【ポート・オブ・スペインIPS=ピーター・リチャード】
カディーム・サイモン(17)は(通信会社のカラフルな広告が載った)新聞を片手に、携帯電話の最新機種の購入に際しTSTT (Telecommunications Services of Trinidad and Tobago)社あるいはDigicel社にするか迷っている。携帯電話を買い求める人々の長い列の中で、サイモンは「店員に対応してもらうまで少なくとも1時間は覚悟しているけど気にしないよ」と述べた。
カリブ海諸島の国々では近年、携帯電話市場が活況を呈している。その背景には地方行政によるネットワーク産業の自由化や英国企業の独占を排斥しようという動きがある。通信業界の自由化へ移行しつつある英領バージン諸島では、新規参入を妨害する動きを規制するための法律を導入。Communications and Works Ministerのアルビン・クリストファー氏は「通信業界の自由化は戦略的な措置を伴う複雑なプロセスである。我々は独立機関の設立とその効率的な活動により、公正かつ有効な競争を確保できるようにしたい」と語った。
カリブ最南端の国、トリニダード・トバゴは裕福な国であるにも関わらず、デジタルアクセス指数(Digital Access Index: DAI:電気通信およびインターネットの整備度・利用度を数値化したもの)は低い。通信局主任カリド・ハッサナリ氏は「トリニダード・トバゴは今後、全ての国民が通信サービスを利用できるようにしていくつもりである」と述べた。
セントルシアのケニー・アンソニー首相は「IT部門は失業問題の緩和に大きな効果をもたらすと見ている。従って我が国の行政も通信業界の自由化により、国民の生活向上に向けて電子サービスの導入を進めている」と語った。
近年、カリブ海諸島の国々で急速な成長を遂げる通信業界について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=IPS Japan浅霧勝浩