【サンルイス・ヒロテペケIPS=エドガルド・アヤラ】
干ばつに苦しむグアテマラ東部のドライ・コリドー(乾燥回廊)地域に暮らす農家の家族が、雨水収集という手法によって生計の糸口を見いだしている。この取り組みにより、これまで耕作が困難だった土地でも食料生産が可能になった。
スウェーデン政府の資金提供を受け、国際機関が実施するこの事業は、雨水貯留タンクの設置に必要な技術や資材を提供し、同国東部における水不足の緩和を目的としている。現在、約7,000世帯がこのプログラムの恩恵を受けている。

対象となっているのは、グアテマラ東部のチキムラ県とハラパ県にある7自治体の小規模流域周辺に暮らす家庭である。対象自治体は、ホコタン、カモタン、オロパ、サン・フアン・エルミタ、チキムラ、サンルイス・ヒロテペケ、サン・ペドロ・ピヌラである。
「ここはドライ・コリドーで、作物を育てるのが難しい。育てようとしても水が足りず、実が十分な重さまで育たない。」ハラパ県サンルイス・ヒロテペケ郡サン・ホセ・ラス・ピラス村で、支援を受ける家族の一人、メルリン・サンドバルはIPSの取材に対して語った。
全長1,600キロに及ぶ中米ドライ・コリドーは、中米全体の35%を占め、1,050万人以上が暮らしている。国連食糧農業機関(FAO)によると、この地域では農村人口の73%以上が貧困状態にあり、710万人が深刻な食料不安に直面している。
事業の一環として、サンドバルは自宅裏の敷地で雨水収集に取り組んでいる。底部に不透水性のポリエチレン製ジオメンブレンを敷いた円形タンクを設置し、容量は16立方メートルに及ぶ。
雨が降ると、屋根を伝って流れた雨水がPVCパイプを通じ、「集水槽」と呼ばれるタンクに集められる。蓄えられた水は、家庭菜園や果樹の灌漑に使われるほか、11月から5月にかけての乾季には生活用水としても利用されている。
家庭菜園では、セロリ、キュウリ、コリアンダー、チャイブ、トマト、青唐辛子を栽培している。果樹としては、バナナやマンゴー、ホコテ(熱帯果実)などが実を結ぶ。
さらに、500匹のティラピアの稚魚を育てる養魚池も設けられている。底部にポリエチレン製ジオメンブレンを敷いた構造で、長さ8メートル、幅6メートル、深さ1メートルである。
同様に支援を受けるリカルド・ラミレスも、設置した雨水収集タンクからの水を利用して作物を育てている。タンクの隣にはマクロトンネルと呼ばれる小型温室があり、そこでキュウリ、トマト、青唐辛子などを栽培している。灌漑は点滴方式で行われる。
「1畝からキュウリが950本、トマトは450ポンド(約204キロ)収穫できました。唐辛子も次々に実をつけています。雨水収集タンクに水があったからこそです。バルブを少し開いて30分ほど点滴灌漑するだけで、土壌がしっかり潤いました。」ラミレスは語った。(原文へ)
INPS Japan/IPS
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