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|人権|西側諸国の身勝手な“民主主義”解釈

【ワシントンIPS=ジム・ローブ】

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は1月31日、「西側政府が主張する“民主主義”は、政治的/経済的利益を優先し、明らかに市民の政治的/社会的権利を妨害する身勝手でいい加減なものである」とする年次報告書『ワールド・レポート』を発表した。 

米国およびEUは、選挙実施を援助提供や関係強化などの基準としているが、同報告書は、単に選挙を実施するだけでは民主国家は生まれないと主張する。 

HRWのケネス・ロス氏は、「ワシントンおよび欧州政府は、“勝利者”が戦略的/経済的に役立つと思えば最も疑わしい選挙でさえ受け入れるだろう」と語る。その最たる例がブッシュ大統領のムシャラフ大統領支援である。ロス氏は、「疑いの声もなくエジプト、エチオピア、カザフスタン、ナイジェリアのリーダー達を民主主義者と讃えては、民主主義思想を貶めることになる」と言う。

 民主改革の基盤を選挙実施に置く議論は1980年代初めのレーガン政権時代に始まった。レーガン大統領は、エルサルバドルの軍事政権に対し行っていた軍事援助を主とする数億ドルの支援を正当化するため、同議論を利用したのだ。(レーガン時代に国務省の人権担当長官補であったエリオット・エイブラズは、ブッシュ政権のグローバル・デモクラシー戦略のための国家安全保障顧問を務めている) 

ロス氏は、「西側諸国は、民主主義を機能させる報道の自由、集会の自由、権力に真の異議申し立てを行うことが可能な市民社会の活動といった重要な基準を忘れている」と指摘する。 

選挙についても西側諸国のご都合主義は明らかだ。ロス氏は、「米政府の民主弾圧批判は、イラン、ビルマ、キューバといった長年の敵対国、孤立国に向けられ、サウジアラビア、チュニジア、エチオピア、エジプト、ヨルダンといった国々を除外している」と述べている。ヒューマンライツ・ウォッチの年次報告が指摘する西側大国のご都合主義的民主主義解釈について報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩 

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