SDGsGoal15(陸の豊かさも守ろう)|アフリカ|森林景観を復興するには大きな後押しが必要

|アフリカ|森林景観を復興するには大きな後押しが必要

【ヨハネスブルクINPS Japan/IDN|Africa Renewal】

アフリカの指導者たちは6年前、アフリカの農地の65%が劣化している現実が、何百万人もの農民に経済的・環境的な破綻の危機をもたらし得ると認識した。

その認識は、気候変動の影響—収量の低下、不規則な降雨、長期化する干ばつ—が、農村の農民コミュニティや牧畜民、都市住民の暮らしを一段と厳しくしていた時期と重なった。

この破壊的な流れを反転させるために生まれたのが、AFR100イニシアチブである。地域主導で進める同プログラムは、健全な農村コミュニティと豊かな生態系を支える多様な手法を通じ、2030年までに1億ヘクタールの土地回復を開始することを目標に掲げる。

アフリカの指導者たちには、その目標を裏づける根拠があった。土地回復への投資は、1ドル当たり7〜30ドルの経済便益を生み得る。さらに、自然を回復できれば、地球温暖化を2℃未満に抑えるために必要な費用対効果の高い排出削減の最大3分の1を賄える可能性があるという。回復した景観は食料生産を増やし、砂漠化、干ばつ、洪水に対する地域の強靱性も高める。

実現可能性も示されていた。例えば、先駆的農民ヤクーバ・サワドゴ氏は、乾燥したサヘルでコミュニティを動員し、500万ヘクタールを再び緑化した。ノーベル平和賞受賞者ワンガリ・マータイ氏が率いたグリーン・ベルト運動では、死の脅迫を受ける状況下でも、4,000を超える女性グループが自らの農地とケニアの森林を守り、回復させてきた。

その遺産はいまも人々を鼓舞している。セネガルでは、元閣僚ハイダル・エル・アリ氏の指導の下、湿地帯で1億5,000万本以上のマングローブの苗が育てられた。

こうした草の根の成功の歴史が、32のアフリカ諸国政府をAFR100運動へと後押しした。各国は若者の雇用を生む国家レベルの回復プログラムを整え、地域の起業家、非営利組織、協同組合など数千の主体がコミュニティを動員し、生態系の保全と再生に取り組んでいる。

しかし、目標達成にはまだ遠い。資金提供者はAFR100と「グレート・グリーン・ウォール(緑の長城)」に160億ドル以上を拠出すると約束したが、最前線のコミュニティには資金がほとんど届いていない。森林減少と生態系劣化は高いペースで続いている。

グローバル・フォレスト・ウォッチによれば、2020年だけでアフリカは400万ヘクタールの樹木被覆を失った。政治的不安定や紛争は、これまでの脆弱な成果を脅かしている。加えて、計画が不十分な植林事業の一部は、侵略的な外来種の導入や在来草原の破壊を招き、生態系と地域社会に被害を与えてきた。

だが、問題の核心は別にある。気候変動への寄与が最も小さい大陸であるにもかかわらず、最悪の影響を受けるアフリカに対する資金支援が乏しいことだ。先進国の政府、民間企業、そして富と権力を握る人々—世界の排出の大部分を生み出してきた側—は、アフリカの気候イノベーターに対して責任を負っている。

地域主導が鍵になるのは、コミュニティがアフリカの土地のほぼ70%を管理しており、生態学的にも社会的にも持続可能なプロジェクトを各地で実装していく知恵と経験を持つからである。2050年までのネットゼロ達成に、公平な道筋はない。土地回復に取り組む起業家や地域リーダーへの投資なしに、その目標は達成できない。

いま必要なのは、アフリカの回復運動に対する「ムーンショット」—規模の大きい資金動員と、それを現場へ届ける仕組み—である。しかも、今日から始めなければならない。グラスゴーで開かれたCOP26で、アフリカ各国首脳は民間資金提供者と政府ドナーに行動を求めた。2022年末までに、地域主導のアフリカ土地回復プログラムに20億ドルを動員せよ、という呼びかけである。

その資金があれば、数百の地域の担い手に投資し、成功に必要な技術支援を提供できる。さらに追加資金を呼び込み、2026年までに推計2,000万ヘクタールの再生を始動させ、4,000万人に推計1,350億ドルの便益をもたらすことも可能になる。進捗を追跡する透明なモニタリング体制を組み合わせれば、1億ヘクタール目標は現実の射程に入る。

AFR100の新局面を立ち上げるため、ベゾス・アース・ファンド、One Tree Planted、フェイスブックは、まず2,000万ドルの初期拠出を発表した。2022年に、より大きな投資を呼び込むことを視野に入れている。アルバーティン・リフト自然保護協会への助成金は、女性主導の協同組合ネットワークが小規模農家の農地で数十万本の樹木を育てる取り組みを可能にする。

南アフリカでは、融資により起業家シヤブレラ・ソコマニ氏が苗木生産施設を拡張し、社会的に周縁化された都市部の地域や農村部で、在来樹種を数十種類植える取り組みを広げる。シエラレオネのフリータウンでは、地域団体への助成によって樹木被覆が増え、路上の気温が下がる。イヴォンヌ・アキ・ソーヤー市長が構想する「トゥリータウン」への転換を後押しする狙いだ。

私たちは、アフリカ連合と国際研究機関の立場から、土地回復に取り組む人々のための現場に合わせた解決策を、ドナー、技術専門家、アフリカ各国政府が共に築くよう呼びかける。

柔軟な資金をより利用しやすくし、進捗をほぼリアルタイムで追える信頼性の高い監視・評価の仕組みを整え、農民が土地回復に取り組める強固な公共政策をつくる必要がある。

そして何より、公的ドナーと民間資金提供者は、AFR100を通じてコミュニティ組織と起業家への投資を大幅に拡大しなければならない。アフリカの未来を信じるという言葉を、実行で裏づけるために不可欠な一歩である。

2030年、私たちは誇りをもって、アフリカの農村と都市の景観に希望と繁栄を取り戻すために行動したと振り返りたい。失敗は許されない。(原文へ

INPS Japan

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