【ドバイWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは、4つの政府機関が協力して、「子どもの安全は共同の責任」というコンセプトのもと、2010年から交通安全イニシアチブを実施している。これまでに参加した学生は21000人以上にのぼる。
ドバイ道路交通庁(RTA)は、ドバイ警察、ドバイ保健局、エミレーツ運輸局と連携して、子どもと母親の交通安全に対する意識喚起を図るとともに、文教地区における交通安全対策に取り組んできた。
「このイニシアチブの目的は、交通認識と安全分野におけるドバイ政府の一般目標、交通安全委員会が提唱しているドバイ政府レベルにおける明確な目標、さらに参加4政府団体が掲げている全般的な目標に沿った内容のものです。啓発活動における最近の傾向は、複数の関連組織が互いに緊密に連携していくというもので、最終的には、安全・安心に関して全ての地方(首長国)が共有できる目標に資することを目的としています。」とドバイ道路交通庁(RTA)CEOのマイサ・ビン・ウダイ氏は語った。
またウダイ氏は、「これまでの成果をもとに今後さらに活動範囲を広げる方向で関係機関の連携・協力を強化していく。」と指摘したうえで、「今後ドバイ市内全ての学校や病院を対象に含める計画が検討されている。」と語った。
内務省、社会省、教育省、知識と人間開発局(KHDA)、ドバイ教育区域の後援を得たこのイニシアチブでは、ドバイ政府機関の合同チームが、道路を使用する人々の交通安全意識の向上を目的とした様々な計画やイベントを実施している。
この3年間で、70種類以上の交通安全キャンペーンパンフレットが、毎月1万部発行のサラマ・マガジンをはじめ70万部が印刷された。また、文教地区に160の横断歩道と450以上の交通標識を設置するなど、交通安全意識の向上に寄与した。またドバイ道路交通庁(RTA)は新たに導入した通学輸送の合理化に関する法令に基づいて、6700人以上のスクールバス運転手及び5000人以上のバスの車掌を対象にした研修を実施し修了者に免許を交付した。
このイニシアチブは生徒とドバイ市内の病院で最近出産した母親を対象に講演会、イベント、研修・ワークショップを行うもので、これまでに127の学校で21,000人が参加した。また様々な種類の広報素材が、ソーシャルメディア、ウェブサイト、屋外看板を通じて掲示された。(原文へ)
翻訳=IPS Japan
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