【ドバイWAM】
アラブ首長国連邦(UAE)を訪れる中国人富裕層の数が近年急増し、中国人のビジネス習慣や文化に対する理解を深めることが地元企業にとって急務となってきている。
マスターカード社の調査によると、昨年UAEを訪れた中国人観光客は約30万人で、年間消費額は外国人観光客の中で最大の3億3400万ドルであった。
こうした流れに地元企業が有効に対処できるよう、ドバイ中国文化学習センター(DCLC)は、イベント企画会社「メインイベント」(本拠:ドバイ)との協力のもと、5月23日・24日の2日間にわたって「Chinese Cultural Awareness, Social ‘&’ Business Communication Conference」と題した専門家向け中国ビジネス講座を企画した。参加者は、主に中国文化と中国人観光客への対応ノウハウを学ぶ予定である。
「UAEは、2009年に中国政府との間に「観光目的対象国」(ADS: Approved Destination Status)合意をしてから、中国からの観光客が急増しました。」と中国グローバル社・DCLCのルーシー・チャン常務理事は語った。
「UAEはこのステータスから大きな恩恵を得ています。不安定な中東情勢にもかかわらず、UAEはドバイやアブダビなどレジャー・文化・ショッピングをミックスした観光産業が中国人観光客を魅了し続けており、今後も中国からの観光客数は増加し続けると見られている。両国間の航空移動時間が8時間程度と手ごろなことと、旅客便本数が豊富なことも、観光目的地としてのUAEの魅力を高めている要因となっている。」
UAEへの中国人観光客の増加は、中国人の海外渡航者数が近年大幅に伸びている傾向を反映したものでもある。国家観光庁の統計によると2011年に海外に渡航した中国人は5740万人で、2010年から20.4%増加した。この数値は、2015年にはさらに8400万人へと増加する見通しである。
中国ビジネス講座の1日目は、中国文化に焦点をあてた以下のトピックを扱う予定である(①言語、信条と習慣、②文化的価値観と行動形態、③中国の文化経済環境、④社会エチケット、外交儀礼と人間関係の構築について)。
また2日目には、社会・ビジネスコミュニケーションの分野に焦点をあてた以下のトピックを扱う予定である(①中国人観光客の行状とニーズ、②中国人顧客との交渉術、③食事、娯楽、接客等)。
またこの講座イベントでは、中国流の肩書、形式、カラーシンボル、さらには中国人の交渉における特徴等についても、専門家によるセミナーが実施される予定である。(原文へ)
翻訳=IPS Japan戸田千鶴