― 混迷と不確実性の時代にあっても、ひとつの約束は揺るがない。
1948年、各国は世界人権宣言を採択した。
そこには、尊厳、自由、平等が、あらゆる人に、あらゆる場所で保障される権利であると明記された。
しかし現実には、権力、利益、偏見が、あまりにも頻繁にその権利を押しのけている。
2024年、紛争における民間人の死者数は再び急増した。
戦争では12分に1人の民間人が命を落としている。
14時間に1人、人権擁護者、ジャーナリスト、あるいは労働組合活動家が殺害されるか、行方不明になっている。
5人に1人が、わずか1年のうちに差別を経験したと答えている。
2024年末までに、1億2000万人を超える人々が故郷を追われた。
いまや人類の約4分の3が、市民的自由が厳しく制限された環境で暮らしている。
ガザからハイチ、スーダンからミャンマーまで、最も大きな代償を払っているのは民間人である。
7億3600万人の女性―ほぼ3人に1人―が、身体的または性的暴力を経験してきた。
毎年、「女性に対する暴力撤廃のための16日間キャンペーン」は、世界人権デーへとつながっている。
若者たちは、依存症、気候危機、憎悪のない未来を求めて声を上げている。
彼らの行進、公開書簡、ストライキは、人権の約束を生かし続けている。
このような状況の中で、人権はもはや抽象的な理念ではない。
それは、私たちの日常を支える不可欠な基盤である。
それは、食べる食料、吸う空気、身を守る住まいの中にある。
公正な労働と同一賃金、安全な学校、自由で独立したメディアの中にある。
人権は、前向きで、不可欠で、そして達成可能である――
私たちが共に行動するときにこそ。
2025年12月10日、世界人権デーを迎える。
「人権:私たちの日常に欠かせないもの」(原文へ)
INPS Japan/IPS UN Bureau Report
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