【国連IPS=タリフ・ディーン】
9月22日から30日にかけて、世界の政治指導者150人以上が参加するハイレベル会合が開催される。しかしその期間、数千の国際NGOと国連に認可された代表者たちは、例年通り国連本部への立ち入りを禁止されるか、極めて限定的にのみ許可されることになる。
今年も例外ではない。先週、国連は職員・記者・NGOに対し、サミット期間中の厳格な規則を通知した。市民社会組織(CSO)やNGOのメンバーがハイレベル会合やその他のイベントに出席するには、有効なNGOパスに加え、特定の会議・日付・時間を明示した特別イベントチケットを常に携行する必要がある、とされている。
通知は警告する。「9月22日から30日までの週、国連NGOパス単体では入場できない。」
NGOは国連内外で重要な役割を果たしてきた。故コフィ・アナン元国連事務総長(1997~2006年)は、NGOを「世界の第三の超大国」と評した。アシャ=ローズ・ミギロ元副事務総長(2007~2012年)も国連会合で「国連は実質的にあらゆる活動でNGOコミュニティとのパートナーシップに依存している。」と述べていた。
サハラ以南アフリカの平和構築、中南米の人権、カリブ海の災害支援、中東の地雷除去―いずれの分野でも国連は市民社会組織の活動に頼っている。
人道支援で大きな役割を果たすNGOには、オックスファム、ケア・インターナショナル、国境なき医師団、赤十字国際委員会(ICRC)、赤新月社、セーブ・ザ・チルドレン、アクション・アゲインスト・ハンガーなどがある。

2020年、国連憲章75周年のイベントでアントニオ・グテーレス現国連事務総長は、市民社会が国連創設のサンフランシスコ会議以来重要な声を担ってきたと強調した。「難民キャンプでも、会議室でも、街頭や広場でも、常に我々と共にあった。人権擁護、反人種差別、平和構築、気候行動、ジェンダー平等、人道支援、軍縮―どの分野でも欠かせない存在だ」と語った。
しかし、こうした賛辞にもかかわらず、国連はハイレベル会合時にNGOのアクセスを制限する方針を変えていない。国連は毎年恒例のこの「市民社会の排除」を「安全上の理由」と正当化している。現在、国連経済社会理事会(ECOSOC)に協議資格を持つNGOは6400以上にのぼる。
市民社会の声
国際市民社会連盟(CIVICUS)のマンディープ・S・ティワナ事務総長はIPSの取材に対して、「毎年、国連の使命達成を支え、市民のニーズを代弁している市民社会代表が、厳格に審査された年次パスを持ちながらも総会週に体系的に排除されるのには失望している。」と語った。
「重大な決定や論争的な議論が行われる場で市民社会を一律に排除するのは、意思決定者と関与する絶好の機会を失っている。」と彼は指摘する。
「こうした非対称性こそ、私たちが国連に『市民社会特使』を設置するよう求めてきた理由だ。特使がいれば、市民社会との関与を制度化し、国連全体で一貫した参加の枠組みを整え、世界の人々への発信を強化できる。」

グリーンピース・インターナショナルのマッズ・クリステンセン事務局長もIPSの取材に対して、「気候変動の最前線に立つ地域社会や島嶼国、そして未来を託された若者の声が国連で聞かれなければならない。国連憲章冒頭の『われら人民』が単なる『利害関係者の意見聴取』に矮小化されてはならない。市民社会は『意思決定の場そのもの』にいなければならない。」と語った。
国際市民社会行動ネットワーク(ICAN)のサナム・B・アンダリニ創設者は、「国連総会からのNGO排除は皮肉で悲劇的だ。」と批判した。「私たちは紛争や人権侵害、国際法の蹂躙に警鐘を鳴らしてきた。そして何より国連システムの強力な支持者でもある。だがその国連は私たちを支えてはくれない。」と語った。
彼女はさらにこう続けた。「今日、市民社会は政治的・財政的にかつてない圧力にさらされている。それでも私たちは人道危機の最前線で活動し、暴力を抑止し、社会的ニーズに応えている。権力者が責任を放棄する中、最も力なき人々が責任を背負っている。国連は市民社会の参加を排除するのではなく、むしろ後押しすべきだ。」
民主主義の視点から
「国連は権威主義国家による市民社会団体の正統性否定や排除の動きに抗うべきだ。」と語るのは、国境なき民主主義(Democracy Without Borders)のアンドレアス・ブメル事務局長である。
彼は、国連がUN80イニシアチブに見られるようなコスト削減改革の圧力に直面する中でこそ、市民社会や市民、大衆とより強固に関わる必要があると強調した。「国連総会の一般討論の場でNGO代表を入場させないのは、またしても機会を逸している。」と彼は結んだ。(原文へ)
INPS Japan/IPS UN Bureau Report
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