【プレトリアIPS=モギヤ・ンドゥル】
中国の目覚しい経済成長への関心が高まり、南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学中国学センターのM.ディビーズ所長には講演の依頼が増えている。ディビーズ所長は、世界の製造業を担い貧困を削減した中国から、アフリカ諸国は学ぶべきだと考えている。
同所長は南アの首都プレトリアで開催された、「中国の成長:南アフリカ開発共同体(SADC)の貧困削減への意味合い」というテーマの会議で講演を行なった。中国の経済成長とは対照的に、世界銀行によると、アフリカ大陸に住む8億人の半分が1日1ドル以下で生活している。
会議を主催し、中国とアフリカの貿易を監視しているNGO、南アフリカ地域貧困ネットワーク(SARPN)のN.Ngwira氏は、中国の発展を称賛する一方で「アフリカの資源と市場に関心を持つ中国と協調した関係をもつべき」と考えている。2005年には主にスーダンからの石油の輸出で中国とアフリカの貿易は拡大した。またSARPNによると、中国は1970年代からアフリカに医師と農業技術者を派遣して医療活動と農業指導を行ってきた。
問題は中国からの繊維製品の輸入の増大で、アフリカの地場の産業が打撃を受けている。さらに2005年1月に繊維製品の輸出割当を課していた多国間繊維取り決めが失効して状況は悪化した。米国市場での中国との競争も厳しく、南アの米国向け繊維製品の輸出は落ち込み、廃業する工場も増え、失業者も問題になっている。中国企業のアフリカでの活動を懸念する市民活動団体もある。「腐敗した政治家の庇護を受け、従業員の福利厚生はなく、アフリカの資源を搾取していなくなる」とモザンビークのNGO地方互助協会のL.I.Duvane代表はいう。
Duvane代表は「アフリカの犠牲で中国の発展があってはならないが、中国とのビジネスに有効な機構を確立できない各国政府も責任がある」とする。プレトリアの中国大使館のZhou Yuxiao参事官は「20年前にはアジア諸国で同様の議論があったが、現在中国はアジアで脅威ではなく恩恵をもたらす国と認識されている」という。アフリカと中国との関係について報告する。(原文へ)
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