【ニューヨークIDN=リサ・ヴィヴェス】
環境保護に取り組む人々にとって、明るい知らせは決して多くない。だが今回、環境活動家や先住民コミュニティー、研究者らは、粘り強い働きかけの末に勝ち取った成果をようやく共有することができた。
カメルーン政府は8月14日、同国南西部のエボ森林約17万エーカーに及ぶ伐採計画を中止すると発表した。エボ森林は、道具を使うことで知られるナイジェリア・カメルーン・チンパンジーやニシゴリラ、巨大ガエルをはじめ、数百種に及ぶ希少な動植物が生息する生物多様性の宝庫である。
今回の決定は、先住民コミュニティー、自然保護団体、科学者らによる組織的な反対運動を受けたものである。
エボ森林は生態学的価値だけでなく、バネン先住民にとって文化的・社会的にも極めて重要な意味を持つ。彼らはこの森を、神聖な祖先伝来の土地とみなしている。
バネンの人々は1960年代に森林から立ち退きを余儀なくされたが、その後も境界近くに暮らし、食料や薬草など生活資源の多くを森に依存してきた。コミュニティーは数十年にわたり、故郷の村々への帰還を求めて闘ってきた。
バネンの伝統的指導者の一人であるビクター・イエティナ氏は英紙『ガーディアン』に対し、「私たちは昔からこの森と、その豊かな多様性と調和して生きてきた。しかし人々は、ただ利益を得ようとしているだけだ」と語った。さらに、「私たちの歴史の大部分はいまも森の中に残っている。60年たった今でも、先祖が育てたカカオ農園を見つけることができる。埋葬された人々もそこに眠っている」と述べた。
エボ森林をめぐる危機が表面化したのは7月である。ジョゼフ・ディオン・ングテ首相が、森林の半分を「森林管理単位」に指定する政令に署名し、政府が伐採権を売却できる道を開いたためだ。
しかしニュースサイト「Afrik21」によると、ングテ首相は8月11日、ポール・ビヤ大統領の指示によりこの政令を撤回し、伐採計画を停止した。さらにビヤ大統領は、追加で約16万エーカーを再区分し、さらなる伐採の可能性を広げかねなかった措置についても延期を命じた。
エボ森林の大型類人猿保護に取り組んできたサンディエゴ動物園グローバル中部アフリカ・プログラム責任者のベサン・モーガン氏は声明で、「このかけがえのない森林の差し迫った破壊を食い止めるためのカメルーン政府の介入を、強く歓迎する」と述べた。
そのうえでモーガン氏は、「国際社会がこの機会を捉え、カメルーン政府と協力しながら、困難な状況に置かれた地域社会との共生のもとで長期的な保全を実現する模範例として、エボ森林を位置づけていくことを期待している」と強調した。(原文へ)
INPS Japan
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