地域アフリカモーリタニアの反奴隷制活動家とイランの女性人権活動家が受賞

モーリタニアの反奴隷制活動家とイランの女性人権活動家が受賞

【ジュネーブIDN=ジャムシェッド・バルーア】

「モーリタニアのネルソン・マンデラ」と呼ばれた元奴隷の子孫であるビラム・ダー・アベイド氏と、イランの著名な女性人権活動家シャパラク・シャジャリザデー氏が、重大な人権侵害と闘ってきた勇気を表彰された。

「奴隷制廃止運動再生イニシアチブ」(IRA)の創設者であるアベイド氏は、数多くのモーリタニア国民を動員して、奴隷制と、反奴隷法の適用を政府が怠っていることに抗議している。

アベイド氏は、デモや座り込み、ストライキ、行進を行い、国内外で情報を拡散することで政府に圧力をかけ、奴隷の所有者にその犯罪の責任を負わせ、奴隷制のないモーリタニアの可能性についての意識喚起を図っている。

SDGs Goal No. 16
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モーリタニア政府は、2010年、12年、14年にそれぞれ1年半、最近では2018年に5ヶ月と、頻繁にアベイド氏を収監している。

嫌がらせと収監を受けているにも関わらず、アベイド氏は、奴隷制を禁止するモーリタニアの法執行を強化し、差別に直面している元奴隷やその他のアフリカ系黒人の社会統合と生活の向上のために活動している。

2017年、『タイム』誌はアベイド氏を「世界の最重要人物100人」に選出した。

アベイド氏は2020年の「ジュネーブサミット勇気賞」を受賞したが、イランの著名な女性人権活動家で、屋外でヒジャブを着けなかった罪で収監され、虐待や拷問を受けたシャパラク・シャジャリザデー氏もまた、2020年の「ジュネーブサミット国際女性人権賞」を2月18日のセレモニーで授与された。この賞は、25の人権団体から成る国際的ネットワークが与えているものである。

「この10年間、我が国の政府は、平等のために闘い差別に抵抗したというだけの罪で平和的な人々を訴追し、拷問し、収監するという悪名を得てきました。彼らの勇気を胸に刻み、彼らに成り代わって、この権威のある賞を慎んで、深い感謝とともに受け取ります。」とアベイド氏は語った。

「リベラル・インターナショナル」や「人権財団」など20以上の人権団体とともに会議を主催した「国連ウォッチ」のヒレル・ノイヤー代表は、アベイド氏の受賞理由について「モーリタニアにおいて奴隷制と闘い、自らの自由を犠牲にして数十万人の被害者を擁護した勇敢な行動」のためだと説明した。

「勇気賞」の過去の受賞者としては、元政治囚でチベットの映画監督ドンダップ・ワンチェン氏、収監されたサウジアラビアのブロガー、ライフ・バダウィ氏、ベネズエラの野党リーダー、アントニオ・レデツマ氏、ロシアの反体制派ウラジミール・カラ=ムルザ氏などがいる。

アベイド氏とシャジャリザデー氏の2人の受賞者は、第12回「ジュネーブ人権民主主義サミット」に出席した世界各国の国連の外交官や人権活動家、ジャーナリストなどに対して演説した。

イランのシャジャリザデー氏は「革命通りの少女たち」とか「白い水曜日」とか呼ばれる市民的不服従運動のリーダーになった。彼女が2018年2月にイランの法律に抵抗してヒジャブを脱ぎ逮捕された事件は有名になった。その年、BBCは「世界で最も勇気を与え影響力のある女性100人」の一人にシャジャリザデー氏を選んだ。

シャジャリザデー氏は「この賞にノミネートされてとても光栄です。イランの女性、そして、尊厳を取り戻し、平等のために闘い、人権を擁護するために日々自らの命を危険に晒されている世界各地の女性たちに代わって、世界を変える取組みを継続していこうという勇気がさらに湧いてきました。」と語った。

ノイヤー代表はまた、シャジャリザデー氏の受賞理由について、「自身が収監・拷問・虐待されることになってもイラン女性の人権を勇敢に守ろうとした行動」のためだ、と説明した。

過去の「国際女性人権賞」の受賞者には、性器切除に反対する活動家のニムコ・アリ氏、コンゴでレイプ撲滅の取り組みを進めるジュリエンヌ・ルセンゲ氏、イラク議会のヤジディ派議員ビアン・ダキル氏などがいる。

Geneva Summit for Human Rights and Democracy
Geneva Summit for Human Rights and Democracy

第12回ジュネーブサミットで演説したシャジャザリデー氏は、イラン・中国・パキスタン・キューバ・ロシア・トルコ・ベネズエラから集った反体制派や活動家、犠牲者、政治囚の親族など、世界中で人権擁護のために闘っている他の人々の輪に加わった。彼女たちは、それぞれの国における人権状況の証言者となるだろう。

このイベントは、緊急の状況を世界的課題として取り上げるために国連人権理事会が主要な年次会合を開催する数日前に行われた。「ここは、世界中の反体制派の人々にとってのひとつの拠点だ」とノイヤーは語った。(原文へ

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This article was produced as a part of the joint media project between The Non-profit International Press Syndicate Group and Soka Gakkai International in Consultative Status with ECOSOC.

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