【カブールIPS=セディクラ・バデル(The Killid Group)】
アフガニスタンの主要作物であり、主食の小麦の生産量が今年は440万トンから370万トンに減少。7月25日には緊急援助委員会の委員長を務めるモハマド・カリム・カリリ副大統領が、250万人が深刻な食料不足に苦しんでいると明らかにした。
農業省は長引く干ばつが原因としていているが、専門家と一般市民は、利益の多いケシ栽培に転換している農民が増えていることも重大な要因と訴えている。背景には、周辺諸国からの安い輸入小麦粉がある。
農民は、政府の問題への対応が遅く、未解決の問題が食料不足の原因だと主張する。
地球温暖化の中、水不足、干ばつ、自然災害が問題の根源にはあるが、農地の3分の2が灌漑用水に頼っているアフガニスタンにとって、ダムの建設や配水システムの整備が緊急課題である。
安い輸入小麦を規制する法律の制定や手続きの導入など、政府による農民に対する保護策も求められる。国内外の農産物の価格や市場に関する情報、金融融資や原材料の供与、改良種・肥料・農薬の提供なども不十分なままである。
国連とアフガニスタン政府は7640万米ドルの食料援助の要請を共同で行なった。これまでに米国際開発庁(USAID)(世界食糧計画に2000万ドルの拠出を約束)、日本(300万ドル)などから拠出の申し出が来ている。
農業灌漑相は、水の供給に700万ドル、動物飼料900万ドル、食料に5000万ドルが必要としている。
政府が小麦危機への迅速な対応策を見出せないでいると、アフガニスタンの農民は確実にケシ栽培への転向を図るだろう。これは長期的に政府を深刻な窮地に追い込むものである。アフガニスタンの小麦不足の原因について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan