【フジャイラWAM】
モハメド・ビン・ダーン・アル・ハムリ石油相は15日、「ハブシャン-フジャイラ石油パイプライ」の開通式に出席した。これは、UAEの首都アブダビのハブシャン油田とオマーン湾に面する同国東部フジャイラ港の約370キロを結ぶ陸上パイプラインである。
「本日は、パキスタンの製油所向けの50万バレルの原油が、アブダビとフジャイラを結ぶ新たなパイプラインを通じて運ばれた。」とパイプラインプロジェクトを運営している国際石油投資社(International Petroleum Investment Company, IPIC)のカデム・アルクバイシ常務は語った。
ハブシャン-フジャイラ石油パイプラインは、最大で日量180万バレルの原油を輸送可能な(UAEの原油生産量は日量約250万バレル)ほか、原油積み出し港のフジャイラには、100万バレルを保管できるタンク8か所、多目的輸送ターミナル9か所、沖合原油積込み設備3か所が備えられている。
アルクバイシ常務は、「アブダビ首長国は、このパイプラインが完成したことによって、原油輸出に要する時間、手間、費用を大幅に圧縮できるとともに、(世界の海上輸送原油の4割が通過する)ホルムズ海峡を迂回して直接オマーン湾に原油を輸送することが可能となった。ハブシャン-フジャイラ石油パイプラインプロジェクトは、この種のプロジェクトとしては、アブダビ首長国がこれまで手掛けた事業の中で最も重要なものだ。」と指摘した。
フジャイラ首長府のサイード・アル・ダンハニ長官は、「フジャイラをUAE産原油の輸出港とする新たなパイプラインの開通は、観光ブームに沸くUAEの経済開発を一層促進させるものになるだろう。(イランによるホルムズ海峡封鎖の脅しに直面して)国際社会が安定した原油入手ルートの確保に熱い視線を送る中、原油輸出港としてのフジャイラの戦略的な価値は、中東地域のみならず国際的にも極めて重要なものになっている。」と語った。
翻訳=IPS Japan戸田千鶴