【IDN東京=石田尊昭】
咢堂・尾崎行雄を25回連続当選に導き、60年以上も国会に送り続けた伊勢の有権者。
その伊勢には、咢堂精神の普及に努めるNPO法人「咢堂香風(がくどうこうふう)」があります。
「尾崎行雄生誕祭」や、小中学生を対象とした「尾崎咢堂読書感想文コンクール」「さくらの写生コンクール」といった青少年育成事業、また、「花みずきの女王」選出や「全米さくらの女王」の伊勢招聘ならびに「全米さくら祭り」への参加といった国際交流事業を積極的に行っています。
尾崎行雄生誕祭は毎年11月に尾崎咢堂記念館(伊勢市)で開催されます。そこでは、読書感想文コンクールの授賞式が行われ、優秀者に市長賞、議長賞、教育委員会賞などが授与されます。そして授賞式後には、地元の地方議会議員の皆さんと、受賞した子供たちが輪になって「地域の未来について語り合う」という企画(子供たちにとっては大変貴重な体験です!)が行われます。
今年の生誕祭は、去る11月25日に開催されました。昨年同様、授賞式に先立ち「今こそ咢堂精神を!―尾崎行雄の生き方に学ぶ」という演題で私は講演をさせて頂きました。
民主政治は有権者中心の政治であるからこそ、その有権者の在り方を厳しく問い続けた尾崎。民主主義は制度を整えることよりも、その精神を身に付けることが重要だと説き続けた尾崎。投票率よりも「投票の質」を高めることの大切さ。一人一人が一票の価値を知り、その力を信じ、国や社会の在るべき姿を自らの頭で考え、良心に従って投票することの大切さについてお話ししました。
すでに尾崎の本を読み込んで勉強している小中学生、また議員や大人の方々には「当たり前」すぎて退屈かなと思ったのですが、皆さん最初から最後まで真剣に聴いてくださいました。
この生誕祭や読書感想文コンクール、またその他の国際交流事業も、始めた当初は今とは比べものにならないくらい規模の小さいものでした。それを、「民主主義と平和に対する咢堂の思い―咢堂精神を伊勢から世界に広げ、未来に繋ぎたい!」という一心で、ここまで大きくしたのは、「咢堂香風」の現理事長・土井孝子さんです。土井さんの情熱と行動力は、尾崎三女の相馬雪香さんを想い起こさせます。(ちなみに咢堂香風の「香」は相馬雪香から一字とったものです)
去る10月21日に開催した当財団主催「尾崎行雄・桜とハナミズキの集い」では土井理事長に特別講演をして頂きました。また、同日配布した当財団の機関誌『世界と議会』最新刊(秋冬号)には、土井さんの特別インタビュー「NPO法人咢堂香風の取り組み―咢堂精神の普及と世界平和に向けて」が掲載されています。こちらもぜひ多くの皆様にお読み頂きたいと思います。(同誌ご希望の方は尾崎財団事務局までご連絡ください)
来年は、「尾崎行雄生誕160周年」という節目の年です。
伊勢の咢堂香風の皆様をはじめ、多くの関係者・同志の皆様と一緒に、「咢堂・尾崎行雄」を大いに盛り上げていきたいと思います!
INPS Japan
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