【アブダビWAM】
「パキスタン北西部のアフガニスタン国境部族地域を拠点とする『パキスタンのタリバン運動』が、オサマ・ビンラディン暗殺の報復と予防接種活動に対する疑念から、ポリオ根絶運動に従事する関係者の殺害を相次いで行っており、予防接種活動が事実上停滞している。」とアラブ首長国連邦(UAE)の英字日刊紙「ガルフ・ニュース」が報じた。
パキスタンは、ナイジェリア、アフガニスタンと並んでポリオが依然として根絶されていない3か国の一つで、世界保健機構(WHO)の最新データによると、発症件数は58件から72件へと急増している(ナイジェリアは50件、アフガニスタンは9件)。
タリバンは、ビンラディンの居場所を特定する手段として偽の予防接種運動が利用されたとみており、米国が無人攻撃機による攻撃を止めない限り、予防接種を妨害し続けると宣言している。
「パキスタンでは、予防接種プログラム従事者が相次いで殺害され、何千人もの子供たちがポリオワクチンの接種を受けられない現状に、無力感と今後に対する悲観論が広がっている。」と同紙は報じた。
またガルフ・ニュース紙は、「タリバンは、次世代を担う子供たちの健康を奪うことで、理解者や支援者を獲得することはできない。ポリオ予防接種が子供たちの健康とよりよい未来を保障するという基本的な事実をイデオロギーで捻じ曲げるような行為をやめ、人道的な顔を見せるべきだ。」と付け加えた。
「どんなことがあっても、ポリオ根絶への歩みを止めてはならない。ポリオを根絶した世界の実現こそが、それを目指して弛まぬ努力を重ねている全ての人々にとっての最後の勝利となるだろう。」と、ガルフ・ニュース紙は結論付けた。(原文へ)
翻訳=IPS Japan
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