【プノンペンIPS=アンドルー・ネット】
ボエン・カック湖の再開発プロジェクトの開始が発表されたのは、国連人権理事会(UNHRC)のカンボジア担当官の任期を話し合う会議の直前だった。地元および世界のNGOはその会合で問題を提起する予定である。
湖の再開発については10年以上前から噂があったが、2007年2月にプノンペン市がシュカク社と7,900万ドルで土地の99年リース契約を結び、確定した。シュカク社は与党のLau Meng Khin上院議員とつながりがあるとされている。
警察が厳重に警戒する中、8月26日には業者が133haの商業地と宅地の造成の準備として湖の埋め立てを始めた。90haの湖の80haが埋め立てられる予定である。住民側弁護士は27日の記者会見でプロジェクトの違法性を訴え、裁判の準備を進めていると語った。
市当局は影響を受けるのはおよそ600世帯だとしているが、NGOは3万人に上るとみている。住民は市の用意した住宅に移るか、8,500ドルの補償金を受け取るか、開発地周辺の新たな住宅ができるのを待つか、3つの選択を迫られている。住民は保障費の低さに憤るとともに埋め立てを中止して話し合いに応じるよう企業に求めている。
国際的なNGOも開発計画は違法であり、住民の参加がないと非難している。環境への影響も懸念されるが、カンボジアの水資源気象省は問題ないと影響を否定している。
大規模な土地開発事業が進められているカンボジアでは、土地の接収と強制立ち退きが問題になっている。7月だけでも、南部のシアヌークビル州の小島の開発とフランス植民地時代のリゾート市ケップの宅地開発の2つの重要プロジェクトが明らかになった。
居住権問題に取り組むNGOは、違法に、かつ適切な補償なしに立ち退かされる地域の住民の権利について憂慮している。選挙前の小康状態を過ぎ、今後立ち退きへの圧力は高まると思われる。UNHRCの会議が期待される。住民からの反発を受けるカンボジアの再開発事業について報告する。(原文へ)
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