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地域アジア・太平洋|カンボジア|白日の下に曝されるクメール・ルージュの残虐行為

|カンボジア|白日の下に曝されるクメール・ルージュの残虐行為

【プノンペンIPS=マルワーン・マカン・マルカール】

クメール・ルージュ元指導者の残虐行為を裁くカンボジア特別法廷(ECCC)による裁判が5月30日から始まる。 

4人の被告のうち最初に裁かれるのは、クメール・ルージュ時代(1975年4月から1979年1月まで)最大のトゥールスレン刑務所(S-21)の所長カン・ケ・イウである。同刑務所では女性、子どもを含む少なくとも12,380人が拷問、強制労働などで死亡している。 

ヒューマン・ライツ・ウォッチのカンボジア人調査員サラ・コルム氏は、「トゥールスレン刑務所がカン・ケ・イウ(俗称ドッチ)裁判の中心となる。我々は、同刑務所がどの様に機能していたか、そこでどの様な犯罪が行われていたかを知ることになろう」と語る。

 著名な政治アナリスト、チェア・ヴァンナス氏(65)は、「従妹が同刑務所で殺された。別のクメール・ルージュ刑務所で所長をしていた夫がまず殺され、後に彼女が殺害されたのだが、実際何が起こったのか我々は知らない。ドッチの裁判で新たな事実が明かされるだろうが、カンボジア人にとっては、辛い過去の追体験になる」と語る。 

1995年設立のカンボジア文書センター(DC-Cam)は、戦争犯罪裁判に備え2万か所の無名墓地、198か所のクメール・ルージュ刑務所を突き止めた他、約百万人の犠牲者へのインタビューを行い、その結果を公表している。 

DC-Camのある出版物は、3月から学生の教育教材として全国の高校に配布されており、殆どの学生は民主カンプチア(クメール・ルージュ政権下のカンボジアの名称)の残虐行為について知っているが、議論は家庭内やメディアに止まり、一般の議論となっていない。 

DC-Camの高校教材「民主カンプチアの歴史」は、トゥールスレン刑務所について、大部屋に収容された逮捕者の足は鎖で鉄のバーに繋がれ、頭を下にして眠らなければならなかった。S-21では、情報を引き出すため、殴打やむち打ち、電気ショック、更には傷口にアルコールを注ぐ、生爪を剥がすなどの残虐行為が行われていた。また、性的虐待は禁じられていたにも拘わらず、女性に対しては強姦や乳房の切除も行われていたと述べている。 

これらの恐怖は、トゥールスレン刑務所の生存者11人の1人であるヴァン・ナト氏が30年の記憶を辿り描いた絵画にも見てとれる。彼の絵は同刑務所の壁および同氏の私設ギャラリーに展示されているが、同氏は、「ドッチの裁判が終われば、私は刑務所の絵を描くのを止めようと思う」と語っている。 

5月30日から始まるカンボジア特別法廷の裁判とそれに対するカンボジア市民の思いについて報告する。(原文へ) 

翻訳/サマリー=IPS Japan 浅霧勝浩 

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