフ・ニュース紙は7月7日付の論説の中で報じた。
このような途方もない規模のプロジェクトに着手するには大変な勇気と並はずれた冒険心が必要だが、ムハンマド首長はかつて、「未来は躊躇するものを待ってはくれない。」と述べている。今回発表されたプロジェクトの概念を想像しただけでも、度肝を抜かれるだろう。旅行者が街を離れたり車を使ったりする必要もなく1週間の滞在を満喫できる世界最大の屋内テーマパークを想像してみるとよい。
ドバイ・ホールディングが手掛けるこのプロジェクトの特徴は、世界最大のショッピングモールを中心に、同じく世界最大の屋内公園、屋内レジャー/テーマパーク、劇場/会議施設(文化地区)、医療/保養施設(ウェルネス地区)、水族館(33,000以上の動物、85種類以上の生物等)、100以上のホテルやマンションが建設され、これら全てが、温度と湿度を完全に制御した一つの屋根の下に相互に連結される予定である。
例えば、文化地区とモールを繋ぐ商業施設の遊歩道「セレブレーション・ウォーク」(全長7キロ)の屋根は、夏季はガラス屋根に覆われ、冬季には開放される予定である。
「完成すれば年間を通じて観光客を迎えられる世界最大の複合商業施設が誕生することとなり、ドバイ政府は、年間1億8000万人の来場者を見込んでいる。」と同紙は付け加えた。
ドバイは世界有数の観光地としての地域を確立してきたが、このプロジェクトが完成すれば同地の魅力を一層高めることになるだろう。またドバイは、2020年の万博開催を勝ち取った。ドバイ政府は6か月に亘る万博開催期間中の来訪者数を2500万人と見込んでおり、323億9000万ドゥルハム(約8933億円)の予算をかけて開催に向けた関連インフラの整備を進めている。
ドバイ政府は2013年、前年のUAE来訪者数1000万人を2020年までに倍増させることを目指す「観光ビジョン2020」を発表した。これに対応するためドバイのホテル数も2020年までに倍増する見込みである。
シャリジャに拠点を置くガルフ・ニュース紙は、「(万博に向けてドバイには)明確なビジョンがあり、インフラの準備も整っている、そして人材に対する信頼も高い」というムハンマド首長の言葉を引用して論説を結論付けている。UAEはこれを励みに「不可能なことは何もない」という信念を持って、目標達成に向けて一致団結して邁進していくだろう。(原文へ)
翻訳=IPS Japan
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