【ワガドゥグーIPS】
ブルキナファソの市場では穀物が不足している。2008~2009年の大豊作が発表されるや否や、近隣諸国の業者がブルキナファソに殺到して買っていったからだと市場関係者はいう。
十分な降雨と政府からの補助金により、今期の穀物生産は420万トンに達し、71万7,000トンの余剰がでた。それでも価格が下がることはなく、上昇し続けている。いつもは輸入される穀物が、ガーナ、マリ、コートジボワールなどに輸出されているためだと考えられる。
穀物価格情報を専門とするNGO、グリーンアフリカの1月の報告書によると、市場の穀物不足からアワで14%、ソルガムとトウモロコシで20%の値上がりとなっている。「11月にトウモロコシは1袋7,500CFAフラン(約15ドル)だったが、12月は12,000CFAフラン、1月は1,5000CFAフランだ」とシシリ農業専従者連合(FEPACI)のJ.D.ムーサ会長はいう。
グリーンアフリカは、大豊作にもかかわらず穀物が不足しているのは、不足地域の生産者と業者による備蓄も原因と考えている。生産者の在庫の多くはまだ市場に出回っていないことから楽観視する専門家もいるが、価格下落を警戒する農家は、やはり豊作だった落花生、ゴマ、豆を当面売って対抗しようとしている。
生産者に出荷を促す会合に出席したセドゴ農水相は、不信感を抱いて抵抗を示す生産者に補助金を更新するなどして市場に穀物を流通させたいと語った。昨年度は、物価上昇に対処するため3万トンの備蓄穀物を政府が割引価格で売り出すという事態になっていた。穀物部専門家間委員会のS.シセ委員長は、政府が事前に利害関係者と協議していれば、過剰な輸出が防げたのではないかという。
サヌー貿易起業大臣は「常に意見を聴き、相互理解を重視しているが、今のところ問題解決に至っていない」という。「このまま価格上昇が続けば昨年同様暴動が繰り返される可能性もあるが、それは避けたい」
ブルキナファソ農業者連合(CPF)のB.ダオ会長は、食糧の自給と生産者の福利を確立するために農業支援は重要だという。同会長は「問題を避けるため、政府は余剰分を買い取って市場に適切な価格で売ることに合意すべきだ」とIPSの取材に応じて語った。
豊作でも穀物価格が上昇しているブルキナファソについて報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー= IPS Japan 浅霧勝浩