ニュース「もうひとつのノーベル賞」受賞者、原発廃止を訴え

「もうひとつのノーベル賞」受賞者、原発廃止を訴え

【ベルリンIDN=ジュッタ・ウォルフ】

「もうひとつのノーベル賞」と呼ばれるライト・ライブリフッド賞の受賞者ら50人が、核兵器廃絶だけではなく、原子力発電からも撤退すべきだとする声明を3月29日付で発表した。

日本で起こった原発事故に関して、声明はこういう。「自分自身のために、そして、将来世代の受託者として活動している人間社会は、地球絶滅を引き起こしかねない技術を扱う際には、とりわけ注意を払わねばならない。われわれは、こうした技術から徐々に脱却し、それを廃し、現在・将来の世代を傷つけることのない別のものを目指さねばならない。」

 声明では、原発維持によって生み出される放射性廃棄物は、人類の文明が存在するよりもずっと長い期間にわたって毒性を保ち続けるものである、と警告する。

さらに、より安全で信頼性の高い再生可能エネルギーを開発するための経済的・人的資源を原発が奪ってしまうことも批判した。

核兵器と原子力発電の関係については、「原発計画は核兵器にも転用可能な核分裂性物質を利用し生み出すものであり、核拡散への道を開くものに他ならない。」と述べた。

「原子力は近代のエネルギー問題への答えでもないし、気候変動問題への特効薬でもない。さらなる問題を生み出すことによって、何か問題を解決することなどできない。」

ライト・ライブリフッド賞の創設者のひとりであるヤコブ・フォン・ユーカル氏は、「気候変動や核の脅威の問題に立ち向かうことは、技術的な問題ではない。それは、心理的、政治的問題なのだ」と喝破する。

声明には、ワンガリー・マータイ(ケニア)、ヴァンダナ・シヴァ(インド)、アショク・コスラ(インド)、モード・バーロウ(カナダ)、ハフサト・アビオラ-コステロ(ナイジェリア)、アレクサンダー・リコタル(ロシア)、フランシスコ・ウィタケル・フェレイラ(ブラジル)、アーウィン・クラウトラー(オーストリア)などが署名している。

ライト・ライブリフッド賞受賞者らの、福島原発事故への反応を報告する。(原文へ

翻訳/サマリー=山口響/IPS Japan浅霧勝浩

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