【アブダビWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに拠点を置く「国際再生可能エネルギー機関」(IRENA)と日本の「独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)は、9月25日、共同事業として、新興国や開発途上国における再生可能エネルギーの技術専門家を育成するための研修事業を開始した。
9月25日にアブダビで開催された開講式には、IRENAとNEDOが各々のネットワークを通じて今後再生可能エネルギーの市場創出が見込まれる新興国等から募集・選別した27か国・38人の研修生が参加した。研修生らは、10月11日まで、アブダビ、東京、大阪の3ヵ所で、太陽光発電の技術を中心とした研修を受講する。
IRENA(事務局本部アブダビ)は、世界規模で再生可能エネルギー技術の移転を促進し、実用化や政策の知見を提供することを目的として2009年に設立された国際機関である。一方、IRENAへの資金支援を行っているNEDOは、国際的なエネルギー課題の解決や、日本のエネルギー関連産業の海外市場展開・市場獲得を目的に設立された、日本最大の研究開発管理組織である。
研修プログラムは、日本の太陽光発電技術開発の経験やノウハウを、官民両セクターから選抜されてきた研修生らと共有し、最終的には彼らが研修成果を実務で直接活用可能なものにすることを目標としている。
この共同研修事業は、NEDOとIRENAが、2012年1月に締結した協力協定書(MOU)に基づき実施される最初のプロジェクトである。
研修プログラムでは、NEDOとIRENAの専門家や関連企業の技術者らが講師を務めるほか、研修生は、各種の集中的な実地訓練を受けるとともに、アブダビにあるマスダールシティの太陽光発電プラントや、大阪及び東京の太陽光発電システムの製造工場や電力会社を見学する。
また研修プログラムでは、太陽光発電システムに関する、プロジェクトの企画・立案、事業性評価や、太陽光発電システムの設計・施工、運転・保守等に関して座学及び実習を受けることになっている。そして研修生らは、各々の故国だけではなく世界への再生可能エネルギー技術の導入拡大と、国際的なエネルギー課題の解決に貢献することが期待されている。
開講式後、研修生らはアブダビのマスダールシティにある10メガワットの太陽光発電プラントを見学した。このプラントは中東地域で最大規模のもので、年間17,500メガワットを発電し、15,000トンのCO2を削減(=アブダビの自動車を3,300台削減するのに相当)している。(原文へ)
翻訳=IPS Japan
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