【ルンドIDN=ジョナサン・パワー】
米国の「国際海洋法条約」未加盟問題に焦点を当てたジョナサン・パワー(INPSコラムニスト)による視点。米国は当初、自国の海軍の機動性を確保するための航行の自由と、資源獲得競争における自国産業の自由を最大限に確保する観点から、海洋法秩序の構築に積極的に関与したが、レーガン政権時に海底資源開発を巡る取り決めが自国産業に不利であるとして脱退した(以来、米歴代政権による条約加盟を求める動きを上院がブロックしてきた)。その後国際海洋法は、米国未加盟のまま、168カ国・地域と欧州連合が加盟して運用に漕ぎつけ、別名「海の憲法」とも言われる存在になった。バイデン政権が誕生しても、米国は引き続き、南シナ海で国際海洋法を無視して岩礁の軍事要塞化を進める中国(条約加盟国)に対して、同法に基づく権利行使として「自由の航行作戦」を継続するとみられている。著者は、軍事的威嚇ではなく、平和的に中国を国際海洋法に従わせる手段として、米国が同条約に早期に加盟することが重要と指摘している。(原文へ)FBポスト
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